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Ubuntu 22.04 LTSの新機能と変更点

リリースノートから「Ubuntu 22.04 LTS」の新機能と変更点を紹介します。


リリースノート

ここでは主に「Ubuntu Desktop」の内容を中心にピックアップします。
「Ubuntu 22.04 LTS」のリリースノートは以下で参照できます。


リリース情報

「Ubuntu 22.04 LTS」のリリース情報は、以下を参照してください。


Ubuntu全般

「Ubuntu」全般に関する内容です。

1.サポート期間

「Ubuntu 22.04 LTS」はLTSリリースであり、サポート期間が5年間提供されます。
「Ubuntu Desktop」「Ubuntu Server」「Ubuntu Cloud」「Ubuntu Core」では、2027年4月までメンテナンスアップデートが提供されます。
またそれに加え「ESM」による最大10年間のサポートも利用することもできます。


フレーバーは3年間のサポートが提供されます。

2.NVIDIA GPUドライバー

既存の「x86_64」に加え「ARM64」にもNVIDIA GPUドライバーに対応した「linux-restricted-modules」が追加されました。
これにより「ARM64」でも「ubuntu-drivers」を利用し、「Ubuntu」の公式リポジトリーからNVIDIA GPUドライバーのインストールや設定が可能になりました。

3.NFSマウントでUDPが無効に

「Ubuntu 20.10」からNFSマウントで「UDP」の利用が無効化されています。
「UDP」を利用してマウントしようとすると、以下のようにエラーが発生します。

$ sudo mount f1:/storage /mnt -o udp
mount.nfs: an incorrect mount option was specified

4.ツールチェーンのアップデート

ツールチェーンがアップデートされました。

  • GCC 11.2.0
  • binutils 2.38
  • glibc 2.35
  • Python 3.10.4
  • Perl 5.34.0
  • LLVM 14
  • golang 1.18
  • rustc 1.58
  • OpenJDK 11(OpenJDK 18も提供) 
  • Ruby 3.0

5.systemd v249.11の採用

「systemd v249.11」が採用されています。
変更点は以下を参照してください。


Linux kernel

「Linux kernel」に関する内容です。

1.一般向けUbuntu Desktop

多くのPC向けで利用される一般向け「Ubuntu Desktop」では、「Linux kernel 5.15」ベースの「Linux kernel」が採用されています。
一般向け「Ubuntu Desktop」ではHWEカーネル(linux-hwe-22.04)が採用されています。
HWEカーネルの採用ポリシーは以下を参考にしてください。


「Ubuntu 22.04.1 LTS」までは「Linux kernel 5.15」ベースの「Linux kernel」が採用されます。
「Ubuntu 22.04.2 LTS」以降は新しいバージョンの「Linux kernel」が採用されます。

2.認定デバイス向けUbuntu Desktop

Ubuntu認定デバイス向け「Ubuntu Desktop」では、「Linux kernel 5.17」ベースの「Linux kernel」が採用されています。(linux-oem-22.04)
Ubuntu認定デバイスは、以下を参考にしてください。


3.Ubuntu Server

「Ubuntu Server」ではデフォルトでGAカーネルが採用されています。
GAカーネルは「Linux kernel 5.15」ベースの「Linux kernel」になります。(linux-generic)

4.Ubuntu Cloud / Devices

各ベンダー向けに最適化された「Linux kernel 5.15」以降の「Linux kernel」が採用されます。

5.Linux kernelの主な変更点

前バージョンの「Ubuntu 21.10」では「Linux kernel 5.13」が採用されており、メジャーアップデートされています。
「Linux kernel 5.13」以降の主要な変更点は、以下を参照してください。


セキュリティー

セキュリティーに関する内容です。

1.OpenSSL 3.0の採用

「OpenSSL 3.0」が採用されています。
デフォルトでは古くなった多くのアルゴリズムが既定で無効化されています。
特に「SHA1」や「MD5」をハッシュアルゴリズムとして使用している証明書は、デフォルトのセキュリティーレベルでは無効になっています。
以下も参考にしてください。


