次期Budgie 11でGTK/GNOMEから脱却を検討
現在「Budgie」のメジャーバージョンは「Budgie 10」ですが、次期メジャーバージョンの「Budgie 11」で「GTK/GNOME」からの脱却が検討されています。Budgie
「Budgie」はデスクトップ環境です。「Budgie」は「Ubuntu Budgie」で採用されているデスクトップ環境であり、「Ubuntu Budgie」は「Budgie」を採用した著名なLinuxディストリビューションの1つです。
先日リリースされた最新版の「Ubuntu Budgie 21.10」に関する情報は以下を参照してください。
GTK/GNOMEベースで開発されている
「Budgie」は「GTK/GNOME」ベースで開発されており、「GTK/GNOME」に大きく依存した構造になっています。言い換えれば「GNOME」を高度にカスタマイズした環境であると表現することもできるでしょう。
またそれはデスクトップ環境だけでなく「Ubuntu Budgie」を見ても分かる通り、デフォルトのアプリケーション群に「GNOME」が開発している多くのGNOMEコアアプリケーションを採用しています。
GNOMEの方針に大きな影響を受ける
「Budgie」は「GTK/GNOME」に依存した構造であるため、「GNOME」の方針変更や仕様変更に大きな影響を受けます。そもそも「GNOME」の設計方針と「Budgie」の設計方針は異なっています。
「Budgie」の設計方針はデスクトップユーザー向けのUXを提供することであり、伝統的なUIが持つ従来の使い勝手の良さを踏襲し新しいLinuxユーザーに親しみやすさを提供しつつ、新しいLinuxユーザーに魅力的でモダンな新機能を提供してきました。
一方で「Budgie」の開発者から見た「GNOME」の設計方針は、タブレットのようなモバイルデバイスからデスクトップまで幅広くカバーするタッチ志向のUXであり、デスクトップだけに注力したデザインではありません。
そのためこの方針の違いの中には「GNOME」の設計方針と相反する方針もあります。
しかし今まで「Budgie」は「GNOME」の方針変更や仕様変更に追従し「Budgie」を開発してきました。
限界の訪れ
今まで「Budgie」を実現するために必要な機能が「GNOME」から削除され、「GTK/GNOME」上での持続可能な開発が困難になってきました。特にソフトウェアのテーマやスタイリングのカスタマイズ、そして「GTK 4」上で実現したい実装が困難になり、紆余曲折を経て「GTK/GNOME」からの脱却検討に至っています。
以前も似たようなことなかった?
余談ですが今から4年以上前に「Budgie 11」で「Qt」へ移行するとの話がありました。しかしこの方針もその後紆余曲折を経て、「GTK 4」へ移行するとの方針に変更されました。
Budgie 11
というわけで「Budgie 11」では「GTK/GNOME」からの脱却が検討されています。GTKの代わりにEFLを採用
GUIを構築するためのツールキットに「EFL(Enlightenment Foundation Libraries)」が選ばれました。「Qt」は開発者が「C++」を好まないという点や、コードを「Rust」や「Go」で記述したいがその「Qt」バインディングが十分にサポートされていないという点などから、「Qt」は採用を見送られました。