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Ubuntu 21.04の新機能と変更点

リリースノートから「Ubuntu 21.04」の新機能と変更点を紹介します。


ここでは主に「Ubuntu Desktop」の内容を中心にピックアップします。
「Ubuntu 21.04」のリリースノートは以下で参照できます。


リリース情報

「Ubuntu 21.04」のリリース情報は、以下を参照してください。


サポート期間

「Ubuntu 21.04」は通常リリースであり、リリースされてから9ヶ月間のサポートが提供されます。
つまり2022年1月までサポートが提供されます。

長期サポートが必要なユーザーは

長期サポートが必要なユーザーは、最新のLTS版である「Ubuntu 20.04 LTS」を利用してください。


「Ubuntu 20.04 LTS」は2025年4月まで無償サポートが提供されます。
また「ESM」によりさらにサポート期間を5年間延長できる有償サポートサービスも提供されています。

Linux kernel 5.11採用

「Ubuntu 21.04」は「Linux kernel 5.11」ベースの「Linux kernel」を採用しています。
これによりハードウェアのサポートが改善・改良されています。

  • スワップ頻度を軽減するため、anonymousメモリーの管理が改善されました。
  • cgroups間でslabメモリーの共有を可能にする新しいcgroup slab controllerが導入されました。
  • 事前にメモリーの最適化を行うことでメモリーが断片化した状態でHuge pageを確保する際に発生する遅延を軽減できるようになりました。
  • ソケットのルックアップで動作するBPFプログラムの実行がサポートされました。
  • x86 CPUでコンテキストスイッチのパフォーマンスを改善するため、FSGSBASEがサポートされました。
  • 暗号化エンクレーブの作成でIntel SGXがサポートされました。
  • KVM下でハイパーバイザーからゲストのレジスターステートを保護するSEV-ESの実行がサポートされました。
  • NFSで拡張属性がサポートされました。
  • ext4及びBtrfsでfsync()のパフォーマンスが改善されました。
  • Btrfsのパフォーマンスが改善され及びデータの復帰オプションが追加されました。 
  • 信頼性の低いプロセスとリングを容易かつ安全に共有できるようにする仕組みがio_uringに追加されました。
  • パフォーマンスの改善及びメモリー使用量を削減するため、virtio-fs DAXがサポートされました。 
  • Intel RocketLake及び Intel DG1グラフィックがサポートされました。
  • AMD Vangogh、Green Sardine、Dimgrey Cavefishグラフィックがサポートされました。

その他アップストリームの変更点

前バージョンの「Ubuntu 20.10」では「Linux kernel 5.8」ベースの「Linux kernel」を採用していたため、3回分のメジャーバージョンアップが行われています。
アップストリームの「Linux kernel 5.9」から「Linux kernel 5.11」の変更点は、以下を参照してください。

  1. Linux 5.9 has been released on Sun, 11 Oct 2020.
  2. Linux 5.10 was released on Sun, 13 December 2020.
  3. Linux 5.11 was released on Sun, 14 Feb 2021.

ツールチェーンのアップデート

ツールチェーンがアップデートされました。

  1. GCC 10.3.0
  2. binutils 2.36.1
  3. glibc 2.33
  4. Python 3.9.4
  5. Perl 5.32.1
  6. LLVM 12(デフォルト)
  7. golang 1.16.x(デフォルト)
  8. rustc 1.50(デフォルト)
  9. OpenJDK 11
  10. Ruby 2.7.2

パッケージのビルドには使用されていませんが、「OpenJDK 16」も提供されています。
また「Ruby」は「Ruby 2.7.0」から「Ruby 2.7.2」へアップデートされ、「rubygems」は「Ruby 2.7」のソースから分離され別パッケージで提供されています。


セキュリティーの改善

セキュリティーが改善されています。

SBAT対応

「x86_64(amd64)」及び「AArch64(arm64)」環境のセキュアブートでは、「SBAT」に対応した「shim」「grub2」「fwupd」が含まれるようになりました。
「SBAT」対応の詳細は、以下を参照してください。


nftables

ファイアーウォールのデフォルトのバックエンドが「nftables」になりました。

Ubuntu Desktop

「Ubuntu Desktop」全般に関する内容です。

smartcardによる認証

「smartcard」は「pam_sss」経由で認証がサポートされました。

Waylandがデフォルトに

「Wayland」がデフォルトになり、セキュリティー及びパフォーマンスが改善されました。


ドラッグ&ドロップのサポート改善

デスクトップビューが適切にドラッグ&ドロップを扱えるようになり、デスクトップビューとファイルマネージャー間など相互にドラッグできるようになりました。


電源プロファイルモードの切り替え

「Linux kernel」による適切なサポートがある環境では、「設定」から電源プロファイルモードを変更できるようになりました。


Pipewireのサポート

「Pipewire」のサポートが有効になり、スクリーンの録画やサンドボックス内で動作するアプリのオーディオサポートが改善されました。

リカバリーキーのサポート

インストーラーがリカバリーキーをサポートしました。
暗号化されたディスクを復号化する際、パスワードを忘れてもリカバリーキーからディスクを復号化できます。

Active Directoryのサポート

「Active Directory」のサポートが改善され、「Ubuntu Desktop」インストール後に「GPO」でユーザー認証が利用できるようになりました。
またセントラルADコントローラーから様々な設定を行う「Group Policy client(ADSys)」も含まれています。


