新しいUbuntu Desktopインストーラーの開発
「Ubuntu Desktop」の新しいインストーラーの開発が進められています。Ubuntu Desktopインストーラー
その名の通りUbuntu Desktopインストーラーは、「Ubuntu Desktop」をインストールするためのインストーラーです。現在のUbuntu Desktopインストーラーは「Ubiquity」と呼ばれており、「Ubiquity」は2006年から開発・採用され続けています。
「Ubiquity」は現在でもメンテナンスされているソフトウェアであり「Ubuntu Desktop」のインストーラーとして活用されていますが、ここ数年大きな変化を伴う開発は行われていません。
また15年ほど前から開発されているソフトウェアであり、メンテナンスコストも増加傾向にあります。
Ubuntu Serverのインストーラーと共通基盤を共有する
「Ubuntu Server」では「Ubuntu Server」のインストーラーに「Subiquity」を採用しています。「Subiquity」は「Ubiquity」よりも新しいソフトウェアであり、その設計もモダンな設計になっています。
また「Subiquity」は「curtin」を利用しています。
新しいUbuntu Desktopインストーラーでは、「Subiquity」と仕組みを共有することで一貫性のあるUXを実現し、メンテナンスコストを削減できます。
Canonical Design TeamとUbuntu Desktop Teamが連携して開発する
「Ubuntu」にはそれぞれの分野にチーム(組織)が存在しています。優れたUXの実現に向け、デザインを担当する「Canonical Design Team」と「Ubuntu Desktop」を担当する「Ubuntu Desktop Team」が連携し、インストーラーの開発が行われています。
新しいUbuntu Desktopインストーラーのソースコードは以下で参照できます。
Flutterの採用
「Ubuntu Desktop」のインストーラーですから、当然GUIが必要になります。新しいインストーラーではGUIを実現する仕組みに「Google」が開発している「Flutter」が採用されます。
「Flutter」はLinuxでも利用可能なUIツールキットです。
Ubuntu 21.10で新インストーラーを提供
現在の予定では、2021年10月にリリース予定の「Ubuntu 21.10」で新インストーラーが提供される予定です。その次のバージョンが2022年4月にリリース予定の「Ubuntu 22.04 LTS」であり、「Ubuntu 22.04 LTS」で新インストーラーを採用するためには、実際にユーザーに新インストーラーを利用してもらい、幅広いテスト及びフィードバックを募集する必要があります。
Ubiquityも引き続き提供される
「Ubuntu」のフレーバーや派生ディストリビューションの中には、OSのインストーラーに「Ubiquity」を採用しているディストリビューションもあります。「Ubuntu Desktop」が新インストーラーに移行しても、「Ubiquity」も引き続き提供される予定です。