Ubuntu Budgie 21.04の新機能と変更点
リリースノートから「Ubuntu Budgie 21.04」の新機能と変更点を紹介します。リリース情報
「Ubuntu Budgie 21.04」のリリース情報は、以下を参照してください。サポート期間
「Ubuntu Budgie 21.04」は通常リリースであり、リリースされてから9ヶ月間のサポートが提供されます。つまり2022年1月までサポートが提供されます。
長期サポートが必要なユーザーは
長期サポートが必要なユーザーは、最新のLTS版である「Ubuntu Budgie 20.04 LTS」を利用してください。「Ubuntu Budgie 20.04 LTS」は2023年4月まで無償サポートが提供されます。
Ubuntuと共通する新機能や既知の問題
「Linux kernel」などコアコンポーネントは「Ubuntu」と共有しています。「Ubuntu」と共通する新機能や既知の問題は、以下を参照してください。
Raspberry Pi 4向け
「Raspberry Pi 4」向けの「Ubuntu Budgie 21.04」もリリースされています。「Raspberry Pi 4」向け「Ubuntu Budgie 21.04」のリリースノートは、以下を参照してください。
「Raspberry Pi 4」向け「Ubuntu Budgie 21.04」の新機能や変更点は、以下も参考にしてください。
Budgie 10.5.2
「Ubuntu Budgie 21.04」では、デスクトップ環境に「Budgie 10.5.2」を採用しています。「Budgie 10.5.2」の変更点は、以下を参照してください。
Budgie Menu
「Budgie Menu」では様々な改良が施されています。DesktopAppInfoの追加チェック
デスクトップエントリーファイルに「Hidden」や「NoDisplay」が設定されている場合や、「NotShowIn」に「Budgie」が含まれている場合、それらのアプリを一貫して除外できるようにするため、「Budgie Menu」はアプリの「DesktopAppInfo」を追加チェックするようになりました。空のカテゴリーを非表示に
空のカテゴリーは表示されないようになりました。空のカテゴリーは「Wine」経由でアプリをインストールした時によく発生する現象です。
カテゴリーの並び替え
カテゴリーをアルファベット順で並び替えるようになりました。これによりユーザーのデスクトップディレクトリーが、常にシステムのデスクトップディレクトリーの下に並べられることがなくなります。
言い換えればユーザーのカテゴリーとシステムのカテゴリーが分け隔てなくアルファベット順で並ぶようになります。
pkexecの非同期実行
アプリが「pkexec」経由で実行される場合、非同期プロセスを生成し「pkexec」が実行されるようになりました。この時アプリの起動に必要な情報も一緒に渡され、認証に成功した後アプリが起動します。
Icon Task List
「Icon Task List」に関する変更点です。アプリの起動オプション
アプリの起動に関するオプションが2つ追加されました。Middle click to launch new window
オプションを有効にすると、マウスの中央ボタンでアプリをクリックした時に、アプリを新規インスタンスで起動できるようになります。Require a double-click to launch new window
オプションを有効にすると、シングルクリックではアプリは起動せず、ダブルクリックでアプリが起動するようになります。新規インスタンスで起動するボタン
アプリを新規インスタンスで起動するボタンが追加されました。アプリのアイコンをクリックした時の振る舞い
アプリのアイコンをクリックした時の振る舞いが改善され、一貫性が向上しました。例えば「Show All Windows on Click」オプション有効時、アプリのアイコンをクリックした時にアプリのウィンドウのいずれかがアクティブな場合、そのアプリのすべてのウィンドウを最小化もしくはウィンドウを表示します。また「Restrict to Workspace」オプションがオフの状態でアプリのインスタンスが1つのみかつそのアプリが他のワークスペース上にある場合、アプリのアイコンをクリックするとそのワークスペースに切り替え、ウィンドウの最小化を解除します。
アプリの検出精度の向上
アプリのグルーピングやアプリをタスクリストに列挙する際、その対象にするアプリの検出精度が向上しました。例えばドックやアプリのスプラッシュスクリーンは対象外になるアプリ(ウィンドウ)ですが、検出精度の向上によりこれらのアプリの区別をより適切に行えるようになりました。
Window Shuffler
「Window Shuffler」はアプリのウィンドウの配置位置やサイズの指定を簡単に管理・制御できるソフトウェアです。レイアウト機能
「Window Shuffler」にレイアウト機能が追加され、ユーザーはワンクリックで事前に設定したアプリ群の起動及びウィンドウの配置を簡単に行えるようになりました。動作の様子は上記のデモ動画を参照してください。
QuickChar
「QuickChar」は文字の入力を支援するアプリです。「QuickChar」のインストールが簡単になり、インストール場所のパッチが必要なくなりました。
「QuickChar」は「Budgie Extras」からインストールできます。
Clipboard Manager
「Clipboard Manager」は、クリップボードの履歴を管理するアプレットです。「Clipboard Manager」は「Budgie Extras」からインストールできます。
