Unity 7のメンテナー募集
「Unity 7」のメンテナーが募集されています。Unity 7
「Unity 7」は「Ubuntu 16.04 LTS」など以前の「Ubuntu」で採用されていたデスクトップ環境です。既報の通り「Ubuntu」のデスクトップ環境は、「Ubuntu 17.10」で「Unity」から「GNOME」へ変更されました。
Ubuntu Unity
それまで「Unity」は「Ubuntu(Canonical)」が主体となって開発されてきましたが、それ以降「Unity」の開発はコミュニティーに引き継がれ、有志により引き続き「Unity」のメンテナンスが行われています。その成果として現在「Ubuntu Unity」がリリースされています。
「Ubuntu Unity」はデスクトップ環境に「Unity」を採用した「Ubuntu」ベースのOSです。
「Ubuntu Unity」は「Ubuntu」の公式フレーバーではありませんが、「Ubuntu」の開発及びリリースポリシーに沿った開発が行われています。
(いわゆるRemixですね)
現在「Ubuntu Unity 20.04 LTS」と「Ubuntu Unity 20.10」がリリースされています。
また「Ubuntu Unity」は、「Raspberry Pi」向けにもリリースされています。
そして現在開発中の「Ubuntu 21.04」をベースにした「Ubuntu Unity 21.04」の開発が進められています。
COVID-19の影響でメンテナーが去る
「COVID-19」のパンデミックにより、多くの優秀なメンテナーが様々な理由で「Unity 7」から去ってしまい、「Unity」の開発ペースが落ち込んでいます。この状況を乗り越えるため開発チームで議論が行われました。
現在の状況
現在の状況です。コードベースの移管
今年初めに「Unity」のコードベース(ソースコード)が「GitHub/GitLab」に移管される予定です。これはプロジェクトに関心を持つ人達にソースコードを見てもらいやすくするためと、プロジェクトに参加しやすくするためです。
今のところ「Ayatana Project」によるコンポーネントの開発は、他のデスクトップ環境やLinuxディストリビューションのプロジェクトと連携して開発されています。
Yaruテーマ
「Ubuntu」で採用されているYaruテーマは「Unity」でも利用できる品質に達しており、日々の利用に活用可能な状況になっています。Compiz
「Unity 7」は「Compiz」に依存しています。しかし残念ながら「Compiz」の開発は終了しています。
「Compiz」を蘇らせることも不可能ではないかもしれませんが、「Unity 7」のコードベースは巨大でありメンテナンスは困難です。
Unity Xの開発
現状を踏まえ開発チームは、次期バージョンの「Unity」の開発を模索しました。次期バージョンの「Unity」は「Unity X」と呼ばれています。
Unity X
「Unity 7」は現在のバージョンですし、「Unity 8」は「Lomiri」に名称が変わりましたが過去に存在していたバージョンです。そして「Unity 9」も次期バージョンの「Unity」として話題が挙げられていました。
そこで「Unity X」になりました。
「Unity X」は「Unity 7」のエッセンスを踏襲したデザインになります。
「Unity X」は現在「Vala」で記述されています。
また「Mutter」のような「X11」と「Wayland」をサポートするウィンドウマネージャー及びコンポジターが使用される予定です。
「Unity X」は「Unity 7」や「GNOME」と異なり、「Compiz」や「Mutter」のプラグインにならない予定です。
まだこれから
「Unity X」はコミュニティーとして本採用するかどうかはまだ決まっていません。今後の進捗や状況次第になるでしょう。
Unityへの協力を
というわけで「Unity 7」のメンテナーが強く募集されています。「Unity 7」のメンテナンスに参加するなら、以下を参照してください。
またもし将来的に「Unity X」を採用する方針になるなら、「Unity X」でも開発者が募集されるでしょう。