Lubuntu 21.10の新機能と変更点
リリースノートから「Lubuntu 21.10」の新機能と変更点を紹介します。リリース情報
「Lubuntu 21.10」のリリース情報は、以下を参照してください。リリースノートは以下を参照してください。
「Lubuntu 21.10」は「Lubuntu」にとって21回目のリリースとなります。
また「Lubuntu」のデスクトップ環境が「LXDE」から「LXQt」に変更されてから7回目のリリースとなります。
サポート期間
「Lubuntu 21.10」は通常リリースであり、リリースされてから9ヶ月間のサポートが提供されます。つまり2022年7月までサポートが提供されます。
長期サポートが必要なユーザーは
長期サポートが必要なユーザーは、最新のLTS版である「Lubuntu 20.04 LTS」を利用してください。「Lubuntu 20.04 LTS」は2023年4月まで無償サポートが提供されます。
Ubuntuと共通する新機能や既知の問題
「Linux kernel」などコアコンポーネントは「Ubuntu」と共有しています。「Ubuntu」と共通する新機能や既知の問題は、以下を参照してください。
Lubuntu公式ドキュメント
「Lubuntu」の公式ドキュメントは、以下から参照できます。LXQt 0.17.0
「Lubuntu 21.10」では、デスクトップ環境に「LXQt 0.17.0」を採用しています。前バージョンの「LXQt 0.16.0」から数多くの改良が施されています。
「LXQt 0.17.0」の変更点の詳細は、以下を参照してください。
子プロセスの終了
セッション終了時に「LXQt」はすべての子プロセスを終了するようになりました。これにより非「LXQt」アプリはセッション終了時に最新の設定を保存することができ、アプリがクラッシュするケースを回避できるようになりました。
デスクトップ通知
デスクトップ通知(LXQt Desktop Notifications)に表示される概要が常にプレーンテキストとして扱われるようになりました。LibFM-QtとPCManFM-Qt
「LibFM-Qt」と「PCManFM-Qt」に関する変更点です。主にファイルマネージャー関連の変更点になります。
ファイルの作成日のサポート
ファイルの作成日がサポートされました。管理者モード
「ツール」メニューに「タブを管理者モードで開く」機能が追加されました。この機能はタブを「GVFS」による管理者権限で開く機能であり、rootインスタンスなしにユーザーパーミッションで移動やコピーといったファイルの転送が可能になります。
ただし「GVFS 1.48.0」の不具合によりこの機能は動作しません。
不具合が修正され次第この機能を利用できるようになります。
ランチャーの作成機能
現在のフォルダー内にランチャー(デスクトップエントリーファイル)を作成する「ランチャーの作成」機能が「ツール」メニューに追加されました。以下のようにランチャーを作成する画面が表示されます。
ランチャーはいわゆるショートカットに相当する機能です。
サムネイルのファイルサイズの制限
サムネイルの作成対象にするファイルサイズの制限が有効になりました。サムネイル描画の不具合修正
スケールファクターが1を超える環境でサムネイルがぼやける不具合が修正されました。LXQt Panel
「LXQt Panel」に関する変更点です。パネルの自動非表示
ウィンドウがパネルに重なる時のみ、パネルを自動的に非表示にするオプションが追加されました。世界時計の不具合修正
世界時計のタイムゾーンをマウスのスクロールで変更する時に発生していた不具合が修正されました。タスクボタンのポップアップ修正
特定の状況でグループ化されたタスクボタンのポップアップ時に発生していた不具合が修正されました。QTerminalとQTermWidget
「QTerminal」と「QTermWidget」に関する変更点です。いわゆる端末です。
テキスト貼り付け後の動作
「テキスト貼り付け後の動作」のデフォルトが「最下部へスクロール」に変更されました。背景モード
5種類の背景モードが追加されました。ブラケットペーストモード
ブラケットペーストモードを無効化するオプションが追加されました。LXQt Power Management
「LXQt Power Management」に関する変更点です。「電源管理の設定」のことです。
アイドル状態の監視
「LXQt Power Manager」では、アイドル状態の監視をACとバッテリーで区別して設定できるようになりました。監視の無効化
アプリのウィンドウがフルスクリーンで表示されている時に、アイドル状態の監視を無効化できるようになりました。LXImage Qt
「LXImage Qt」に関する変更点です。「LXImage Qt」は画像ビューアーです。
画像のフィット
ナビゲーション時に画像をフィットさせるオプションが追加されました。サムネイルオプション
設定画面にサムネイルオプションが追加されました。LXQt Archiver
「LXQt Archiver」はアーカイバーです。主に圧縮ファイルの作成や展開に利用するアプリです。
「Engrampa」ベースの「LXQt Archiver 0.4.0」が採用されています。
ディスクイメージに対応
ディスクイメージの読み込みや展開に対応しました。ウィンドウ設定の記憶
ウィンドウ設定が記憶及び復元されるようになりました。サイドペインの横スクロール
サイドペインが横にスクロールできるようになりました。その他ソフトウェアのアップデート
その他ソフトウェアのアップデートです。- Qt 5.15.2
- debパッケージ版 Firefox 93(ウェブブラウザー)
- LibreOffice 7.2.1(オフィススイート)
- VLC 3.0.16(メディアプレーヤー)
- Featherpad 0.17.1(テキストエディター)
- Discover Software Center 5.22.5(ソフトウェアの管理)
インストーラー
「Ubuntu」はOSのインストーラーに「Ubiquity」を採用していますが、「Lubuntu」はOSのインストーラーに「Calamares 3.2.41.1」を採用しています。スワップオプション
ディスク全体を使用して「Lubuntu」をインストールする場合、スワップファイルがデフォルトで使用されるようになりました。スワップファイルの初期サイズは512MBに設定されています。
またオプションからスワップを使用しない設定を選択することもできます。
アートワークの更新
アートワークが更新されました。デスクトップ壁紙
デスクトップのデフォルトの壁紙が更新されました。ログイン画面の壁紙
ログイン画面のデフォルトの壁紙が更新されました。アップグレード時の注意事項
「LXQt」を採用している以前の「Lubuntu」から「Lubuntu 21.10」へアップグレードする場合、「Openbox」の設定ファイルのファイル名が変更されています。- 変更前:~/.config/openbox/lxqt-rc.xml
- 変更後:~/.config/openbox/rc.xml
必要に応じてファイル名を変更してください。
既知の問題
既知の問題です。1.暗号化ボリュームのパスワードを正しく入力できない
「Lubuntu」インストール時に非USキーボードレイアウトで暗号化ボリュームのパスワードを設定した場合、インストール後の「Lubuntu」起動時に正しいパスワードを入力できない場合があります。不具合の詳細は以下を参照してください。
2.BlueDevil Send Fileが動作しない
「BlueDevil Send File」が動作しません。不具合の詳細は以下を参照してください。