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Ubuntu 22.10 その21 - Ubuntu 22.10の新機能と変更点・既知の問題

Ubuntu 22.10の新機能と変更点

リリースノートから「Ubuntu 22.10」の新機能と変更点を紹介します。


リリース情報

「Ubuntu 22.10」のリリース情報は、以下を参照してください。

  • Ubuntu 22.10がリリースされました・ディスクイメージのダウンロード

「Ubuntu 22.10」のリリースノートは、以下を参照してください。

  • リリースノート:ReleaseNotes
  • リリースノート(日本語):リリースノート

ここでは主に「Ubuntu Desktop」の内容を中心にピックアップします。

Ubuntu全般

「Ubuntu」全般に関する内容です。

1.サポート期間

「Ubuntu 22.10」は通常リリースであり、サポート期間は9ヶ月間提供されます。
「Ubuntu 22.10」の公式フレーバーも同様に、サポート期間は9ヶ月間になります。

2.Linux kernel

「Linux kernel」は「Linux kernel 5.19」ベースの「Linux kernel」にメジャーバージョンアップしました。


「Ubuntu 22.10」の「Linux kernel」では、以下の改善が行われています。

  • ゲーミングパフォーマンスの改善
  • タスクスケジューラーでL2/L3キャッシュを共有するCPUクラスターのサポート
  • Intel Advanced Matrix Extensions(AMX)命令セットのサポート
  • より高速な乱数ジェネレーターのサポート
  • Intel Trust Domain Extensions(TDX)のサポート

その他Linux kernelの新機能と変更点

前メジャーバージョンの「Ubuntu 22.04 LTS」では「Linux kernel 5.15」ベースの「Linux kernel」を採用していたため、今回4回分の「Linux kernel」のメジャーバージョンアップが行われています。
それぞれの「Linux kernel」の新機能と変更点は、以下を参考にしてください。

  1. Linux kernel 5.16
  2. Linux kernel 5.17
  3. Linux kernel 5.18
  4. Linux kernel 5.19

3.systemdのアップデート

「systemd」が「systemd v251.4」にアップデートされました。
「systemd v251」の変更点は、以下を参考にしてください。

  • systemd v251

4.debuginfodのサポート

「debuginfod」は、サーバー上に配置しているELF/DWARF/ソースコードを、GDBのようなクライアントで動作しているデバッグツールにHTTP(S)経由で配布するソフトウェアです。
「debuginfod」に対応しているGDBなどのデバッグツールは、必要なデバッグシンボルを「debuginfod」サーバーから自動的にダウンロードして読み込んでくれます。

「Ubuntu 22.10」でこの「debuginfod」に対応しました。
「debuginfod」の紹介は、以下を参考にしてください。

  • Ubuntu向けdebuginfodサービス登場

「debuginfod」に関するドキュメントは、以下を参照してください。

  • Debuginfod
  • Service - Debuginfod

5.netplanのデバイスサポート改善

「netplan」が「netplan v0.105」にアップデートされ、「VXLAN」や「VRF」、「InfiniBand」デバイスに対応しました。
「netplan v0.105」の変更点は以下を参照してください。

  • netplan v0.105

6.サブシステムのアップデート

以下のアップデートされたサブシステムが採用されています。

  • BlueZ 5.65
  • CUPS 2.4
  • NetworkManager 1.40
  • Mesa 22
  • Pipewire 0.3.58
  • Poppler 22.08
  • PulseAudio 16
  • xdg-desktop-portal 1.15
  • fonts-noto-color-emojiがUnicode 15に対応

7.OpenSSHサーバーがソケットアクティベーションによる起動に変更

OpenSSHサーバーがデフォルトで「systemd」のソケットアクティベーション(Socket activation)で起動するように変更されました。
詳細は以下を参照してください。

  • SSHd now uses socket-based activation (Ubuntu 22.10 and later)

Ubuntu Desktop

「Ubuntu Desktop」に関する変更点です。

1.デフォルトのサウンドサーバーがPipeWireに

デフォルトのサウンドサーバーが「PulseAudio」から「PipeWire」に変更されました。
これによりオーディオデバイスのサポートが改善されています。

2.WebPのサポート

画像フォーマットの「WebP」に対応しました。

3.GNOME 43

デスクトップ環境が「GNOME 43」にメジャーバージョンアップしました。
「GNOME 43」の変更点は、以下を参考にしてください。

  • GNOME 43がリリースされました・GNOME 43の新機能と変更点

4.Nautilus Extensions APIの仕様が変わる

「Nautilus Extensions API」の仕様が変わり、この仕様変更に追従していないNautilus拡張機能は利用できなくなりました。
ちなみに「Nautilus」は「ファイル」アプリのことであり、「Nautilus」は「Ubuntu」のデフォルトのファイルマネージャーです。

