Ubuntu Touch OTA-19がリリースされました
2021年9月21日、「Ubuntu Touch OTA-19」がリリースされました。Ubuntu Touchとは
「Ubuntu Touch」は、スマートフォンやタブレットなどモバイルデバイス向けのOSであり、ユーザーのプライバシーと自由を尊重するOSです。UbuntuベースのOS
「Ubuntu Touch」は「Ubuntu」ベースで開発されているOSであり、開発は「UBports」コミュニティーにより行われています。モバイルのUXとデスクトップのUX
外部ディスプレイとキーボード、そしてマウスをモバイルデバイスに接続すれば、UIがデスクトップ向けのUIに変化し、デスクトップとして活用することもできます。つまり1つのモバイルデバイスで、モバイルのUXとデスクトップのUXを利用することができます。
Ubuntu Touchがサポートしているデバイス
「Ubuntu Touch」がサポートしているデバイスや、各デバイスで利用可能な機能及び制限は、以下を参照してください。Ubuntu Touchインストーラー
「Ubuntu Touch」は「UBports Installer」を利用してインストールします。「UBports Installer」は、「Windows」「macOS」「Linux」に対応しています。
「UBports Installer」の使い方は、以下の動画を参考にしてください。
Ubuntu Touch OTA-19の新機能と変更点
「Ubuntu Touch OTA-19」は「UBports」による「Ubuntu Touch」の19回目のアップデートです。アップデート対象デバイス
「Ubuntu Touch OTA-19」は、以下のデバイス向けにリリースされています。以下のデバイスを利用しているユーザーは、来週までにアップデートが提供されます。
- BQ E4.5 Ubuntu Edition
- BQ E5 HD Ubuntu Edition
- BQ M10 (F)HD Ubuntu Edition
- BQ U Plus
- Cosmo Communicator
- F(x)tec Pro1
- Fairphone 2
- Fiarphone 3
- Google Pixel 2XL
- Google Pixel 3a
- Huawei Nexus 6P
- LG Nexus 4
- LG Nexus 5
- Meizu MX4 Ubuntu Edition
- Meizu Pro 5 Ubuntu Edition
- Nexus 7 2013 (Wi-Fi and LTE models)
- OnePlus 2
- OnePlus 3 / 3T
- Oneplus 5 / 5T
- OnePlus 6 / 6T
- OnePlus One
- Samsung Galaxy Note 4 (910F, 910P, 910T)
- Samsung Galaxy S3 Neo+ (GT-I9301I)
- Sony Xperia X
- Sony Xperia X Compact
- Sony Xperia X Performance
- Sony Xperia XZ
- Sony Xperia Z4 Tablet (LTE or Wi-fi only)
- Vollaphone
- Vollaphone X
- Xiaomi Mi A2
- Xiaomi Mi A3
- Xiaomi Mi MIX 3
- Xiaomi Poco F1
- Xiaomi Redmi 3s/3x/3sp (land)
- Xiaomi Redmi 4X
- Xiaomi Redmi 7
- Xiaomi Redmi Note 7
- Xiaomi Redmi Note 7 Pro
PinePhone/PineTabについて
「PinePhone」及び「PineTab」向けのアップデートは、上記デバイスとは別にリリースされます。また「PinePhone」及び「PineTab」向けの「Stableチャンネル」では、「OTA-19」の名称(ラベル)が付いたアップデートは提供されません。
機能の改善や改良が主な変更点
現在開発チームは「Ubuntu Touch」のベースOSを「Ubuntu 16.04 LTS」から「Ubuntu 20.04 LTS」へ移行する作業に注力しています。そのため「Ubuntu 16.04 LTS」ベースの「Ubuntu Touch」では開発コストを抑えるため、安定性向上に注力した取り組みが行われています。
言い換えれば大規模な新機能の実装等は行われず、機能の改善や改良が主な変更点になります。
