Ubuntu 22.04 LTSへアップグレードするには
現在「Ubuntu 21.10」を利用しているユーザーは、「Ubuntu 22.04 LTS」へアップグレードできます。1.ソフトウェアとアップデートの起動
デスクトップ画面左上の「アクティビティ」をクリックし、以下のように「ソフトウェアとアップデート」を検索します。「ソフトウェアとアップデート」をクリックし「ソフトウェアとアップデート」を起動します。
2.アップグレード設定の確認
「アップデート」のタブをクリックします。以下のように「Ubuntuの新バージョンの通知」が「なし」以外になっているか確認してください。
「閉じる」ボタンをクリックします。
3.ソフトウェアの更新の起動
デスクトップ画面左上の「アクティビティ」をクリックし、以下のように「ソフトウェアの更新」を検索します。「ソフトウェアの更新」をクリックし「ソフトウェアの更新」を起動します。
4.アップデートの確認と適用
パッケージのアップデート確認が行われるので、もし以下のようにパッケージのアップデートがある場合は、すべてのパッケージをアップデートしてください。またPCの再起動を促された場合は、PCを再起動してください。
パッケージのアップデートがなければ、そのまま次の手順へ進んでください。
5.アップグレード通知
もう一度「ソフトウェアの更新」を起動すると、以下のようにアップグレードの通知が表示されます。「アップグレード」ボタンをクリックします。
また環境(タイミング)によっては、以下の画面が表示されることもあります。
この場合は「今すぐアップグレードする」ボタンをクリックします。
6.リリースノート
以下のようにリリースノートが表示されます。「アップグレード」ボタンをクリックし、表示される手順に従いアップグレードを行ってください。
アップグレードボタンをクリックしても何も反応がない時は
アップグレードボタンをクリックした後しばらく待っても何も反応がない時は、以下のコマンドを実行してすべてのパッケージがアップデートされているか確認してください。
sudo apt full-upgrade
アップデートされていないパッケージがある場合は、そのままアップデートを続行してください。
パッケージのアップデートが完了したら、再度「5.」の手順を実行してください。
アップグレードにかかる時間について
アップグレードは時間のかかる処理です。アップグレードにかかる時間に大きな影響を与えうる要素を紹介します。
1.インストールされているパッケージの数
アップグレードではすべてのインストール済みパッケージがアップグレード処理の対象になります。つまりインストールされているパッケージの数が少ないほど、アップグレードにかかる時間を節約できます。
「Ubuntu」公式リポジトリーから提供されているパッケージのうち、普段利用しなくなったパッケージ(ソフトウェア)は、アップグレード前にアンインストールしておくと良いでしょう。
2.インターネットの接続速度
アップグレードでは数々のパッケージがダウンロードされます。高速なインターネット回線を利用していれば、その分アップグレードにかかる時間を節約できます。
3.ストレージのパフォーマンス
アップグレードではダウンロードしたパッケージをシステムにインストールします。数々のパッケージがインストール(システムに展開)されていくため、SSDなど高速なストレージを利用していれば、その分アップグレードにかかる時間を節約できます。
アップグレードの注意事項について
アップグレードの事前準備と注意事項です。1.変更点や既知の問題
リリース情報や変更点、既知の問題については、以下を参考にしてください。2.アップグレードする前に
アップグレードする前に自分の環境に適合するか、アップグレードの必要性があるか確認してからアップグレードしましょう。またリリースノートには必ず目を通しておきましょう。
特にリリースされてから数週間は様子見するのも一つの手です。
どのような不都合があるのか、一通り情報収集してからアップグレードしたほうが良いでしょう。
一度アップグレードしてしまうと、以前のバージョンにダウングレードすることはできません。
現在利用している「Ubuntu」が安定して動作しているのであれば、急いでアップグレードする必要はありません。
3.公式以外のリポジトリーは無効化される
PPAなど「Ubuntu」公式以外のリポジトリーは、アップグレード時に自動的に無効化されます。これはアップグレードの失敗を可能な限り避けるためです。
アップグレード後、無効化されたリポジトリーは自動的に有効化されません。
必要に応じてアップグレード後に自分で無効化されたリポジトリーを有効化する必要があります。
また事前に自分で追加したリポジトリーがアップグレード後の「Ubuntu」に対応しているか確認しておくと良いでしょう。
4.システムに関わるパッケージはパージしておく
PPA等で提供されるXスタックやドライバーなど、本来「Ubuntu」が提供しているコアコンポーネントと異なるバージョンのコアコンポーネントがインストールされている場合、アップグレードに失敗する可能性があります。事前にそれらをアンインストールするなり、元のバージョンに戻す(PPAをパージする)なりしてから、アップグレードを行ってください。
また「Ubuntu」に「MATE」など異なるデスクトップ環境を複数インストールしている場合も、アップグレードに失敗する可能性があります。
事前にアンインストールしておくと良いでしょう。
5.バックアップの作成
必ずバックアップを作成しください。もしアップグレードに失敗すると「Ubuntu」が起動できなくなります。
「Clonezilla」などでストレージやOSを丸ごとバックアップしておくと復旧が楽です。
最低でも自分が作成したデータ類はバックアップしておきましょう。
例えば「/home」フォルダーや「/etc」フォルダーのバックアップを取っておくと良いでしょう。
6.他のアプリは全て終了する
アップグレードに失敗しないためにも、事前に他のアプリはすべて終了しておいてください。7.システムのカスタマイズは元に戻す
念の為ですが「Ubuntu」の設定では変更できない設定を変更している場合、元に戻しておくのも良いです。ユーザーレベルのカスタマイズは、新規にユーザーアカウントを作成しそのユーザーでログインすれば全てデフォルトに戻ります。
自動起動するアプリ等もデフォルトに戻るため、カスタマイズし過ぎて戻し方が分からなくなった場合は新規にユーザーアカウントを作成し、そちらでログイン後アップグレードを実行する方法もあります。
8.ディスクの空き容量
新しいパッケージをダウンロードするため、ディスクの空き容量を確保しておく必要があります。空き容量については現在のパッケージインストール状況にもよりますが、10GB以上あればアップグレードに失敗することはないと思います。
9.不要なアプリはアンインストールする
インストール済みだがほとんど利用しないアプリは、事前にアンインストールしておくと良いです。不要なアプリのアンインストールは、アップグレード時間の削減にも繋がります。
「Ubuntu」のアップグレードは、利用するアプリを精査する良い機会でもあります。
10.ライブメディアを作成しておく
万が一に備え「Ubuntu」のライブメディアを作成しておきましょう。アップグレード後にトラブルが発生した時や、アップグレードに失敗して「Ubuntu」が起動しない時は、ライブメディアから「Ubuntu」を起動し、トラブルシューティングに役立てることができます。
- UbuntuのライブUSBメモリーを作成するには(Ubuntu/GNOME Disks編)
- UbuntuのライブUSBメモリーを作成するには(Ubuntu/Startup Disk Creator編)
- UbuntuのライブDVDを作成するには(Ubuntu/Brasero編)
- UbuntuのライブUSBメモリーを作成するには(Windows/Rufus編)
- UbuntuのライブDVDを作成するには(Windows編)
11.時間と心に余裕を
全てのパッケージがアップデートされるため、アップグレードには時間がかかります。またアップグレード時に、パッケージの設定を行う画面が表示されることがあります。
日常的に利用するPCは、余裕がある日にアップグレードしたほうが良いです。
端末からアップグレードするには
「端末」から以下のコマンドを実行し、「Ubuntu」をアップグレードすることもできます。
do-release-upgrade