Microsoft StoreからWSLをインストール可能に
2021年10月11日、「Windows 11」で「Microsoft Store」から「WSL(Windows Subsystem for Linux)」をインストールできるようになりました。ストアアプリケーション
「WSL」をストアアプリケーションとして「Microsoft Store」からインストールできます。「Microsoft Store」からインストールされる「WSL」は最新版の「WSL」であり、「Microsoft Store」から「WSL」のアップデートも可能になります。
また現在利用している「Windows」のバージョン(ビルド)を気にせず「WSL」をインストールできます。
初期プレビュー
現在ストアアプリケーションとしての「WSL」は、「WSL」そのものはすでに提供されている「WSL」と全く同じものですが、提供方法自身が初期プレビューでの提供という位置づけです。テストを経て最終的に「GA版(Generally Available/安定版)」としてストアアプリケーション版「WSL」が提供されるようになります。
Microsoft StoreからWSLを提供する理由
「Microsoft Store」から「WSL」を提供する主な理由は、以下の2点です。- ユーザーは素早く簡単に「WSL」をインストールできるようになる
- インストールやアップデートで最新版の「WSL」をインストールする際、ユーザーは「Windows」のバージョンを気にしなくて済む
コンポーネントからストアアプリケーションへ
元々「WSL」は「Windows」のコンポーネントの一つとして提供されていました。ユーザーが「WSL」をインストールする際、「Windowsの機能の有効化または無効化」の画面から「WSL」を有効にし、PCを再起動することで「WSL」をインストールしていました。
この「WSL」は「Windows」のイメージに含まれるコンポーネントの一つであり、「Windows」自身のアップデートと共に「WSL」もアップデートされていました。
このコンポーネントの一部として提供されていた「WSL」をストアアプリケーションにしたものが、今回提供されたストアアプリケーション版「WSL」になります。
ストアアプリケーションにすることで「Windows」のバージョンから「WSL」を切り離し、「Windows」自身のアップデートに関係なく最新版の「WSL」を「Microsoft Store」から入手できるようになります。
WSLgも含まれる
ストアアプリケーション版「WSL」には、Linux GUIアプリを動作させる仕組みである「WSLg」も含まれています。WSLの新機能をいち早く入手可能に
「WSL」は日々進化しており、Linux GUIアプリのサポートやGPUコンピューティングのサポート、Linuxファイルシステムのマウントやアクセスなど、開発者にとって魅力的な新機能の実装が行われています。これらの新機能はテストを経てユーザーにリリースされます。
この時ストアアプリケーション版「WSL」は「Windows」のバージョンから切り離されているため、ユーザーは「Windows」のバージョンや「Windows Insider Preview」のビルド番号を気にすることなく、言い換えれば「Windows」をバージョンアップすることなく、最新版の「WSL」を入手できます。
Microsoft StoreからWSLをインストールするには
「Microsoft Store」から「WSL」をインストールする方法です。この「WSL」はストアアプリケーションですから、他のストアアプリケーションと同じようにインストールできます。
1.利用条件
ストアアプリケーション版「WSL」をインストールするには、以下の条件をすべて満たしている必要があります。- 「Windows 11」ビルドもしくはビルド番号「22000」以降の「Windows」を利用していること
- 「Windowsの機能の有効化または無効化」で「仮想マシンプラットフォーム(Virtual Machine Platform)」コンポーネントが有効になっていること
「仮想マシンプラットフォーム」の有効化は、管理者として実行されている「PowerShell」で以下のコマンドを実行することで有効化することも可能です。
dism.exe /online /enable-feature /featurename:VirtualMachinePlatform /all
2.WSLのインストール
以下のストアページをクリックして開きます。「入手」ボタンをクリックします。
3.Linuxディストリビューションのインストール
以下のストアページをクリックし、好みのLinuxディストリビューションをインストールします。ちなみに「Ubuntu」は「WSL」上で動作する「Ubuntu」も公式サポートの対象になっています。
コンポーネント版WSLに戻すには
コンポーネント版「WSL」に戻すには、以下の作業を行います。1.WSLのアンインストール
ストアアプリケーション版「WSL」をアンインストールします。スタートメニューを開いて「Windows Subsystem for Linux」を検索し、見つかった「Windows Subsystem for Linux」を右クリックしてメニューから「アンインストール」をクリックします。
2.コンポーネント版WSLの確認
従来のコンポーネント版「WSL」のインストール方法と同じように「Windowsの機能の有効化または無効化」の画面で「Windows Subsystem for Linux」が有効になっているか確認します。FAQ
よくある質問のQ&Aです。1.コンポーネント版WSLとストアアプリケーション版WSLは共存可能
すでに従来のコンポーネント版「WSL」をインストール済みの環境でも、ストアアプリケーション版「WSL」を共存してインストール可能です。両版の「WSL」がインストールされている場合、ストアアプリケーション版「WSL」が優先して利用されます。
2.ストアアプリケーション版でWSL 1も利用可能
ストアアプリケーション版「WSL」でも「WSL 1」を利用可能です。ただし「WSL 1」はコンポーネント版「WSL」に依存しているため、ストアアプリケーション版「WSL」で「WSL 1」を利用する場合は、コンポーネント版「WSL」もインストールしておく必要があります。
これは「WSL 1」の動作に必要なドライバーがコンポーネント版「WSL」内に含まれており、そしてそのドライバーが「Windows」のバージョンと密接に関係しているためです。
開発チームは「WSL 1」の優位性を「WSL 2」でも実現できるよう取り組んでおり、将来的には「WSL 2」でそれらの改善が実現される予定です。
3.コンポーネント版WSLの将来的な扱い
開発チームは将来的にすべてのユーザーにストアアプリケーション版「WSL」へ移行して欲しいと考えています。しかし「Windows 11」ではコンポーネント版「WSL」も引き続きサポート及び提供される予定です。
4.現時点の注目機能
「Windows 11」リリース時点でストアアプリケーション版「WSL」では、以下の注目機能が実装されています。- Run Linux GUI applications with WSLg
- Linux binaries can now leverage your Windows GPU for AI and Machine Learning development scenarios and more
- Mount Linux file system formatted hard disks into WSL
- Install the Microsoft in the WSL Store preview to get faster updates from the Microsoft Store
その他より詳細な注目機能は、以下を参照してください。