Linux Mint 20.3の新機能と変更点
リリースノートから「Linux Mint 20.3」の新機能と変更点を紹介します。リリース情報
各エディションの新機能と変更点の詳細は、以下を参照してください。- Cinnamon Edition:What’s new in Linux Mint 20.3 Cinnamon
- MATE Edition:What’s new in Linux Mint 20.3 MATE
- Xfce Edition:What’s new in Linux Mint 20.3 Xfce
各エディションのリリースノートは、以下を参照してください。
- Cinnamon Edition:Release Notes for Linux Mint 20.3 Cinnamon
- MATE Edition:Release Notes for Linux Mint 20.3 MATE
- Xfce Edition:Release Notes for Linux Mint 20.3 Xfce
サポート期間
「Linux Mint 20.3」はLTSリリースであり、2025年までサポートされます。また「Linux Mint 20.3」は、「Ubuntu 20.04 LTS」がベースになっています。
Linux Mint 20.3 Cinnamon Edition固有の新機能と変更点について
ここでは「Linux Mint 20.3」全般の新機能と変更点を紹介します。「Linux Mint 20.3 Cinnamon Edition」固有の新機能と変更点は、以下を参照してください。
またここではエディションによる細かな違いについては紹介しません。
それぞれの新機能と変更点やリリースノートを参照してください。
デスクトップ環境
「Cinnamon Edition」ではデスクトップ環境に「Cinnamon 5.2」を採用しています。「MATE Edition」ではデスクトップ環境に「MATE 1.26」を採用しています。
「Xfce Edition」ではデスクトップ環境に「Xfce 4.16」を採用しています。
その他コンポーネント
「Linux kernel」に「Linux kernel 5.4」を採用しています。
「linux-firmware」は「linux-firmware 1.187」を採用しています。
「Flatpak」は「Flatpak 1.12」を採用しています。
Hypnotix
「Hypnotix」はIPTVプレーヤーです。デザインの改良
デザインが改良されダークモードに対応しました。また国旗のアイコンデザインが新しくなりました。
検索機能の改善
新しい検索機能が追加され、従来よりも簡単にTVチャンネルや映画、シリーズ作品を検索できるようになりました。Xtream APIのサポート
「M3U」やローカルプレイリストに加え、「Xtream API」がサポートされました。Thingy
「Linux Mint 20.3」で新しいアプリが追加されました。「Thingy」はドキュメントマネージャーです。
お気に入りのドキュメントや最近利用したドキュメントの一覧をプレビュー付きで一覧表示し、それらのドキュメントに素早くアクセスすることができます。
Sticky Notes
「Sticky Notes」は付箋アプリです。検索機能の追加
「Sticky Notes」に検索機能が追加されました。見た目の改善
ノート内に見出しを埋め込むことでノートの見通しが改善されました。複数のテキストサイズのサポート
テキストサイズを調整するボタンがノートのツールバーに追加されました。テーマの改善
テーマの改善です。ウィンドウのタイトルバー
タイトルバーのサイズが拡大され、タイトルバーの角に丸みを帯びたデザインが採用されました。またタイトルバーに配置されるボタンのサイズや間隔が拡大され、ボタンをクリックしやすくなりました。
ウィンドウの最大化と復元を行うボタンは、以前よりも分かりやすいアイコンデザインに変更されました。
アクセントの調整
アクティブな項目を強調表示するような鮮やかな色のことを「アクセント」と呼んでいます。アクセントはその鮮やかな色によりUI上の特定の要素を強調表示し、その要素にユーザーの注意を引かせる効果をもたらします。
しかし画面上にアクセントで着色された要素の数が多くなるとユーザーの注意は散漫になり、煩雑な印象を与えます。
この状況を改善するため「Mint-Yテーマ」では、一部のウィジェットからアクセントを削除し、代わりに明るいグレー系カラーが導入されました。