Ubuntu 16.04 LTSベース
「Ubuntu Touch OTA-19」は引き続き「Ubuntu 16.04 LTS」ベースで構築されています。App frameworkのアップデート
「App framework」では「16.04.7 framework」が追加されました。パッケージの追加
「qml-module-qtwebview」と「libqt5webview5-dev」が追加されました。開発者は「QtWebEngine」のラッピングが可能になり、「QtWebEngine」への直接アクセスを提供していない他のプラットフォームでもアプリケーションの互換性を確保することが可能になります。
Halium 7.1 / 5.1デバイス
「Halium 7.1 / 5.1」デバイスでは、ジャイロスコープと地磁気センサーにアクセスできるようになりました。また安定性は不十分ですが、コンパスの実装が為されました。
Halium 9 / 10デバイス
「Halium 9 / 10」デバイスでは、従来の「platform-api」に代わり「sensorfw」を使用するようになりました。地磁気センサーに関しては正確な情報を返すようになっておらず、今後の修正で対応される見込みです。
メッセージアプリ
メッセージアプリでは、キーボードが自動的にポップアップしないようになりました。これにより受信メッセージに即座に返信しない時に、ユーザーはメッセージの読み込みに集中できるようになりました。
WiFi接続
WiFi接続に即座に接続を確立できない場合、不要なパスワードダイアログが表示されないように修正されました。これにより余計なポップアップ画面を表示する機会が減り、同一SSIDに対し(1)や(2)といった名称のついた複数のエントリーが作成されなくなりました。
オーディオの不具合修正
ヘッドホンケーブルを抜いた時に再生中の音楽が一時停止せず、デバイスのメインスピーカーから音が出てしまう問題が修正されました。「media-hub」では、最初の音楽を再生した後デバイスがスリープに移行し、その後再生中の音楽が正常に再生されない(音が壊れる)問題が修正されました。
また「media-hub」は音声のみを想定しており、ビデオ情報のみ含むリモートメディア再生中にディスプレイがオフになる問題が修正されました。
「media-hub」で音楽とシステムサウンドなど2種類の音声が再生される時に、デバイスがスリープに移行する問題が修正されました。
加えて「media-hub」でバッテリーの消費量が大きくなる問題も修正されています。
カメラとスクリーンショットの効果音
カメラとスクリーンショットで意図した効果音がならない問題が修正され、よりリアルな効果音がなるように修正されました。Pixel 3aのサポート改善
「Pixel 3a」でシャットダウンする時にデバイスがフリーズする問題が修正されました。通話中に近接センサーが正常に動作するようになりました。
動画の撮影時に音声が正しくキャプチャーされずカメラアプリがフリーズする問題が修正されました。
同じ原因で同じ現象が発生している他のデバイスでもこの修正により問題が改善されます。
Ubuntu Touch OTA-19をインストールするには
「Ubuntu Touch OTA-19」をインストールする方法です。1.stableチャンネルでUbuntu Touchを利用している場合
現在「stable」チャンネルですでに「Ubuntu Touch」を利用している場合、「System Settings」の「Updates」画面から「Ubuntu Touch OTA-19」へアップデートできます。ただしアップデートはリリース日から来週にかけてランダムに提供されるため、デバイスによってアップデートを受け取れる時期が異なります。
これはアップデートに問題が見つかった際に、ユーザーへの影響を軽減するための措置です。
即座にアップデートを適用したい場合
即座にアップデートを適用したい場合、まずデバイスのADBアクセスを有効にします。次に「adb shell」上で以下のコマンドを実行します。
sudo system-image-cli -v -p 0 --progress dots
2.Ubuntu Touchを新規にインストールする場合
「Ubuntu Touch」を新規にインストールする場合、以下を参考にして「Ubuntu Touch OTA-19」をインストールしてください。不具合を見つけた時は
不具合を見つけた時は、まず以下のドキュメントに目を通し不具合の報告方法を確認してください。また同様の不具合がすでに報告されていないか、以下で確認してください。