Ubuntu Touchニュース
「Ubuntu Touch」及び「Lomiri(旧名:Unity 8)」を開発している「UBports」では、「Ubuntu Touch Q&A」にて「Ubuntu Touch」や「Lomiri」の開発状況を紹介しています。先日紹介したように「Ubuntu Touch」の最新アップデート版である「Ubuntu Touch OTA-15」がリリースされました。
その中で「Ubuntu 20.04 LTS」ベースへの移行に向けた取り組みや次期アップデート版である「Ubuntu Touch OTA-16」の開発方針が紹介されています。
Ubuntu 20.04 LTSベースに移行
ご存知の通り「Ubuntu Touch」は、「Ubuntu」をベースとしたモバイルデバイス向けのOSです。現在リリースされている最新版の「Ubuntu Touch」は、「Ubuntu 16.04 LTS」がベースになっています。
次はUbuntu 20.04 LTSベースを目指す
「Ubuntu 16.04 LTS」は2016年4月にリリースされたOSであり、その無償サポート期間は2021年の4月で終わります。つまりサポートが終了するまでもう半年もありません。
「Ubuntu 16.04 LTS」の次にリリースされたLTSリリースの「Ubuntu」は「Ubuntu 18.04 LTS」ですが、「Ubuntu Touch」開発チームは「Ubuntu 18.04 LTS」を飛ばし、現在の最新LTSリリースである「Ubuntu 20.04 LTS」に移行する方針です。
「Ubuntu 20.04 LTS」は2020年4月にリリースされたOSであり、その無償サポートは2025年4月まで提供されます。
「Ubuntu Touch」のベースOSが大幅にバージョンアップするため、コアコンポーネントも大幅にバージョンアップし、その変更点は多岐にわたります。
期間で言えば一気に4年分のバージョンアップを行うことになります。
間に合いそうにない
残念ながら現状では「Ubuntu 16.04 LTS」の無償サポート期間が終わる前に「Ubuntu 20.04 LTS」への移行は完了しそうにありません。つまり「Ubuntu 16.04 LTS」のサポートが終了した後にリリースされる「Ubuntu Touch OTA」は「Ubuntu 20.04 LTS」への移行が完了するまで「Ubuntu 16.04 LTS」ベースでリリースすることになります。
移行に注力する
開発チームは今後数ヶ月かけ「Ubuntu 20.04 LTS」への移行に注力します。そのため「Ubuntu Touch」の改良作業といった移行以外の取り組みに多くのリソースは割かれなくなります。
その作業が一段落つくまでは、ユーザーから見ると改善や改良が積極的に行われなくなったように見えるかもしれません。
しかし新機能の実装など大きな変化が含まれにくくなる可能性があるとはいえ、継続的に「Ubuntu Touch OTA」はリリースされる予定です。
Qt 5.12に移行
「Ubuntu Touch OTA-15」で先送りになった「Qt 5.12」への移行ですが、「Ubuntu Touch OTA-16」で「Qt 5.9」から「Qt 5.12」へ完全に移行する予定です。パフォーマンスが改善される
「Qt 5.12」への移行により、アプリの起動時間が短縮されメモリーの使用量が削減されます。そのため小型で高速なアプリケーション及びシステムソフトウェアのパッケージを容易に提供できるようになり、「Qt 5.12」の採用で「Ubuntu 20.04 LTS」と足並みを揃えることができ、「Ubuntu 20.04 LTS」への移行が簡単になります。
Oxideの削除
「Oxide」はウェブのレンダリングエンジンです。「Oxide」は古く非推奨のエンジンであり、2017年以来エンジンがアップデートされていません。
この「Oxide」が「Ubuntu Touch OTA-16」で含まれなくなります。
Oxideから脱却を
「Oxide」を利用しているアプリは、「Ubuntu Touch OTA-16」で動作しなくなります。「Oxide」を利用しているアプリの開発者は、「Oxide」から脱却する必要があります。
また「Canonical」時代のアプリケーションストアから利用可能なアプリの多くは、直接的に「Oxide」を利用しています。
これらのアプリの中には「Cut the Rope」のようにクローズドソースなアプリも含まれています。
これらのアプリを利用しているユーザーは、アプリの開発者に修正をお願いするか、代替アプリを探してください。
Ubuntu Touch OTA-16のリリーススケジュール
「Ubuntu Touch OTA-16」は、2021年1月下旬から2月の中旬の間にリリースされる予定です。Ubuntu Touchとは
「Ubuntu Touch」は、スマートフォンやタブレットなどモバイルデバイス向けのOSであり、ユーザーのプライバシーと自由を尊重するOSです。UbuntuベースのOS
「Ubuntu Touch」は「Ubuntu」ベースで開発されているOSであり、開発は「UBports」コミュニティーにより行われています。モバイルのUXとデスクトップのUX
外部ディスプレイとキーボード、そしてマウスをモバイルデバイスに接続すれば、UIがデスクトップ向けのUIに変化し、デスクトップとして活用することもできます。つまり1つのモバイルデバイスで、モバイルのUXとデスクトップのUXを利用することができます。
Ubuntu Touchがサポートしているデバイス
「Ubuntu Touch」がサポートしているデバイスや、各デバイスで利用可能な機能及び制限は、以下を参照してください。Ubuntu Touchインストーラー
「Ubuntu Touch」は「UBports Installer」を利用してインストールします。「UBports Installer」は、「Windows」「macOS」「Linux」に対応しています。
「UBports Installer」の使い方は、以下の動画を参考にしてください。