KDE Plasma 5.23の新機能と変更点
2021年10月14日、「KDE Plasma 5.23」がリリースされました。リリースアナウンスから「KDE Plasma 5.23」の新機能と変更点を紹介します。
KDE 25周年
今から25年前の1996年10月14日、一通のメールからKDEプロジェクトが始まりました。そして25年後の2021年10月14日、「KDE Plasma 5.23」が「Plasma 25th Anniversary Edition」としてリリースされました。
デザインの改善
デザインが改善され、見た目がより明瞭になりました。ダイアログウィンドウがフォーカスを得たときにウィンドウ内のアクティブな要素がライトアップされるようになりました。
ウィジェットデザインの改良
チェックボックスでは、チェックボックスをオンにしたときに分かりやすいチェックマークが表示されるようになりました。ラジオボタンも電球のような分かりやすいデザインに改善されました。
スクロールバーやスピンボックスでは、コントロールのサイズが以前より大きくなり、タッチ操作の操作性が向上しています。
タスクの完了待ちインジケーター
アプリの起動待ちやプロセスの完了待ち時にタスクが完了するまで回転歯車が表示されるようになりました。デスクトップウィジェット
デスクトップウィジェットの背景にブラー効果がかかるようになり、パネルに近づけると強調表示されるようになりました。アクセントカラー
アクセントカラーとは、選択されているアイテムやアイコンの背景色、プログレスバーの進捗を表すバーの色など、強調表示に使われる色のことです。このアクセントカラーを変更できるようになりました。
色からアクセントカラーを変更可能
アクセントカラーを変更するには「KDE システム設定」を起動し、左側の設定項目一覧から「外観」を選択します。「Global Theme」の「色」を選択すると以下のように、「Use accent color」でアクセントカラーを変更できるようになります。
「From current color scheme」を選択すると、オリジナルのアクセントカラーにが使用されます。
「Custom」を選択すれば、別のアクセントカラーに変更できます。
アクセントカラーの変更例
例えば上記のようにアクセントカラーにピンクを選択すると、以下のように強調色がピンクに変更されます。ディスプレイ解像度の変更と復帰
「KDE システム設定」の「ディスプレイの設定」からディスプレイの解像度を変更できます。ユーザーがディスプレイの解像度をした時に設定によってはディスプレイに何も映らなくなってしまう場合があります。
このような状況を改善するため「ディスプレイの設定」で解像度をした時に、30秒後に自動的にディスプレイの解像度を元に戻す仕組みが追加されました。
プライバシー
「KDE システム設定」にプライバシーに関する情報の提示や設定が追加されました。Night Color
「Night Color」の設定では、送信するデータに関する情報や情報の送信先サービスの情報が表示されます。ユーザーフィードバック
「ユーザーフィードバック」では、KDEに送信するデータの履歴を表示できるようになっています。ちなみに「ユーザーフィードバック」の設定はデフォルトでオフになっており、データの送信は行われないようになっています。
Bluetoothアダプターの設定
「KDE システム設定」の「Bluetooth」のアダプターの設定では、ログイン時のアダプターの状態を設定できるようになりました。検索性の向上
「KDE システム設定」には多種多様な設定項目があり、ユーザーによっては必要な設定項目にたどり着きにくく、煩雑さを感じるかもしれません。設定項目を識別するキーワードが追加され、従来よりも検索性が向上しました。
Kickoff
「Kickoff」はアプリケーションランチャーです。「Kickoff」のコードは以前も実装全体が見直されましたが、更に今回もコードの大部分が書き直され、パフォーマンスや使いやすさが向上しています。
開いたままにするオプション
「Kickoff」の右上のピンアイコンをクリックすると、「Kickoff」を開いたままにすることができます。カスタマイズ
上記ピンアイコンの左側にある設定ボタンをクリックすると、「Kickoff」の設定画面が表示されます。アプリケーションビューに並ぶアプリケーションを一覧表示にしたり、グリッド表示に変更できます。
またPCの再起動やログアウトなど電源及びセッション操作に関するボタンの表示設定を変更することができます。
タッチ操作の改善
タッチ操作で長押しすれば、コンテキストメニューが表示されるようになりました。システムトレイの改善
システムトレイに関する改善点です。クリップボード
システムトレイにクリップボードの履歴を管理する「クリップボード」があります。「クリップボード」が改善され、デフォルトで20件の履歴を保持するようになりました。
またユーザーが明示的にコピーしなかった選択を無視するようになりました。
「Delete」キーで選択されている履歴を削除することも可能です。
通知のメッセージのコピー
通知に表示されているメッセージを「Ctrl + C」キーで簡単にコピーできるようになりました。オーディオボリュームアプレット
オーディオボリュームアプレットでは、オーディオを再生中のアプリと録音中のアプリを区別するようになりました。メディアプレーヤーウィジェット
メディアプレーヤーウィジェットは常に再生中のアルバムを表示するようになりました。またその背景はブラー効果で描画されるようになりました。
バッテリーと明るさウィジェット
バッテリーと明るさウィジェットでは、電源プロファイルを簡単に切り替えられるようになりました。「省電力」、「バランス」、「パフォーマンス」で切り替え可能です。
ネットワークウィジェット
ネットワークウィジェットは、接続済みのネットワークのより詳細な情報を表示するようになりました。また有線LANの速度を手動で設定できるようになりました。
「OpenVPN」接続の認証設定のサポートが改善され、IPv6を無効化することも可能になりました。
Waylandのサポート改善
「Wayland」のサポートが改善されています。
- アプリ起動時にアニメーションカーソルが表示できるようになりました。
- モバイルデバイス向けに新しい画面の回転アニメーションが追加されました。
- タブレットモードを利用すると、システムトレイのアイコンサイズが大きく表示され、タッチ操作の操作性が向上します。
- スクリーンキャプチャーが行われているとシステムトレイにその通知が表示され、スクリーンキャプチャーをキャンセルすることができます。
- 「Wayland」及び「XWayland」間でマウスの中央ボタンクリックによるペーストや、ドラッグ&ドロップがサポートされました。