Ubuntu 22.10 その5 - デフォルトの端末をGNOME Consoleに変更する提案

デフォルトの端末をGNOME Consoleに変更する提案

デフォルトの端末（ターミナルエミュレーター）を「GNOME Console」に変更する提案が以下で行われています。

• Proposal: GNOME Console as default terminal app

今はGNOME Terminal

「Ubuntu 22.04 LTS」ではデフォルトの端末に「GNOME Terminal（gnome-terminal）」を採用しています。
「Ubuntu」では長らくデフォルトの端末に「GNOME Terminal」を採用してきたため、「GNOME Terminal」に馴染みあるユーザーも多いのではないでしょうか。

GNOME Consoleへの移行提案

「GNOME Console」への移行に関しては、以下の利点があげられています。

• GNOME 42のDark Style Preferenceに対応している
• 端末の表示領域を半透明で描画する機能がある
• 時間がかかるコマンドを実行した時に、コマンドの実行完了後にその旨を通知する機能がある
  

また「sudo」など「root」で処理している間、ウィンドウのタイトルバーを赤色で表示する機能があります。


同様にSSHなどリモートで接続している場合、ウィンドウのタイトルバーを紫色で表示する機能があります。

GNOME Terminalの透過機能について

端末の表示領域に透過度を設定する機能はすでに「GNOME Terminal」では提供していない機能ですが、「Ubuntu」や「Fedora」ではこの機能を提供するために「GNOME Terminal」にパッチをあててユーザーに提供しています。

GNOMEが推奨している

「GNOME」は「GNOME 42」でデフォルトの端末に「GNOME Console」を推奨しています。
「Ubuntu」は原則的にアップストリームの意向に沿う方針であるため、この提案は自然な提案かと思います。

使い勝手が変わる

「GNOME Console」は新しく開発された端末であるため、UI及びサポートしている機能は変わります。

現状は機能が少ない

現在の「GNOME Console」は「GNOME Terminal」に比べ、搭載している機能が絞られています。
例えば設定画面すらありません。


この状況に対し「Fedora」では以下のように機能の追加を要望しています。

• gnome-terminal -> gnome-console
• Support for user-defined color theme

もしかしたら次期バージョンの「GNOME 43」でこの状況が改善されるかもしれません。
「Ubuntu」でも「Ubuntu 22.10」で「GNOME 43」を採用する予定です。

Ubuntu 22.10でも引き続きGNOME Terminalを利用可能

今回の提案はあくまでデフォルトでプリインストールする端末を「GNOME Terminal」から「GNOME Console」へ変更する提案であり、「GNOME Terminal」がなくなるわけではありません。
別途インストールが必要になりますが「Ubuntu 22.10」でも引き続き「GNOME Terminal」を利用できます。

GNOME Consoleをインストールするには

「Ubuntu 22.04 LTS」ですでに「GNOME Console（β2）」を利用できるようになっています。
「GNOME Console」をインストールして使い勝手を試してみてはいかがでしょうか。

1.Ubuntu Softwareの起動

以下のボタンをクリックし、「Ubuntu Software」を起動します。

2.インストール

以下の画面が表示されるので「インストール」ボタンをクリックします。



以上でインストールは完了です。

3.GNOME Consoleの起動

デスクトップ画面左上の「アクティビティ」をクリックし、「Console」を起動します。