5.デフォルトのテキストエディターの変更

デフォルトのテキストエディターが従来の「gedit」から「GNOME Text Editor」へ変更されました。


必要なら後から「gedit」をインストールし、引き続き利用することもできます。

6.デフォルトの端末は引き続きを採用

デフォルトの端末を「GNOME Terminal」から「GNOME Console」へ変更する案がありましたが、以下の不具合のため引き続き「GNOME Terminal」を採用することになりました。

  • Proposal: GNOME Console as default terminal app
  • gnome-console: copying won't work if end of line is selected


後から「GNOME Console」をインストールして利用することも可能です。

7.GNOME To Doがプリインストールから外される

「GNOME To Do」がプリインストールから外されました。
引き続き後からインストールすることも可能ですが、アプリ名が「Endeavour」に変更されています。

8.GNOME Booksの削除

「GNOME Books」は削除され利用できなくなりました。
代わりに「Foliate」の利用を検討してください。

9.その他アプリのアップデート

以下のアップデートされたアプリが採用されています。

  • Firefox 106
  • LibreOffice 7.4
  • Thunderbird 102

既知の問題

既知の問題です。

1.ZFSのインストールオプションの無効化

ファイルシステムにZFSを利用して暗号化し「Ubuntu」をインストールオプションは、OSの初回起動時にファイルシステムがマウントされない以下の不具合により、無効化されています。

  • ZFS + Encryption installations of Ubuntu Desktop do not come up correctly on first boot, systemd unmounts many of the zfs volumes

この方法で「Ubuntu」をインストールしたい場合は、「Ubuntu 22.04.1」をインストールし、その後「Ubuntu 22.10」へアップグレードしてください。

2.DKMSでカーネルモジュールに署名が行われない不具合

「DKMS(Dynamic Kernel Module Support)」はソースから自動的にカーネルモジュールをビルドしてくれるソフトウェアです。
主にドライバーのビルドに利用されます。

UEFIセキュアブート環境ではカーネルモジュールを読み込む際、署名による検証が行われます。
「DKMS」でビルドされたドライバーはこの不具合により署名されないため、UEFIセキュアブート環境で「DKMS」でビルドされたドライバーが検証に失敗し、読み込まれなくなります。
この不具合の詳細は、以下を参照してください。

  • fails to sign kernel modules

Broadcom無線LANドライバーが読み込まれなくなる

Broadcom無線LANドライバーはこの仕組みを利用してビルドされており、「Ubuntu」をインストールした時にドライバーが署名されず、UEFIセキュアブート環境でこのドライバーを利用することができません。

回避策

「Ubuntu 22.04.1」をインストールし、その後「Ubuntu 22.10」へアップグレードしてください。
もしくは以下で紹介されているように、自分でカーネルモジュールに署名する方法もあります。

  • DKMS package support (extra drivers) does not work in Ubuntu 22.10 install media

「端末」で以下のコマンドを1行ずつ実行し、Broadcom無線LANドライバーに署名してください。

ssudo dpkg-reconfigure bcmwl-kernel-source
ssudo kmodsign sha512 /var/lib/shim-signed/mok/MOK.priv /var/lib/shim-signed/mok/MOK.der /lib/modules/5.19.0-21-generic/updated/dkms/wl.ko

署名後、以下のコマンドでその場でBroadcom無線LANドライバーを読み込むことも可能です。

sudo modprobe wl

近々アップデートが提供される予定

近々不具合が修正された「DKMS」がリリースされる予定です。

ただしPCで利用可能なネットワークインターフェースが、Broadcom無線LANドライバーのように追加のドライバーでインストールされるドライバーに依存しており、かつ、そのドライバーを利用できない場合、そもそもインターネットに接続できないため、アップデートを受け取ることができない点に注意してください。

現時点では、追加のドライバーでインストールされるドライバーの内、この不具合に影響を受けるネットワークインターフェースのドライバーは、Broadcom無線LANドライバーのみです。

Ubuntu
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