Analogue Clock
「Analogue Clock」は、アナログ時計を表示するアプレットです。デスクトップ上にも配置可能です。
「Analogue Clock」は「Budgie Extras」からインストールできます。
WeatherShow
「WeatherShow」は、天気予報を表示するアプレットです。検索対象の都市が2.26万から18.5万まで大幅に増加しました。
サウンドアプレット
サウンドアプレットのデザインが見直され、ミュートのオン・オフを切り替えるボタンが追加されました。また「システム設定」の「サウンド」で使用されているアイコンデザインが利用されています。
System Tray
「System Tray」が作り直され、不具合の解消と共に「XEmbed Protocol」を利用したトレイアイコンがサポートされました。アイコン間のスペース調整
アイコン間のスペースを調整できるようになりました。これによりアプレットとトレイアイコンのスペースを同一にし、見た目を揃えられるようになりました。
不具合の修正
- アイコンの背景が再描画されず、アイコン変更時に以前のアイコンが残ってしまう不具合が修正されました。
- パネルを自動的に隠す設定にしておりパネルが非表示になる時に、トレイアイコンが一貫して非表示にならない不具合が修正されました。
- パネルの透過設定が動的になっている時に、トレイアイコンが点滅する不具合が修正されました。
- アイコンテーマを切り替えた時にトレイアイコンが非表示になる不具合が修正されました。
パネルの削除
デスクトップ上からパネルを削除するボタンがアプレット一覧画面の下部に設置されました。この削除ボタンはデスクトップ上にパネルが1つしかない時は表示されません。
またパネルの削除確認のダイアログを非表示にする(ユーザーの確認なしにパネルを削除する)オプションが削除され、パネル削除時に必ずパネルの削除確認のダイアログが表示されるようになりました。
Budgie Desktop View
「Budgie Desktop View」は、デスクトップ上にユーザーのホームディレクトリーやゴミ箱といった特別なディレクトリーのアイコンを配置したり、ボリュームアイコンを配置する「Budgie」固有のデスクトップを実現するソフトウェアです。「Budgie Desktop View」はデフォルトで利用されていませんしインストールもされていませんが、「budgie-desktop-view」パッケージをインストールすれば「Budgie Desktop View」を利用できます。
「Budgieデスクトップの設定」は「Budgie Desktop View」をサポートしており、「Budgie Desktop View」の設定が可能です。
Raven
「Raven」の表示位置を指定するオプションが追加されました。例えば「左」を指定すれば、以下のように「Raven」が左側に表示されるようになります。
その他
その他「Budgie」関連の変更点です。アニメーションの無効化
背景の遷移やワークスペース切替時のアニメーションが「Budgieデスクトップの設定」の「アニメーション」設定に従うようになりました。つまりアニメーションの無効化が可能です。
アプリケーションスイッチャー
「Alt + Tab」キーで表示されるスイッチャーが「Ctrl」キーに対応しました。これによりキーボードレイアウトやマッピングのカスタマイズ性が向上しています。
またすべてのワークスペースのすべてのウィンドウをスイッチャーに表示するオプションが追加されました。
Budgie Run Dialog
「Alt + F2」キーで表示される「Budgie Run Dialog」は、ソフトウェアの検索精度が向上し、「Budgie Menu」と似た振る舞いを行うようになりました。Caffeineアプレット
Caffeineモード有効時に、残り時間が表示されるようになりました。キーボードレイアウトの切り替え
「Alt + Shift」キーで次のキーボードレイアウトに切り替えられるようになりました。不具合の修正
修正された不具合です。英語以外のキーボードレイアウトの修正
日本語など英語以外のキーボードレイアウトの不具合が修正されました。また「IBus」の候補が表示されるように「budgie-desktop」が修正されました。
Workspace Appletの修正
「Workspace Applet」が最大ワークスペース数を超えてワークスペースを追加できないように修正されました。ワークスペース数が最大数に達している場合、ワークスペースを追加する「+」ボタンが表示されないようになり、新規ワークスペースへのドラッグが行えないようになりました。
ダークモードの設定
ダークモードの設定が実際に変更された時のみ設定が反映されるクラスに対応するため、パネルの初期化時に必要に応じてダークモードを設定するようになりました。クラッシュする不具合の修正
アプレット削除時にクラッシュする不具合が修正されました。「Wnck」の利用に関連するクラッシュする不具合が修正されました。
Task Listアプレットの修正
「Task List」アプレットでは、大量のウィンドウを開いている時にウィンドウ一覧をスクロールしてすべてのウィンドウにアクセスできるようになりました。パネルの領域
ウィジェットやアプレットがない領域は表示されなくなり、アプレットにその分のスペースを割り当てられるようになりました。Chromiumベースのブラウザーの通知アイコン
Chromiumベースのブラウザーの通知に表示されるアイコンが適切に表示されない不具合が修正されました。アイコンファイルに不正なパスが指定された場合、「mail-unread-symbolic」アイコンを使用するようになりました。
