Linux Mint月刊ニュース
「Linux Mint」開発チームは、Linux Mint月刊ニュースにて「Linux Mint」の開発状況や取り組みを紹介しています。Linux Mint 20.3
「Linux Mint 20.3」は次期バージョンの「Linux Mint」です。「Linux Mint」は「Ubuntu」をベースにしたLinuxディストリビューションです。
開発コード
「Linux Mint 20.3」の開発コードが「Una」に決まりました。「Linux Mint 20.3」は「Ubuntu 20.04 LTS」をベースに開発されています。
リリース予定日
「Linux Mint 20.3」は2021年のクリスマスにリリースが予定されています。3種類のエディション
「Linux Mint 20.3」では以下のエディションがリリースされる予定です。- Cinnamon
- MATE
- Xfce
LMDE 5
「LMDE 5」は次期バージョンの「LMDE」です。「LMDE」は「Linux Mint Debian Edtion」の略称であり、文字通り「Debian」をベースにしたLinuxディストリビューションです。
開発コード
「LMDE 5」の開発コードが「Elsie」に決まりました。「LMDE 5」は「Debian 11」をベースに開発されています。
デスクトップ環境
「LMDE 5」はデスクトップ環境に「Cinnamon」を採用します。また64bit版(amd64)と32bit版(i386)のリリースが予定されています。
新デザインのウェブサイト
「Linux Mint」公式サイトのデザインが刷新され、新しいデザインになりました。「Linux Mint」が持つカラーリングに沿ったデザインを採用し、あらゆるデバイスでサイトが正しく表示されるよう調整され、モダンなサイトになりました。
また初心者がサイトで迷わないようにダウンロードやインストール方法へのリンクを目立つ場所に配置し、「Linux Mint」の機能や魅力が体系的に紹介されるようになりました。
Mint-Yテーマの改善
「Mint-Yテーマ」の改善作業が行われています。ウィンドウのタイトルバー
タイトルバーのサイズが小さすぎたため、サイズの拡大が検討されています。またタイトルバーの角に丸みを帯びたデザインを採用し、ウィンドウのコントロールボタンのサイズ拡大も検討されています。
ボタンサイズが拡大されれば、ユーザーは最小化や閉じるといったタイトルバーのボタンをクリックしやすくなります。
アクセントの調整
「Mint-Yテーマ」には複数のカラーバリエーションが含まれています。例えば以下は「Aqua」です。
アクティブな項目を強調表示するような鮮やかな色のことを「アクセント」と呼んでいます。
アクセントはその鮮やかな色によりUI上の特定の要素を強調表示し、その要素にユーザーの注意を引かせる効果をもたらします。
しかし画面上にアクセントで着色された要素の数が多くなるとユーザーの注意は散漫になり、煩雑な印象を与えます。
この状況を改善するためアクセントの削除と代わりにグレー系カラーの導入が検討されています。
スライダーやチェックボックス、ラジオボタン、閉じるボタンのように小さなウィジェット(UI要素)の強調色は変更せず、それ以外のアクセントを削除し落ち着いたグレー系への変更が検討されています。
反転色の調整
現在選択色に反転色を使用しています。このデザインはテキストエントリー(テキストボックス)では見栄え良くなりますが、埋め込みウィジェットを含むリストでは煩雑に見えます。
例えばツリービューの各要素にプログレスバーを埋め込んでいる「Transmission」がこれに該当します。
ツリービューの要素を選択した時に強調色が全体的に使用され、要素内のテキストやウィジェットに反転色が使用され、情報が読み取りにくくなります。
この状況を改善するため背景色の強調色の利用に留め、大きな領域から反転色の削除が検討されています。
ただしテキストエントリーのような小型のウィジェットでは、引き続きこの反転色を使用します。
カラー調整
テーマのグレーの部分にカラーバリエーションに応じた着色をほんの少し施したデザインが検討されています。一部のカラーバリエーションでは上記のようにグレーに着色したデザインの方が見栄えが良くなるでしょう。
Mint-Y-Darkerの削除
「Linux Mint 20.3」では「Mint-Y-Darker」が削除されます。引き続き「Mint-Y-Darker」を利用したいユーザーは、「mint-themes-legacy」パッケージをインストールすることで「Linux Mint 20.3」でも「Mint-Y-Darker」を利用できます。
アプリのダークモード
「Mint-Yテーマ」でアプリのダークモードをサポートする作業が進められています。ダークモードは特定のアプリでダークテーマを利用していなくてもダーク系のテーマを適用する仕組みです。
Linux Mint 20.3で提供
ダークモードは「Linux Mint 20.3」で提供されます。「Linux Mint 20.3」のデフォルトのテーマはライト系のテーマですが、以下のアプリはデフォルトでダーク系のテーマが適用されます。
- Hypnotix
- Celluloid
- GNOME Terminal
- Pix
- XViewer
これらのアプリでライト系のテーマを適用したい(ダークモードを無効にしたい)場合は、各アプリの設定でダークモードを無効化することも可能です。
Xfwm(Xfce)ではサポートしない
「Xfwm(Xfce)」でダークモードはサポートされません。そのため「Pix」と「Xviewer」はライト系のテーマが適用されます。
その一方で「Hypnotix」及び「Celluloid」はGTK borderを使用しているため、ダークモードがサポートされる予定です。