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HWEカーネルの採用ポリシー

「Ubuntu Desktop 20.04 LTS」ではHWEカーネルの採用ポリシーが変更され、以前のLTSとポリシーが異なっています。



Ubuntu LTS Enablement Stacks

そもそもLTSリリースの「Ubuntu」では5年間という長期サポートを提供するにあたり、新しいハードウェアに対応するため次のLTSリリースの「Ubuntu」まで、新しいバージョンの「Linux kernel」と「Xスタック」を提供する方針を採用しています。

これによりLTSリリースの「Ubuntu」を利用するユーザーは、新しいハードウェアに対応したLTSリリースの「Ubuntu」を利用できるようになります。

提供される新しい「Linux kernel」と「Xスタック」は、それ以降にリリースされた「Ubuntu」で採用されている「Linux kernel」と「Xスタック」になります。

例えば現在最新版のLTSリリースの「Ubuntu」は「Ubuntu 20.04 LTS」ですが、現時点で「Ubuntu 20.10」の「Linux kernel」と「Xスタック」が提供されています。
その後将来的に「Ubuntu 21.04」の「Linux kernel」と「Xスタック」が提供されるようになり、最終的に次のLTSリリースの「Ubuntu 22.04 LTS」まで新しいバージョンの「Linux kernel」と「Xスタック」が提供されることになります。

「Ubuntu LTS Enablement Stacks」とは、これらの仕組みや取り組みのことです。

HWEスタックとGAスタック

上記で紹介した新しいバージョンの「Linux kernel」と「Xスタック」は、「HWE(HardWare Enablement)」スタックと呼ばれます。
一方でLTSリリース時に採用された「Linux kernel」と「Xスタック」は、「GA(General Availability)」スタックと呼ばれます。
「HWE」も「GA」も両方共5年間のサポート対象になります。

「Ubuntu 20.04 LTS」の「Linux kernel」を例に見てみると、「Ubuntu 20.04 LTS」リリース時に「Linux kernel 5.4」が採用され、その後「Ubuntu 20.10」の「Linux kernel 5.8」が提供されています。
前者が「GA」で後者が「HWE」になります。


「HWE」は「HWE」向けの新しい「Linux kernel」と「Xスタック」が提供され次第、その新しい「Linux kernel」と「Xスタック」へアップグレードしていく(乗り換えていく)ポリシーです。


従来のポリシー

例えば「Ubuntu Desktop 18.04 LTS」では、「Ubuntu Desktop 18.04.2 LTS」以降の「Ubuntu Desktop」をクリーンインストールした場合や、それ以前のバージョンでもユーザーが手動で「HWE」スタックをインストールした場合は、「HWE」スタックがインストールされます。
それ以外ではデフォルトで「GA」スタックがインストールされます。
これはすでに何度も紹介していますね。


ちなみに「Ubuntu Server」では常に「GA」スタックがデフォルトであり、ユーザーは任意で「HWE」スタックを利用可能です。

Ubuntu Desktop 20.04 LTSのポリシー

「Ubuntu Desktop 20.04 LTS」では、デフォルトで「HWE」スタックがインストールされます。
またUbuntu認定ハードウェアでは、HWEカーネルの代わりに必要に応じてOEMカーネルがインストールされます。

「HWE」スタックでは従来と同様に「HWE」向けに新しい「Linux kernel」と「Xスタック」がリリースされると、その新しい「Linux kernel」と「Xスタック」へアップグレードされていきます。


HWEカーネルやOEMカーネルの代わりにGAカーネルを利用することも可能ですが、特定のハードウェアが動作しなくなったりパフォーマンスが低下するなど、何かしら問題が発生する可能性があります。
そのためHWEカーネルやOEMカーネルの利用が推奨されます。
つまり「Ubuntu Desktop」ユーザーは、「HWE」や「GA」を気にせずそのままの状態で利用すればOKです。

GAカーネルに戻すには

「Ubuntu Desktop 20.04 LTS」でGAカーネルに戻す方法です。
上記でも紹介した通り特別な理由がない限り、GAカーネルに戻す必要はありません。
発生し得るリスクや影響が不明ならば、尚更GAカーネルに戻すのは避けましょう。

1.Ubuntu認定ハードウェアプラットフォームの対象か調べる

以下のコマンドを実行し、Ubuntu認定ハードウェアプラットフォームの対象か調べます。

ubuntu-drivers list-oem

もし何かしらメタパッケージが出力された場合は、Ubuntu認定ハードウェアプラットフォームの対象であるため、GAカーネルへの変更は推奨されません。

2.GAカーネルのインストール

以下のコマンドを実行し、GAカーネルをインストールします。

sudo apt install --install-recommends linux-generic

3.Linux kernel nvidia modulesのバージョン確認

以下のコマンドを実行し、GAカーネルに対応した「Linux kernel nvidia modules」パッケージのバージョンを確認します。

ubuntu-drivers list

4.Linux kernel nvidia modulesのインストール

以下のNNNの部分を「3.」で確認したバージョンで置き換え、以下のコマンドを実行して「Linux kernel nvidia modules」パッケージをインストールします。

sudo apt install --install-recommends linux-modules-nvidia-NNN-generic

5.GAカーネルで起動

PCを再起動しGRUBのブートメニューを表示し「Advanced options for ubuntu」を選択します。
一覧の中から「Ubuntu, with Linux 5.4・・・」を選択し「Ubuntu」を起動します。
特に動作に問題がなければ、以下のコマンドを実行しHWEカーネルやOEMカーネルを削除できます。

sudo apt remove --purge linux-generic-hwe-20.04 linux-oem-20.04 linux-hwe-* linux-oem-* linux-modules-5.1* linux-modules-5.8.0-* linux-modules-5.6.0-*

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