Linux Mint 21.1の新機能と変更点
リリースノートから「Linux Mint 21.1」の新機能と変更点を紹介します。リリース情報
各エディションのリリース情報や既知の問題は、以下を参照してください。また「Linux Mint 21.1」は、「Ubuntu 22.04 LTS」がベースになっています。
「Ubuntu 22.04 LTS」のリリース情報や既知の問題は、以下を参照してください。
サポート期間
「Linux Mint 21.1」はLTSリリースであり、2027年までサポートされます。デスクトップ環境
「Cinnamon Edition」ではデスクトップ環境に「Cinnamon 5.6」を採用しています。「MATE Edition」ではデスクトップ環境に「MATE 1.26」を採用しています。
「Xfce Edition」ではデスクトップ環境に「Xfce 4.16」を採用しています。
Linux kernel
「Linux kernel」に「Linux kernel 5.15」を採用しています。動画でみるLinux Mint 21.1の新機能と変更点
動画でも「Linux Mint 21.1」の新機能と変更点を紹介しています。よろしかったら参考にして頂けたらと思います。
デスクトップに配置するアイコン
デスクトップに配置するアイコンが見直されました。デスクトップには、以下の重要なアイコンのみがデスクトップ上に表示されるようになりました。
- インストールアイコン
- ユーザーがデスクトップにドロップしたアイコン
- デスクトップフォルダー内にあるファイルのアイコン
- マウントされたデバイス
ホームアイコンの削除
ホームフォルダーを開くホームアイコンは、別の場所から容易に開けるため、デスクトップから削除されました。例えばパネルにホームフォルダーを開くホームアイコンがピン留めされていますし、メインメニューからも開くことができます。
加えて「Super + E」キーでホームフォルダーを開くこともできます。
その他削除されたアイコン
他にも以下のアイコンがデスクトップから削除されました。- コンピューター
- ゴミ箱
- ネットワーク
これらのアイコンは使用頻度が低いためです。
引き続きファイルマネージャーからこれらの場所にアクセスすることは可能です。
削除されたアイコンは元に戻すことも可能
今回見直されたアイコンの配置ですが、あくまでデフォルト設定の変更であり、後でデスクトップから削除されたアイコンを復帰させることも可能です。テーマの変更
テーマに関する変更点です。アクセントカラーの調整
アクセントカラーのカラーリングが調整され、鮮やかさが増しました。またパネルとメニューからアクセントカラーが削除されました。
フォルダーカラーの変更
フォルダーカラーが黄色に変更されました。デフォルトのテーマ変更
「Linux Mint」の色と言えば緑でしたが、「Linux Mint 21.1」ではデフォルトのテーマが「Aqua」に変更され、カラーリングが大きく変更されました。ようこそ画面からデフォルトのテーマを変更可能
デフォルトのテーマが変更されましたが、ユーザーはようこそ画面からデフォルトのテーマを変更できます。従来のテーマも利用可能
従来のテーマもプリインストールされ、引き続き利用することも可能です。ただし変更後のテーマ特別するため、従来のテーマの名称は「Mint-Y-Legacy」に変更されています。
カーソルテーマの変更
マウスカーソルのテーマが「Bibata」に変更されました。カーソルテーマの追加
従来の「DMZ-White」及び「DMZ-Black」カーソルテーマに加え、新規にカーソルテーマが追加されています。アイコンテーマの追加
「Mint-X」「Mint-Y」「Mint Legacy」アイコンテーマに加え、以下のアイコンテーマがプリインストールされるようになりました。- Breeze
- Papirus
- Numix
- Yaru
ちなみに「Yaru」は、「Ubuntu」のアイコンテーマでもあります。
システムサウンドの変更
システムサウンドが「Material Design V2」のサウンドに変更されました。ドライバーマネージャー
ドライバーマネージャーに関する変更点です。ユーザー認証の改善
ドライバーマネージャーはユーザーモードで動作するようになり、起動時のパスワード入力が不要になりました。オフライン時のUI改善
インターネットに接続されていない時に、その旨を示す画面が表示されるようになりました。ライブメディアのマウント
ライブメディアから簡単にドライバーをインストールできるようになりました。ライブメディアが検出された時に以下の画面が表示され、この画面から簡単にライブメディアをマウントし、ライブメディアをソフトウェアソースに追加できます。
これによりBroadcomの無線LANドライバーを従来よりも簡単にインストールできるようになりました。
NVIDIA GPUドライバーのサポート改善