Ubuntu 20.04 LTS

「Ubuntu 20.04 LTS」向けの情報です。
アップストリームの意向によりデフォルトのセキュリティーレベル2では、(D)TLS 1.2以下のプロトコルが無効化されています。

2.nftablesがファイアウォールのバックエンドに

ファイアウォールのデフォルトのバックエンドが「nftables」になりました。
システム上のすべてのアプリケーションはバックエンドに従来の「xtables」もしくは「nftables」のいずれかを利用するように構成する必要があります。
これに関する詳細は、以下を参照してください。


Snap版「Docker」に注意事項があります。
Snap版「Docker 20.10.12」の時点では、無条件に「xtables」を利用するためデフォルトのバックエンドに「xtables」を指定する必要があります。
詳細は以下を参照してください。


3.ssh-rsaの無効化

「ssh-rsa」がデフォルトで無効化されました。


「ssh-rsa」が必要なら有効化することも可能です。
詳細は以下を参照してください。


「SSH」経由で「Ubuntu」をアップグレードする場合、アップグレード後も引き続き接続できるように「ssh-rsa」が利用されていないことを事前に確認してください。

4.scp -sオプションのサポート

scpモードの代わりにsftpモードを使用する「-s」オプションがサポートされました。
詳細は以下を参照してください。


sftpモードはscpモードよりも安全性が高く、将来的にsftpモードがデフォルトになる予定です。

Ubuntu Desktop

「Ubuntu Desktop」に関する内容です。

1.OOMDの有効化

また「Ubuntu Desktop」及びそのフレーバーでは、デフォルトで「systemd-oomd」が導入されており、OOMDが有効化されています。


「systemd-oomd」の情報は、以下を参考にしてください。


「OOMD」の状態を確認するには、以下のコマンドを実行してください。

oomctl


「oomctl」の情報は、以下を参考にしてください。


2.アクセントカラーのサポート

10種類のアクセントカラーがサポートされました。
アクセントカラーについては、以下を参照してください。


3.deb版Firefoxの削除とSnap版Firefoxへの移行

Ubuntu公式リポジトリーからdeb版Firefoxが削除され、Snap版Firefoxに移行しました。
Snap版Firefoxへの移行自体はすでに「Ubuntu 21.10」の時に行われていますが、「Ubuntu 21.10」では引き続きdeb版Firefoxも提供されていました。


Snap版Firefoxでは各種チャンネルで安定版以外にもβ版やESR版なども提供しており、チャンネルを切り替えることで使用するFirefoxを切り替えることができます。



4.デスクトップアイコンの配置位置

デスクトップアイコンの配置位置がデフォルトで右下に設定されています。
この設定は「設定」の「外観」から変更できます。


5.ドックのカスタマイズ

ドックの見た目や振る舞いをカスタマイズする項目が増えました。
ドックの設定は「設定」の「外観」から変更できます。


GNOME

「Ubuntu Desktop」ではデスクトップ環境に「GNOME」を採用しています。
「GNOME」に関する内容です。

1.GNOME 42

「GNOME 42」が採用されました。
「GNOME 42」の新機能と変更点は、以下を参照してください。


ただしアプリの中には「GNOME 41」由来のアプリに留まっているアプリもあります。
以下も参考にしてください。


2.Dark Style Preferenceに対応

「GNOME」の「Dark Style Preference」似対応しました。
以下を参考にしてください。


3.GNOME Shellのパフォーマンス改善

トリプルバッファリングなど「GNOME Shell」及び「Mutter」に多数のパフォーマンスの改善が取り込まれています。

4.デフォルトのセッションがWaylandに

NVIDIA GPUを搭載していない環境では、デフォルトのセッションが「Wayland」になりました。
「Xorg」を利用したい場合は、ログイン画面で「Ubuntu on Xorg」を選択してからログインしてください。


5.Privacy Screen Supportに対応

「Lenovo」の「Privacy Guard」のようなハードウェアに対応しました。

6.RDPのサポート

リモートデスクトップで「RDP」を利用できるようになりました。
従来の「VNC」も引き続き利用できますが、セキュリティーやプライバシー及びパフォーマンスの観点から「RDP」の利用が推奨されます。