スライダーやチェックボックス、ラジオボタン、閉じるボタンのように小さなウィジェット(UI要素)の強調色は変更せず、それ以外のアクセントを削除し落ち着いたグレー系に変更されました。
アプリのダークモードのサポート
ダークモードは特定のアプリでダークテーマを利用していなくてもダーク系のテーマを適用する仕組みです。以下のアプリではデフォルトでダークモードが有効になっています。
- Celluloid(メディアプレーヤー)
- Hypnotix(IPTVプレーヤー)
- Xviewer(画像ビューアー)
- Pix(画像ビューアー・画像ブラウザー)
- Gnome Terminal(端末)
これらのアプリでライト系のテーマを適用したい(ダークモードを無効にしたい)場合は、各アプリの設定でダークモードを無効化することも可能です。
タイトルバーテーマ
ライトとダークの2種類のタイトルバーテーマを別々に提供するのではなく、選択されたコントロールテーマのカラーに合うように動的に色味を調整するように変更されました。Mint-Y-Darkerの削除
「Linux Mint 20.3」では「Mint-Y-Darker」が削除されました。「Mint-Y-Darker」はダークカラーのツールバーとライトカラーのウィンドウを提供するテーマですが、モノアイコンテーマとの互換性が十分確保できないため、削除されました。
Mint-Yアイコンテーマに新しいエンブレムの追加
「Mint-Y」アイコンテーマに新しいエンブレムが追加されました。エンブレムはファイルアイコンの右下に表示される補助的なアイコンです。
Mint-Xテーマのデザイン改良
「Mint-X」テーマでは、アプリ内通知のデザインや「Nemo」のツールバーのデザインが改良されました。変更前のMint-Yテーマに戻したい時は
変更前の「Mint-Y」テーマも引き続き利用可能です。変更前の「Mint-Y」テーマは「Mint-Y-Legacy」に名称が変更され、リポジトリーからインストール可能です。
以前のデザインに戻したい場合は「mint-themes-legacy」パッケージをインストールし、従来のテーマをテーマ設定画面から選択してください。
プリンターとスキャナー
プリンターとスキャナーに関する変更点です。HPプリンターとスキャナーのサポート改善
「HPLIP」が「HPLIP 3.21.8」にアップデートされ、最新のHP製プリンターとスキャナーに対応しました。ipp-usbとsane-airscanのアップデート
最新の「ipp-usb」と「sane-airscan」がバックポートされ、リポジトリーから最新版をインストールできるようになりました。ソフトウェアドライバーで印刷やスキャンがうまく動作しない場合は、これらのバックエンドを試してみてください。
XAppsの改善
「Linux Mint」に含まれるアプリ(XApps)が改善されました。Xreader
「Xreader」はドキュメントビューアーです。「Xreader」がマンガモードに対応しました。
右から左へページを送るモードでは、マンガを読んでいる時のように矢印キーが反転して動作するようになりました。
またメニューバーを非表示にするオプションが追加されました。
メニューバーが非表示になっていても「Alt」キーを押せば一時的にメニューバーを表示できます。
加えてフルスクリーンで表示している時は、ツールバーが表示されないようになりました。
Xviewer
「Xviewer」は画像ビューアーです。「Xviewer」では表示する画像をウィンドウの幅もしくは高さに合うように即座に拡大・縮小して表示できるようになりました。
Xed
「Xed」はテキストエディターです。「Xed」では「Ctrl + Tab」キーや「Ctrl + Shift + Tab」キーでナビゲーションできるようになりました。
またメニューバーを非表示にするオプションが追加されました。
メニューバーが非表示になっていても「Alt」キーを押せば一時的にメニューバーを表示できます。
WebAppマネージャー
WebAppマネージャーでは、起動するブラウザーが表示されるようになりました。システムレポート
システムレポートに関する変更点です。起動頻度の変更
システムレポートではバッテリーの消費を抑えるため、1時間毎に起動していたのを1日に1回起動するように変更されました。usrmergeに関するレポート
「usrmerge」に関するレポートが生成されるようになりました。「Linux Mint 20.2」以降「Linux Mint」を新規インストールすると、デフォルトで「usrmerge」が有効になります。
ただし以前のバージョンからアップグレードした場合は、この限りではありません。