Xfce 4.18の新機能と変更点
2022年12月15日、「Xfce 4.18」がリリースされました。「Xfce 4.18」の新機能と変更点をピックアップします。
動画でみるXfce 4.18の新機能と変更点
動画版「Xfce 4.18」の新機能と変更点も作成しました。良かったら参考にしていただければと思います。
ファイル名入力ダイアログ
新しいファイル名入力ダイアログが導入されました。ファイル名入力ダイアログでは事前に無効なファイル名を検出し、エラーメッセージを表示してくれます。
ショートカットエディター
新しいショートカットエディターが導入されました。現在このショートカットエディターは、以下のアプリで導入されています。
- Thunar
- Xfce4-terminal
- Mousepad
今後は他のアプリにも導入される予定です。
サムネイルの改善
サムネイルとはファイルのサムネイルのことです。例えば画像ファイルならその画像のサムネイルが生成され、「Thunar」上で画像ファイルの一覧を表示した時にファイルアイコンの代わりに生成されたサムネイル画像が表示されます。
高解像度のサムネイルサポート
高解像度のサムネイルに対応し、高解像度のディスプレイでも綺麗にサムネイルが表示されるようになりました。共有サムネイルリポジトリーのサポート
「Tumbler」と「Thunar」が「共有サムネイルリポジトリー(Shared Thumbnail repositories)」をサポートしました。サムネイルの生成と保存
通常サムネイルを生成する場合、生成されたサムネイルはユーザーのホームディレクトリー内に保存されます。例えば大量の画像ファイルを含む外付けHDDをPCに接続し、「Thunar」でその大量の画像ファイルを含むフォルダーにアクセスした場合、各画像ファイルごとにサムネイルがユーザーのホームディレクトリー内に生成され保存されます。
この時別のユーザーでアクセスした場合や、その外付けHDDを別のPCに接続した場合、同様に各画像ファイルごとにサムネイルがユーザーのホームディレクトリー内に生成され保存されます。
要は同じサムネイルを何度も生成することになり、これは無用なリソースの消費に繋がります。
それぞれのファイルシステムにサムネイルを保持する
この課題に対する解が「共有サムネイルリポジトリー」です。ユーザーのホームディレクトリー内にサムネイルの生成や保存する代わりに、各ファイルシステム内の特定のディレクトリー内にサムネイルを生成及び保存します。
後はその「共有サムネイルリポジトリー」を参照すれば、サムネイルの生成や保存を省略することができます。
Clockプラグイン
「Clock」プラグインは日付や時間を表示するプラグインです。プラグインの統合
「Clock」プラグインと似たような機能を持つ「DateTime」プラグインが「Clock」プラグインに統合されました。バイナリー時計に対応
新しいレイアウトにバイナリーが追加されました。デスクトップ
デスクトップの変更点です。削除メニュー項目の非表示オプション
ファイルを右クリックした時に表示されるコンテキストメニューから、「削除」の項目を非表示にするオプションが追加されました。デスクトップアイコンの整列確認
デスクトップアイコンを整列する時に、事前に確認画面を表示するようになりました。設定マネージャー
「設定マネージャー」では、設定項目を検索する検索エントリーが少しシンプルになり、常に画面上に表示されるようになりました。ディスプレイの設定
新しいディスプレイが接続された時に、そのディスプレイに対するアクションを指定できるようになりました。外観の設定
新しいテーマを選択した時に、自動的にそのテーマに合うxfwm4テーマを設定するオプションが追加されました。設定エディター
「設定エディター」では、設定項目をフィルタリングできるようになりました。Thunar
「Thunar」はファイルマネージャーです。フォルダー内のファイル数表示
リストビューでフォルダー内のファイル数をサイズ列で表示できるようになりました。以下のようにフォルダー内のファイル数をサイズ列で表示できます。
ファイルの作成日時の表示
リストビューでファイルの作成日時を表示できるようになりました。以下のようにファイルの作成日時を表示できます。
画像プレビュー
現在選択されている画像ファイルの画像をプレビュー表示できるようになりました。画像のプレビューを表示するには、「表示」メニューの「サイドペイン」を選択し、「画像プレビュー」をクリックしてチェックを入れます。
配置場所も変更可能
また画像プレビューを左側のサイドペインではなく、右側のサイドペインイン表示することも可能です。設定画面の「画像のプレビューモード」から画像プレビューの配置場所を変更できます。
設定で「スタンドアロン」を選択すると、以下のように右側のサイドペインに画像プレビューが表示されます。
アンドゥ・リドゥのサポート
以下のファイル操作で、アンドゥ(元に戻す)とリドゥ(やり直す)がサポートされました。- ファイルの移動
- ファイル名の変更
- ゴミ箱に移動
- ファイルのリンク
- ファイルの作成
アンドゥ・リドゥ操作は、「編集」メニューから実行できます。
またアンドゥ・リドゥ操作実行時に、以下のように操作内容が通知で表示されます。
ファイル操作の履歴は10件まで
