GNOMEのDark Style PreferenceとUbuntuの対応方針について
「Ubuntu 22.04 LTS」では「GNOME 42」が採用されます。「GNOME 42」で導入された新機能の一つに「Dark Style Preference」があります。
Dark Style Preference
「Dark Style Preference」とは簡単に言えばダークモードのことです。ユーザーがテーマの設定でダーク系のテーマを選択した時に、アプリもその設定に従い自身にダーク系のテーマを適用できるようにする仕組みです。
逆もまた然りです。
「Dark Style Preference」に関する話題は以前も紹介していますので、以下を参照してください。
アプリ側に対応が必要
ライト系のテーマにせよダーク系のテーマにせよ、システム設定でユーザーが選択したテーマの基調に合わせるように、アプリ側でもカラーリングを調整しなければなりません。つまり「Dark Style Preference」に対応するにはアプリ側にも対応及び修正が必要になるということです。
「GNOME」の「Dark Style Preference」に関するドキュメントは、以下を参照してください。
ちなみに「GNOME 42」でリリースされるほぼすべてのGNOMEコアアプリケーションは「Dark Style Preference」に対応します。
Dark Style Preferenceに対応していないアプリ
すでに「Dark Style Preference」に対応しているアプリは問題ありませんが、「Ubuntu 22.04 LTS」では「Dark Style Preference」に対応していないアプリもプリインストールされます。つまり「Dark Style Preference」に対応しているアプリとそうでないアプリが混在するということになります。
「Dark Style Preference」に対応していないアプリでは、ユーザーがテーマを切り替えてもその基調に追従しないため、見た目上の一貫性が失われます。
例えば「LibreOffice」や「Transmission」、「gedit」、「gnome-terminal」といったアプリは「Dark Style Preference」に対応していません。
Ubuntuの対応方針
「Ubuntu」は以前からダーク系のテーマに切り替える機能を提供しています。この機能ではユーザーがダーク系のテーマに切り替えると、すべてのアプリでダーク系のテーマが適用されるようになっています。
しかし従来の仕組みの代わりに新しい仕組みである「Dark Style Preference」を導入すれば、アプリの見た目上の一貫性が失われます。
従来の方法も併用する
そこで「Ubuntu 22.04 LTS」では、「Dark Style Preference」に加え従来の方法も併用することになりました。つまりユーザーがダーク系のテーマに切り替えると、すべての「GTK3」及び「GTK4」アプリでダーク系のテーマに切り替わります。
従来の方法は「Tweaks」で見ると「Legacy Applications」の設定に該当します。
ちなみに以前のバージョンでは「Applications」という名称(設定項目)でした。
今後はどうするのか
いつまで従来の方法を併用するのか、「Ubuntu 22.10」以降の通常リリース版で再評価・再検討することになります。「Ubuntu 22.10」は「Ubuntu 22.04 LTS」の次にリリースされる通常リリース版の「Ubuntu」であり、2022年10月にリリースされる予定です。