kledgeb UbuntuやLinuxの最新情報を紹介

Linux その96 - 次期Budgie 11でGTK/GNOMEから脱却を検討

次期Budgie 11でGTK/GNOMEから脱却を検討

現在「Budgie」のメジャーバージョンは「Budgie 10」ですが、次期メジャーバージョンの「Budgie 11」で「GTK/GNOME」からの脱却が検討されています。


  • Building an Alternative Ecosystem

Budgie

「Budgie」はデスクトップ環境です。
「Budgie」は「Ubuntu Budgie」で採用されているデスクトップ環境であり、「Ubuntu Budgie」は「Budgie」を採用した著名なLinuxディストリビューションの1つです。
先日リリースされた最新版の「Ubuntu Budgie 21.10」に関する情報は以下を参照してください。

  • Ubuntu Budgie 21.10の新機能と変更点・既知の問題

GTK/GNOMEベースで開発されている

「Budgie」は「GTK/GNOME」ベースで開発されており、「GTK/GNOME」に大きく依存した構造になっています。
言い換えれば「GNOME」を高度にカスタマイズした環境であると表現することもできるでしょう。

またそれはデスクトップ環境だけでなく「Ubuntu Budgie」を見ても分かる通り、デフォルトのアプリケーション群に「GNOME」が開発している多くのGNOMEコアアプリケーションを採用しています。

GNOMEの方針に大きな影響を受ける

「Budgie」は「GTK/GNOME」に依存した構造であるため、「GNOME」の方針変更や仕様変更に大きな影響を受けます。

そもそも「GNOME」の設計方針と「Budgie」の設計方針は異なっています。
「Budgie」の設計方針はデスクトップユーザー向けのUXを提供することであり、伝統的なUIが持つ従来の使い勝手の良さを踏襲し新しいLinuxユーザーに親しみやすさを提供しつつ、新しいLinuxユーザーに魅力的でモダンな新機能を提供してきました。

一方で「Budgie」の開発者から見た「GNOME」の設計方針は、タブレットのようなモバイルデバイスからデスクトップまで幅広くカバーするタッチ志向のUXであり、デスクトップだけに注力したデザインではありません。

そのためこの方針の違いの中には「GNOME」の設計方針と相反する方針もあります。
しかし今まで「Budgie」は「GNOME」の方針変更や仕様変更に追従し「Budgie」を開発してきました。

限界の訪れ

今まで「Budgie」を実現するために必要な機能が「GNOME」から削除され、「GTK/GNOME」上での持続可能な開発が困難になってきました。
特にソフトウェアのテーマやスタイリングのカスタマイズ、そして「GTK 4」上で実現したい実装が困難になり、紆余曲折を経て「GTK/GNOME」からの脱却検討に至っています。

以前も似たようなことなかった?

余談ですが今から4年以上前に「Budgie 11」で「Qt」へ移行するとの話がありました。

  • GNOMEとGTK+から脱却・Qtへ移行

しかしこの方針もその後紆余曲折を経て、「GTK 4」へ移行するとの方針に変更されました。

  • Budgie 11でGTK+ 4に移行か

Budgie 11

というわけで「Budgie 11」では「GTK/GNOME」からの脱却が検討されています。

GTKの代わりにEFLを採用

GUIを構築するためのツールキットに「EFL(Enlightenment Foundation Libraries)」が選ばれました。

  • Enlightenment and EFL Developer Documentation

「Qt」は開発者が「C++」を好まないという点や、コードを「Rust」や「Go」で記述したいがその「Qt」バインディングが十分にサポートされていないという点などから、「Qt」は採用を見送られました。

アプリケーション群

「GNOME」由来のアプリケーションに関してはその多くが、既存の別の代替アプリケーションに置き換えるか、もしくは新規に開発する案が検討されています。

具体的な方針はこれから

「GTK/GNOME」から完全に脱却できるのか、それともまずは依存を最小限にしていくのか、具体的な方針は今後の調査や開発が進むに連れ明らかになっていくでしょう。

Linux
スポンサー
コメント
コメントポリシー
コメントをする前に UbuntuのCode of Conduct(CoC/行動規範) を確認し、CoCに沿ったコメントをお願いします。
コメントの使い方は、コメントの使い方を参照してください。
同一カテゴリーの記事
SNS
人気の記事
  • Ubuntu CPUfreq その1 - CPUfreqについて・ CPUfreqドライバーについて・ CPUfreqガバナーについて
    CPUfreq   CPUfreqは、CPUのクロック数を動的に変更する機能です。   CPUfreqを利用することで、OSの負荷に応じて動的にCPUのクロック数を調整することができます。  これにより、省電力効果を得ることができます。   CPUfreqを利用する場合...
  • Ubuntu 26.04 その42 - Ubuntu 26.04.1 LTS のリリーススケジュール
    Ubuntu 26.04.1 LTSのリリーススケジュール Ubuntu 26.04.1 LTS のリリーススケジュールを紹介します。
  • Ubuntu 24.04 その93 - Linux kernel 7.0 が利用可能に・Linux kernel 7.0 にアップグレードするには
    Linux kernel 7.0 が利用可能に 現在 Ubuntu 24.04 LTS を利用しているユーザーは、Linux kernel 7.0 へアップグレードできるようになりました。
  • Ubuntu 26.04 その59 - amdgpu ドライバーでパフォーマンス低下のお知らせ
    amdgpu ドライバーでパフォーマンス低下のお知らせ 次期 Linux kernel のアップデートで、amdgpu ドライバーのパフォーマンスが低下するお知らせが出ています。
  • Linux その407 - COSMIC DE 開発7ヶ月の歩み・COSMIC DE に搭載された新機能のまとめ
    COSMIC DE 開発7ヶ月の歩み COSMIC デスクトップ環境の開発者が、ここ7ヶ月の開発の歩みと、今までに COSMIC デスクトップ環境に搭載された新機能を紹介しています。
  • Ubuntu 22.04 その79 - 画面ロックの有効・無効を設定するには・画面ロック時の設定をカスタマイズするには
    画面ロックの有効・無効を設定するには 一定時間ユーザーによる操作がない時に、自動的に画面をロックしパスワードで保護したり、画面をブランク状態にできます。
  • Linux Mint その291 - 次期バージョンで Wayland セッションの提供・Cinnamon の改良など
    Linux Mint 月刊ニュース Linux Mint 開発チームは Linux Mint 月刊ニュースにて、Linux Mint の開発状況や取り組みを紹介しています。
  • Linux その402 - KDE Plasma で実装予定の新機能や改善・録音オプションの追加や VRAM の使用量表示など
    KDE Plasma で実装予定の新機能や改善 2026年7月11日、KDE Plasma で実装予定の新機能や改善が以下で紹介されました。
  • Linux その404 - COSMIC Epoch 1.3.0 リリース・ウィンドウのすりガラス効果に対応
    COSMIC Epoch 1.3.0 リリース 2026年7月15日、COSMIC Epoch 1.3.0 がリリースされました。
  • Ubuntu 26.10 その18 - GRUB の機能削減とセキュリティー強化
    GRUB の機能削減とセキュリティー強化 GRUB の機能削減とセキュリティー強化が予定されています。
記事のピックアップ
オプション