GNOME

「GNOME」の最新版である「GNOME 40」の採用は見送られ、「GNOME 3.38.5」が採用されています。



ただし多くの「GNOME」由来のアプリケーションは、「GNOME 40」のアプリケーションが採用されています。
「GNOME 3.38」の新機能と変更点は、以下を参照してください。


popularity-contestが含まれなくなった

「popularity-contest」パッケージが含まれなくなり、パッケージの利用状況が「Ubuntu Popularity Contest」に送信されなくなりました。
これはすでにこの仕組みが動作しなくなっているためです。

フェーズドアップデート

「APT」でフェーズドアップデートが有効になりました。
詳細は以下を参照してください。


Raspberry Pi

「Raspberry Pi」関連の内容です。

  • アクセラレーションが効いたWaylandベースのデスクトップがサポートされました。
  • 「libgpiod」による「GPIO」がサポートされ、新しい「liblgpio」が採用されました。
  • 「gpiozero」のアップデートにより、「liblgpio」との連携がサポートされました。
  • 「Compute Module 4」の「WiFi」と「Bluetooth」がサポートされました。

既知の問題

既知の問題です。

Ubuntu 21.04にアップグレードできない

「EFI 1.10」環境で以下の不具合があり、この環境で「Ubuntu 21.04」にアップグレードしてしまうと最終的にPCを起動できなくなります。


そのため現在「Ubuntu 20.10」から「Ubuntu 21.04」へのアップグレードは有効になっていません。
「EFI 1.10」環境と互換性のある「shim」が提供され次第、「Ubuntu 20.10」から「Ubuntu 21.04」へのアップグレードが有効になります。

KVMのs390xゲストでプロセスがハングする

「KVM」の「s390x」ゲストでは、ホストのKVMディスクが適切に切断されずブロックデバイスが残ったままになり、プロセスがハングする原因となります。


この不具合が修正されるまで「Ubuntu 21.04」の利用は見送ることをお勧めします。

Ubuntu Desktopの既知の問題

「Ubuntu Desktop」の既知の問題です。

Broadcom製ワイヤレスのドライバーが有効にならない

Broadcom製ワイヤレスを使用しているPCで、「Ubuntu」をインストールする前にライブセッションでBroadcom製ワイヤレスのドライバーを有効にすると、インストール後の「Ubuntu」でそのドライバーが有効にならなくなります。


この不具合を回避するには、「Ubuntu」をインストールする前にBroadcom製ワイヤレスにのドライバーを有効にしないでください。

Intel Soundwireでオーディオが動作しない

「Intel Soundwire」でオーディオが動作しません


「HDMI」「Bluetooth」「USBデバイス」経由のオーディオは動作します。

VMWare PlayerのEasy Installでインストーラーが止まる

「VMWare Player」の「Easy Install」で、インストーラーがインストール準備の画面で止まります。


自動インストールを続行するには、「続ける」ボタンをクリックしてください。

Raspberry Piの既知の問題

「Raspberry Pi」の既知の問題です。

初期設定がX11セッション

デスクトップイメージで初期ユーザーセットアップを行った後、「X11」セッションでデスクトップが動作します。
「Wayland」セッションを利用するには、再起動してください。


自動削除可能なパッケージが残る

デスクトップイメージで初期ユーザーセットアップを行った後、自動削除可能なパッケージがいくつか残ります。


自動削除可能なパッケージを削除するには、以下のコマンドを実行してください。

sudo apt autoremove

Raspberry Piのカメラアプリが動作しない

デスクトップイメージではX11アプリのサポートを改善するため、「FKMS」オーバーレイが「KMS」に切り替わりました。

これにより「libraspberrypi-bin」パッケージから提供される「raspivid」及び「raspistill」(Raspberry Piのカメラアプリ)の表示機能に影響が出ます。

そのためカメラファームウェアが「config.txt」で無効になっています。
また「Ubuntu 20.10」からアップグレードした環境でも同様に無効になります。
ユーザーはカメラファームウェアを有効化しそれらのアプリを利用できますが、プレビュー機能は動作しません。

オーディオ出力デバイスが適切に選択されない

デスクトップイメージでは起動する度に間違ったオーディオ出力デバイスが選択されます
不具合の内容や回避方法は、以下を参照してください。


非rootでGPIOのピンにアクセスできない

デスクトップイメージではデフォルトのユーザーが「dialout」グループに属しておらず、
非rootで「GPIO」のピンにアクセスできません。


この不具合を回避するには以下のコマンドを実行し、ログインし直してください。

sudo adduser $USER dialout

USBポートがホストモードになっていない

「Pi Foundation」が提供する「Compute Module 4」向けIOボードでは、USBポートが「Raspberry Pi 4」の「USB-C」ポートに接続されている「DWC2 USB2コントローラー」へルーティングされており、デフォルトでホストモードになっていません。
そのため接続されたUSBキーボードやその他USBデバイスが動作しません。

IOボードでUSBポートを有効にするには、「config.txt」に以下の設定を記述してください。

dtoverlay=dwc2,dr_mode=host

デフォルトでは「config.txt」のこの設定はコメントアウトされています。

overlay_mapが間違った場所に配置される

サーバーイメージでは、「flash-kernel」が実行されるまで「overlay_map」デバイスツリーがブートパーティション上の間違った場所に配置されています。


この不具合を回避するには以下のコマンドを実行してください。

sudo flash-kernel

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