Thunarの改善
「Thunar」は「Xfce」で採用されているデフォルトのファイルマネージャーです。「Thunar」の改善が行われています。
- Support for GTK-Recent and various improvements
- Supporting shared thumbnail repositories and video update
- Search improvements
- A couple of big features for Thunar
- A shortcuts editor for Xfce and a couple of other things
最近使用したファイルのサポート
最近使用したファイルを一覧表示する「recent:///」という場所があります。「Thunar」のパスバーに「recent:///」と入力すると、最近使用したファイルの一覧にアクセスできます。
しかし「Thunar」は「recent:///」をサポートしておらず、サイドバーの「場所」にも表示されませんし、「recent:///」に手動でアクセスしても通常のファイルであるにも関わらず、ロックされたファイルが表示されます。
つまり十分な使い勝手を提供していません。
GTK-Recentに対応
この状況が改善され「Thunar」が「GTK-Recent」に対応し、「recent:///」をサポートしました。これによりサイドバーの「場所」に最近使用したファイルの一覧を開く「Recent」が追加されました。
また今までは「GTK-Recent」をサポートしているアプリからファイルを開いた時に最近使用したファイルの一覧にそのファイルが追加されていましたが、「Thunar」からファイルを開いても最近使用したファイルの一覧にそのファイルが追加されるようになりました。
最近使用したファイルの一覧の改善
最近使用したファイルの一覧から特定のファイルを削除できるようになりました。また利用した日時順でファイルを並び替える「Recency」というカラムも追加されました。
ディレクトリーごとにズームレベルを保持
「Thunar」にはディレクトリーごとにユーザーが行った表示設定を保持する機能があります。この機能にディレクトリーごとのズームレベルを保持する機能が追加されました。
例えば写真を格納したフォルダーはズームレベルを大きくし、ドキュメントを格納したフォルダーはズームレベルを小さくした場合、それぞれの異なるズームレベルを保持し、ユーザーがそのフォルダーを開いた時に設定されたズームレベルでファイルの一覧を表示するようになりました。
起動時にタブを復元する設定
「Thunar」起動時に以前開いていたタブを復元する設定が追加されました。ウェブブラウザーのタブを復元する機能と同種の機能です。
ゴミ箱の改善
通常ファイルを削除するとそのファイルはゴミ箱に移動します。ユーザーは削除したファイルをゴミ箱から復元することができます。
この時復元されたファイルは元にあった場所に戻されます。
どこにあったファイルなのか覚えていない・・・
しかしユーザーがゴミ箱からファイルを復元した時に、そのファイルが元々どこにあったファイルなのか覚えていないことがあります。この場合ユーザーは復元されたファイルがどこにあるのか探し出すことになります。
復元されたファイルの場所を開く
そこでゴミ箱からファイルを復元した後その場所を「Thunar」で開く「Restore and open folder」機能が追加されました。削除日の表示と並び替え
削除日の表示と並び替えがサポートされました。共有サムネイルリポジトリーのサポート
「Thunar」が「共有サムネイルリポジトリー(Shared Thumbnail repositories)」をサポートしました。サムネイルとはファイルのサムネイルのことです。
例えば画像ファイルならその画像のサムネイルが生成され、「Thunar」上で画像ファイルの一覧を表示した時にファイルアイコンの代わりに生成されたサムネイル画像が表示されます。
サムネイルの生成と保存
通常サムネイルを生成する場合、生成されたサムネイルはユーザーのホームディレクトリー内に保存されます。例えば大量の画像ファイルを含む外付けHDDをPCに接続し、「Thunar」でその大量の画像ファイルを含むフォルダーにアクセスした場合、各画像ファイルごとにサムネイルがユーザーのホームディレクトリー内に生成され保存されます。
この時別のユーザーでアクセスした場合や、その外付けHDDを別のPCに接続した場合、同様に各画像ファイルごとにサムネイルがユーザーのホームディレクトリー内に生成され保存されます。
要は同じサムネイルを何度も生成することになり、これは無用なリソースの消費に繋がります。
それぞれのファイルシステムにサムネイルを保持する
この課題に対する解が「共有サムネイルリポジトリー」です。ユーザーのホームディレクトリー内にサムネイルの生成や保存する代わりに、各ファイルシステム内の特定のディレクトリー内にサムネイルを生成及び保存します。
後はその「共有サムネイルリポジトリー」を参照すれば、サムネイルの生成や保存を省略することができます。
共有サムネイルリポジトリーの作成機能
「Thunar」の「カスタムアクション」を通じて「共有サムネイルリポジトリー」を作成するスクリプトが作成されました。検索機能の強化
「Thunar」のファイル検索機能が強化されました。ビルトイン検索のサポート
ロケーションバーの位置に検索バーが統合され、検索バーからファイルを検索できるようになりました。検索バーに検索クエリーを入力すると、ファイルの検索が実行され検索結果がビューに表示されます。
「Nautilus」が実装しているファイル検索機能をイメージすれば分かりやすいかと思います。
Thunarの検索クエリーをCatfishに渡して検索
「Thunar」でユーザーが指定した検索クエリーを「Catfish」に指定して「Catfish」を起動するボタンが追加されました。フォルダー内のサブフォルダー数及びファイル数の表示
フォルダーのプロパティー画面に、フォルダー内のサブフォルダー数やファイル数が表示されるようになりました。ステータスバーに表示する情報のカスタマイズ
ファイルの種類やファイルサイズなど、ステータスバーに表示する情報をカスタマイズできるようになりました。ショートカット設定画面
「Thunar」及び「Terminal」でショートカットを編集及び設定する設定画面が追加されました。ユーザーは「accels.scm」を手作業で編集することなく簡単にショートカットを設定できるようになりました。