以前「VNC」を利用していた場合は、「設定」の「共有」から一旦共有をオフにし、再度有効にしてください。
またログイン情報を設定してください。


7.アプリのアップデート

以下の主要なアプリがアップデートされました。


8.サブシステムのアップデート

以下の主要なサブシステムがアップデートされました。


Ubuntu Server

「Ubuntu Server」に関する内容です。

1.ソフトウェアのアップデート

以下の主要なソフトウェアがアップデートされました。

  1. Corosync 3.16
  2. Pacemaker 2.1.2
  3. Resource agents 4.7.0
  4. Fence agents 4.7.1
  5. containerd 1.5.9
  6. runc 1.1.0
  7. Ruby 3.0
  8. PHP 8.1.2
  9. OpenLDAP 2.5.11
  10. BIND 9.18
  11. Apache 2.4.48
  12. PostgreSQL 14.2
  13. Django 3.2.12
  14. MySQL 8.0.28
  15. Samba 4.15.5
  16. Chrony 4.2 
  17. Qemu 6.2.0
  18. libvirt 8.0.0 
  19. virt-manager 4.0.0
  20. DPDK LTS 21.11
  21. openvswitch 2.17.0
  22. cloud-init 22.1
  23. LXD 5.0

2.QuaggaからFRRoutingへ移行

「Quagga(quagga)」が削除され、「FRRouting(frr)」へ移行しました。

3.TPMエミュレーター

TPMエミュレーターである「swtpm」を利用できるようになりました。


「swtpm」は「libtpms」のフロントエンドとして動作します。
仮想マシンのゲストOSがTPMを要求する場合、この仕組みが役に立つでしょう。
詳細は以下を参照してください。


4.SquidがGnuTLSに対応

「Squid(squid)」は「GnuTLS」ライブラリーを利用するようになりました。
「OpenSSL」を利用したい場合、「squid-openssl」パッケージをインストールしてください。

5.mainへ移行したパッケージ

以下のソースパッケージは「main」に移されました。

  1. wireguard
  2. glusterfs
  3. frr

クラウド

クラウドに関する内容です。

1.AWS

「AWS」向けamd64イメージは、GPTパーティションテーブルを使用するようになり、UEFI起動モードをに対応するためESPパーティションが作成されます。

2.Oracle Cloud Infrastructure

「Oracle Cloud Infrastructure」でARM64サーバー向け最小イメージを利用できるようになりました。
ただしOCIのスケジュールに合わせるため実際の提供時期は少し遅れます。

Raspberry Pi

「Raspberry Pi」に関する内容です。

1.初のLTS版Ubuntu Desktopのリリース

「Raspberry Pi」向け「Ubuntu Desktop」のリリースとしては、「Ubuntu 22.04 LTS」が初のLTS版「Ubuntu Desktop」のリリースとなります。

2.サポートの改善

以下の改善が含まれています。

  1. Unicorn HATのサポート
  2. DSIタッチスクリーンのサポート
  3. Raspberry Pi Compute Moduleに対応したrpiboot
  4. MicroPythonやRaspberry Pi Picoなどマイクロコントローラーボードに対応したrshellpyboard-rshell
  5. Raspberry Piイメージユーティリティー(rpi-imager

OSのマルチブートとブートメニューについて

すでに他OSがインストールされている環境に「Ubuntu」インストールした場合、それらの他OSもブートメニューに表示されます。

しかし「Ubuntu」インストール時に他OSがインストールされていない場合、他OSの検出は無効化され、後から他OSをインストールしてもそれらの他OSが検出されることはありません。
この場合それらの他OSがブートメニューに表示されることはありません。
また他OSをストレージから全て削除した場合も、他OSの検出が無効になります。
以下の情報も参考にしてください。


他OSの検出を再度有効化するには

他OSの検出が無効になっている状態で後から他OSの検出を再度有効化するには、「/boot/grub/grub.cfg」ファイルを削除して即座に「sudo update-grub」コマンドを実行してください。

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