Ubuntu Server 21.10の新機能
「Ubuntu Server 21.10」の新機能の紹介です。NVIDIA vGPUソフトウェアドライバーの提供
今や「AI(人工知能)」や「ML(機械学習)」の技術は幅広い分野で活用され、データ処理の規模は日増しに増加傾向にあります。AI/MLの取っ掛かりとしてこれらのデータ処理を「CPU」に任せるのも良いですが、大量のデータを捌くプロダクトでは、より高度な性能が要求されます。
そこで登場するのが「GPU」です。
「GPU」は並列処理アーキテクチャーによりこのようなデータ処理を「CPU」よりも高速に処理することができます。
NVIDIA GPUの仮想化
さてこのような処理をプライベートクラウドなど仮想マシン上で実行する場合、高いパフォーマンスを得るには「GPU」といったホストマシンのリソースを活用する必要があります。「NVIDIA vGPUソフトウェア」はホストマシンに搭載されている「NVIDIA GPU」を仮想化し、ホストマシンと仮想マシンで「GPU」を共有できるようにします。
これによりAI/MLの処理パフォーマンスを向上させることができます。
NVIDIA vGPUソフトウェア
「Ubuntu 21.10」の開発過程で「Ubuntu」は「Ubuntu KVM」上で「NVIDIA vGPU software 13.1」認定ドライバーを提供できるようになりました。このドライバーはホスト及びゲストの双方で提供されており、「Ubuntu 20.04 LTS」及び「Ubuntu 18.04 LTS」でdebパッケージとして提供されています。
CanonicalとNVIDIAによるテストと検証
認定ドライバーの提供にあたり「Ubuntu」の後ろ盾となっている「Canonical」と、そして「NVIDIA GPU」を提供している「NVIDIA」が連携し、認定ドライバーのテストや検証を実施しています。つまり「Ubuntu」ユーザーは安心して認定ドライバーを利用できるようになっています。
Ubuntu Advantageから提供
現状「NVIDIA vGPU software」は「Canonical」が展開するサポートサービスである「Ubuntu Advantage」を通じて提供されます。「Ubuntu Server」の公式サイトは以下を参照してください。
また「Ubuntu Advantage」の公式サイトは以下を参照してください。
最小インストールオプション
コミュニティー(ユーザー)からのフィードバックや顧客の動向に基づき、「Ubuntu Server」のインストーラーである「Ubuntu Server Live Installer」に最小インストールオプションが再導入されました。インストール後のサイズは100 MBを切る
最小インストールで「Ubuntu Server」をインストールすれば、インストール後の「Ubuntu Server」のディスク使用量は「100 MB」を切ります。ソフトウェアを手動で構成したいユーザー向けのオプションです。
サービスの自動的な再起動
セキュリティーアップデートで各種ライブラリーがアップデートされることがありますが、それらのライブラリーを利用しているサービスは、再起動しない限りアップデート前の脆弱なライブラリーを使用し続けることになります。これではセキュリティーアップデートを提供する目的を十分に達成することができません。
またユーザーにとっても再起動が必要なサービスの確認やサービスの再起動といった負担がかかります。
加えて作業漏れのリスクもありますね。
影響を受けるサービスを自動的に再起動しよう
ならばセキュリティーアップデート時に影響を受けるサービスをシステム側で自動的に再起動すれば良い、ということになります。これを実現するソフトウェアが「needrestart」です。
「needrestart」自体は以前から利用可能でしたが、「Ubuntu Server 21.10」ではデフォルトでインストールされるようになりました。
その他の変更点
その他「Ubuntu Server 21.10」の新機能や変更点は、「Ubuntu 21.10」のリリースノートを参照してください。「Ubuntu 21.10」のリリース情報やディスクイメージのダウンロードは、以下を参照してください。