Ubuntu向けdebuginfodサービス登場
2022年9月20日、Ubuntu向けdebuginfodサービスが登場しました。debuginfod
debuginfodはサーバー上に配置しているELF/DWARF/ソースコードを、GDBのようなクライアントで動作しているデバッグツールにHTTP(S)経由で配布するソフトウェアです。debuginfodサービス
今回Ubuntuはこのソフトウェアを活用したサービスをユーザーに提供することになりました。 開発者は従来よりも簡単に、Ubuntuで提供されているソフトウェアのデバッグに必要な準備を整えられるようになりました。つまり以下のようなユーザーによる準備作業が必要なくなるということです。
debuginfodサービスを利用するとクライアントで動作しているデバッグツールは、必要なデバッグシンボルをdebuginfodサーバーから自動的にダウンロードして読み込んでくれます。
debuginfodサービスの使い方
debuginfodサービスの使い方や詳細は、以下を参照してください。現在はDWARF情報のみ提供
現時点でdebuginfodサービスはDWARF情報のみ提供していますが、将来的にはソースコードの提供も予定されています。Ubuntuの対応状況
バージョン別Ubuntuの対応状況です。Ubuntu 22.10
現在開発中の「Ubuntu 22.10」ではGDBインストールする際、ソフトウェアをデバッグする時に自動的にUbuntuのdebuginfodサービスを参照するようにシステムが設定されます。そしてGDBはdebuginfodを利用するかどうかをユーザーに確認します。
既存のUbuntuでは
既存のUbuntuでは上記のような設定は行われませんが、以下の環境変数の設定を「~/.bashrc」ファイルに記述することで、debuginfodサービスを利用できるようになります。
export DEBUGINFOD_URLS="https://debuginfod.ubuntu.com"