PulseAudioからPipeWireへ移行
「Ubuntu 22.10」では「PulseAudio」から「PipeWire」へ移行します。PulseAudio
「PulseAudio」はサウンドサーバーです。「PulseAudio」はサウンドデバイスを管理し、アプリとサウンドデバイスを中継するソフトウェアです。
「Ubuntu」では長らくサウンドサーバーに「PulseAudio」を採用してきました。
現在「Ubuntu」上で動作するアプリの多くはサウンドを再生する際、「PulseAudio」を経由してサウンドデバイスにサウンドデータを送り、音を出力しています。
PipeWire
「PipeWire」は低レイヤーで動作するマルチメディアフレームワークです。「PipeWire」は「PulseAudio」のようにサウンドサーバーの機能だけでなく、ビデオキャプチャーサーバーの機能も持っています。
また低遅延の特性も持っておりサウンド面では「PulseAudio」や「JACK」を置き換える存在になります。
またビデオキャプチャーサーバーでは、ビデオキャプチャーデバイスの管理や、アプリへビデオキャプチャーデバイスへのアクセス手段を提供します。
加えてアプリからスクリーンキャストを作成するための機能も提供しています。
「PipeWire」もアプリとデバイスを中継するためのソフトウェアです。
サウンドサーバーをPulseAudioからPipeWireへ
というわけで「Ubuntu 22.10」ではサウンドサーバーが「PulseAudio」から「PipeWire」に変わります。Ubuntu Desktopのソフトウェア構成が変わった
現在開発中の「Ubuntu Desktop 22.10」では、デフォルトのソフトウェア構成から「PulseAudio」が外され、「PulseAudio」の代替となる「pipewire-pulse」が追加されました。 * Added pipewire-pulse to desktop, desktop-minimal
* Removed pulseaudio from desktop, desktop-minimal
* Removed pulseaudio-module-bluetooth from desktop-minimal-recommends,
desktop-recommends
* Removed gstreamer1.0-pulseaudio from desktop, desktop-minimal
* Removed pulseaudio from desktop, desktop-minimal
* Removed pulseaudio-module-bluetooth from desktop-minimal-recommends,
desktop-recommends
* Removed gstreamer1.0-pulseaudio from desktop, desktop-minimal
すでに既存のUbuntuでもPipeWireが使われている
実はすでに「PipeWire」が使われています。ただしサウンドサーバーとしてではなく、スクリーンキャストやスクリーン共有を実現するために使用されています。