通知と通知グループ
通知と通知グループは選択されても特に実行可能なアクションがないため、選択できないように変更されました。また通知は通知グループに追加されなくなり、古い通知は新しい通知よりも通知グループリスト内の上部に配置されるようになりました。
サウンドウィジェット
オプションがオフの場合、100%を超えてボリュームを調整できないように修正されました。MPRISプレーヤー
MPRISプレーヤーは「Spotify」が提供するアルバムアートのURLを正常に修正するようになりました。Budgie Popovers
「Budgie Popovers」がウィンドウのスケーリングファクターを適切に処理するようになりました。キーボードショートカットとメディアキー
OSの起動もしくは再起動時にキーボードショートカットとメディアキーは適切に適用されない不具合が修正されました。Night Light
アプリのウィンドウがフルスクリーンになっている時など様々なウィンドウの状態でも、「Night Light」が適切に動作するようになりました。テーマ
テーマに関する変更点です。デフォルトテーマの変更
デフォルトのテーマが「Pocillo-dark」に変更されました。また「Pocillo」アイコンテーマは「Tela-Icons」と「Qogir Panel/symbolic icons」を組み合わせたアイコン群を継承するように変更されました。
WhiteSurテーマ
「Budgie Themes & Layouts」から「WhiteSur」を利用できるようになりました。テーマの削除
「Moka」と「Faba」アイコンテーマがデフォルトでインストールされなくなりました。また「Plata」と「Evopop」テーマが「Ubuntu Budgie」から削除されました。
不具合の修正やアップデート
「Vimix」テーマを「Budgie Themes & Layouts」から「makeover」できない不具合が修正されました。「QogirBudgie」テーマがアップストリームの最新版にアップデートされ、多数の不具合が修正されています。
「Pocillo」のデザイン修正され、スライドバーやすべてのボタンコントロール、「Nemo」のツールバーがシェードされるようになり、変種のダークテーマとの一貫性が改善されました。
また「Budgieデスクトップの設定」でコントロールの右側が欠ける問題が修正されるなど、デザインの調整が行われました。
アップストリームの「Mojave」が取り込まれ、「Budgieへようこそ」から利用できるようになっています。
Budgie Welcome
「Budgie Welcome」に関する変更点です。タブライクなUIの導入
「Budgie Themes & Layouts」にタブライクなUIが導入され、「外観を切り替え」と「デスクトップのレイアウト」にアクセス可能です。パフォーマンスの改善
「Budgie Welcome」の初回起動時、起動時間が大幅に短縮されました。また表示やナビゲーションのパフォーマンスが改善されています。
Analogue Clock Applet
「Analogue Clock Applet」が「Budgie Extras」からインストールできるようになりました。ショートカットキー
ウィンドウの移動に関するショートカットキーの案内が追加されました。Braveの追加
「はじめに」の「ブラウザーの選択」に「Brave」が追加されました。Gutenprintの追加
「推奨事項」に「Gutenprint」が追加されました。ソフトウェア
ソフトウェアに関する変更点です。htop
「htop」がデフォルトでインストールされるようになりました。Thunderbird
「Thunderbird」がデフォルトのメールクライアントになり、「Geary」が削除されました。バックアップ
「バックアップ(deja-dup)」がデフォルトでインストールされるようになりました。プリンターとスキャナーのサポート改善
「printer-driver-gutenprint」がデフォルトでインストールされ、「Epson」や「Canon」などプリンターのサポートが改善されています。また「sane-airscan」がデフォルトでインストールされ、モダンなネットワークスキャナーと一部のUSBスキャナーのサポートが改善されています。
スキャンはデフォルトでインストールされている「simple-scan」から可能です。
vinoの削除と代替
「vino」が削除され代わりに「gnome-remote-desktop」がインストールされています。共有設定は「設定」の「共有」から行います。
メディアフォルダーの共有やリモートログイン(SSH)、スクリーン共有(VNC)といった設定が可能です。
Slick Greeter
「Slick Greeter」は、時計のフォーマットをカスタマイズできるようになりました。既知の不具合
既知の不具合です。アップグレード後にパネルがクラッシュする時は
アップグレード後にメニューボタンをクリックするとパネルがクラッシュする時は、「Ctrl + Alt + T」キーを押して端末起動し、以下のコマンドを実行してください。 nohup budgie-panel --reset --replace &
ターミナルベースのアプリが起動しない
メニューからターミナルベースのアプリを起動しても、ターミナルベースのアプリは起動しません。この不具合の詳細は、以下を参照してください。
回避策は、端末起動し、以下のコマンドを実行してください。
sudo ln -s /usr/bin/tilix /usr/bin/nxterm