NVIDIA GPUドライバーのサポートが改善され、UEFIセキュアブート環境で発生するドライバーの問題が修正されました。またインストールするNVIDIA GPUドライバーのバージョンを切り替える時に、切り替える前のドライバーを完全削除するようになり、ドライバーのバージョンを切り替える時に発生する問題が修正されました。
Flatpakのサポート
Flatpakのサポートが改善されました。アップデートマネージャー
アップデートマネージャーがFlatpakに対応し、debパッケージと同様にアップデートマネージャーからFlatpakのアプリやランタイムをアップデートできるようになりました。ソフトウェアマネージャー
ソフトウェアマネージャーではAPT及びFlatpakで同じアプリが見つかった場合、提供元を選択できるようになりました。例えば以下の画面は「gedit」の紹介画面ですが、「gedit」はAPT及びFlatpakからインストール可能です。
このようなアプリではどちらから「gedit」をインストールするのか、UI上から選択できます。
Flathubに対応
またソフトウェアマネージャーでは、Flathubで新規に追加されたソフトウェアが自動的にソフトウェアマネージャーに追加されるようになっています。ISO検証ツール
ユーザーがダウンロードしたディスクイメージを検証するツールが導入されました。検証作業の自動化
今までユーザーにとってディスクイメージを検証する作業は、特にカジュアルユーザーにとって分かりにくい作業でした。今回導入されたISO検証ツールにより、その作業の多くを自動化し、ユーザーは簡単にディスクイメージを検証できるようになりました。
検証する意義
ユーザーにとってダウンロードしたディスクイメージを検証する機会は少ないかもしれません。しかしユーザーから見てディスクイメージを検証する主な意義が2点あります。
- ディスクイメージが正しくダウンロードできているか確認する
- 正当なディスクイメージであるか確認する
ディスクイメージが正しくダウンロードできていない場合、つまりディスクイメージが破損している場合、OSが起動しなかったり、意図しない動作をするなど、ソフトウェアが正常に動作しません。
ディスクイメージが正しくダウンロードできていないケースは「Linux Mint」だけでなく、「Ubuntu」でもそこそこ見かけるケースです。
もう一つは、正当なサイトからダウンロードした正当なディスクイメージであることの確認です。
ユーザーが偽サイトなど不正なサイトからディスクイメージをダウンロードしている場合、悪意あるソフトウェアが含まれている可能性があります。
いずれの問題もユーザーからは気づきにくい問題であり、上記のようなリスクを軽減するために、ディスクイメージの検証が必要になります。
コンテキストメニューから検証ツールを起動できる
さてファイルマネージャーからディスクイメージを右クリックした時に表示されるコンテキストメニューから、検証ツールを起動できるようになっています。ディスクイメージの検証
「Linux Mint」や「Ubuntu」のディスクイメージを検証する場合、検証に使用するチェックサムファイルや署名ファイルを自動的に取得するようになっています。それ以外のディスクイメージでは、ユーザーが自分でチェックサムファイルや署名ファイルをダウンロードして、このツールに指定する必要があります。
後は「Verify」ボタンをクリックするだけです。
問題がなければ以下のように問題ないとの画面が表示されます。
USBイメージライター
USBイメージライターは、ディスクイメージからライブUSBメモリーを作成するアプリです。ディスクイメージの検証
USBイメージライターに「Verify」ボタンが追加され、USBイメージライターからディスクイメージを検証できるようになりました。WindowsのインストールUSBドライブの作成に対応
WindowsのディスクイメージからWindowsのインストールUSBドライブを作成できるようになりました。WindowsのインストールUSBドライブを作成した場合、以下のように役立つ情報に案内するドキュメントへのリンクが表示されるようになりました。
ログイン画面の設定
ログイン画面の設定では、マウスカーソルのテーマやカーソルサイズをカスタマイズできるようになりました。Warpinator
ファイルを別のPCと簡単に送受信できるようにするWarpinatorでは、セキュリティー向上のため、グループコードという仕組みが導入されました。同じグループコードが設定されたPC間でのみ、ファイルの送受信を可能にする仕組みです。
またグループコードが設定されていない場合Warpinatorは、60分後にアプリが終了するようになりました。
ウェブアプリ
ウェブアプリはウェブサイトをアプリのように扱えるようにする仕組みです。ウェブアプリの設定に、ブラウザーのナビゲーションバーの表示及び非表示を指定する設定や、プライベートブラウジングの有効及び無効を指定する設定が追加されました。
パスワード入力作業の軽減
システムに対する操作を実行する時に、パスワード入力(ユーザー認証)が必要になります。このユーザー認証を行う機会が見直され、必要な時にパスワード入力を行うように実装が修正されました。