デフォルトでは、ファイル操作の履歴は10件まで記録されます。ファイルのハイライト表示
ファイルのハイライト表示がサポートされました。各ファイルごとに、ファイルアイコンの背景色及びファイル名の文字色を指定できます。
ファイルの色は、ファイルのプロパティー画面の「ハイライト」タブから設定できます。
色を選択して画面下部にある「前景を設定」ボタンをクリックすれば、その色がファイル名の文字色に指定されます。
同様に「背景を設定」ボタンをクリックすれば、その色がファイルアイコンの背景色に指定されます。
以下のようにプレビュー表示もされるため、プレビューを確認しながら色を指定すると良いでしょう。
ハイライト表示の切り替え
ファイルのハイライト表示は、「表示」メニューの「ファイルのハイライト表示」にチェックが入っている時に上記で指定された色で各ファイルアイコンが描画されます。この設定のチェックを外せば、一時的にファイルのハイライト表示を無効化することもできます。
ツールバー
ツールバーをカスタマイズできるようになりました。ツールバーの設定画面は、「表示」メニューの「ツールバーを設定」から表示できます。
メニューバー表示ボタン
ちなみにメニューバーを非表示にした時に、ツールバーにメニューバーを表示するボタンが追加されます。ビューの分割
ビューの分割がサポートされ、異なるパスを1画面内で分割して表示できるようになりました。中央のセパレーターをドラッグすれば、ビューのサイズを変更できます。
ステータスバー
ステータスバーに表示する内容をカスタマイズできるようになりました。ステータスバーに表示する内容をカスタマイズするには、ステータスバーを右クリックしてください。
再帰的な検索
再帰的な検索とは、サブフォルダーも含めたファイル検索のことです。再帰的な検索がサポートされました。
ファイルの検索は別スレッドで実行され、条件に合うファイルが見つかり次第検索結果に即座に反映されるようになりました。
検索結果の場所列には、ファイルのパスが表示されます。
また検索結果に表示されているファイルを右クリックし、表示されるコンテキストメニューから「アイテムの場所を開く」をクリックすれば、そのファイルが含まれているフォルダーが「Thunar」で表示されます。
検索設定
再帰的な検索に関する設定は、「Thunar」の設定画面から変更できます。検索設定では、再帰的な検索自体を無効にしたり、ロカールファイルに限定して再帰的な検索を有効にすることもできます。
最近使用したファイル
サイドペインから最近使用したファイルにアクセスできるようになりました。最近使用したファイルでは、上記の検索結果のビューと同様の操作や情報を提供します。
ブックマークメニュー
ブックマークメニューが分離され新たに追加されました。ブックマークメニューにはブックマークを追加する項目や、登録されているブックマークが表示されます。
ゴミ箱
ゴミ箱を開いた時に、ファイルの復元やゴミ箱を空にするボタンが表示されるようになりました。削除日による並び替え
リストビューではファイルの削除日が表示され、削除日でファイルを並び替えられるようになりました。復元して表示
ファイルのコンテキストメニューに、ゴミ箱のファイルを元の場所に戻してそのフォルダーを開く「復元して表示」項目が追加されました。ファイルを開くデフォルトのアプリの変更
コンテキストメニューに、ファイルの種類に関連付けられているデフォルトのアプリを変更する「デフォルトのアプリケーションを設定する」項目が追加されました。この項目経由でアプリ選択画面を表示した場合は、以下のように「この種類のファイルのデフォルトアプリケーションにする」にデフォルトでチェックが入った状態でアプリ選択画面が表示されます。
アプリ選択画面の改善
現在ファイルの種類に関連付けられているデフォルトのアプリを明示するため、アプリ選択画面ではデフォルトのアプリケーションが「デフォルトアプリケーション」に表示されるようになりました。カスタムアクション
ユーザーが独自に設定可能なカスタムアクションで、サブメニューによるカスタムアクションのグルーピングが可能になりました。似たようなアクションは、サブメニューでグルーピングしておくと良いでしょう。
またサブメニューを指定する時に、「/」で区切ってサブメニューを指定すると、更に深い階層のサブメニューを構成できます。
サムネイル設定
「Thunar」のサムネイル設定画面では、サムネイルの設定項目が1つのグループにまとめられました。またサムネイルを生成するファイルサイズの上限を指定できるようになりました。
ファイル転送設定
ファイルのコピー時に、一旦中間ファイル(*.partial~)でファイルを生成してからコピーするオプションが指定できるようになりました。またファイルのコピー時に、正しくコピーできているかチェックサムを検証するオプションが指定できるようになりました。
チェックサムの検証は、通常のファイルのコピー時間に検証時間が加わるため、ファイルのコピーに時間がかかるようになります。
シェルスクリプトの実行許可設定
「Thunar」からシェルスクリプトの実行を許可するオプションが追加されました。タブの復元設定
「Thunar」起動時に以前開いていたタブを復元するオプションが追加されました。アプリケーションファインダー
アプリケーションファインダーは起動するアプリを検索するアプリです。アプリ一覧を開き、一覧からアプリを選択することも可能です。