KDE Plasma 5.27の新機能と変更点
2023年2月14日、「KDE Plasma 5.27」がリリースされました。リリースアナウンスから「KDE Plasma 5.27」の新機能と変更点を紹介します。
動画で見る新機能と変更点
動画版「KDE Plasma 5.27」の新機能と変更点は、以下を参照してください。ようこそ画面
初回ログイン時に「ようこそ画面」が表示されるようになりました。「ようこそ画面」では、「KDE Plasma」や機能の紹介、設定の変更方法やアプリのインストール方法などが紹介されます。
動画は以下を参照してください。
ウィンドウのカスタムタイリング
タイリングとは、予め定義されたレイアウトに沿って、ウィンドウの配置位置やサイズを自動調整する機能です。このタイリング機能が強化され、タイリング時に使用するタイルレイアウトをユーザーが自分で定義できるようになりました。
カスタムタイルレイアウト
カスタムタイルレイアウトを作成すれば、ユーザーは好みのレイアウトでデスクトップ上のウィンドウをレイアウトに沿って簡単に配置できるようになります。まだ実装は成熟していない
この機能はまだ成熟しておらず、一部荒削りな麺もありますが、それでもユーザーが十分活用できる機能に仕上がっています。Tiling Editor
この機能は「システム設定」の「ワークスペースの挙動」の「デスクトップエフェクト」の「Tiling Editor」を有効にすれば利用できるようになります。「Shift」キーを押しながらアプリのウィンドウをドラッグすれば、定義されたレイアウトに沿ってウィンドウを好みの位置に配置できます。
カスタムタイルレイアウトを定義するには
カスタムタイルレイアウトを定義するには、「Super + T」キーを押します。ちなみに「Super」キーとは、「Windows」キーのことです。
Breezeテーマの改善
Breezeテーマが改善され、ウィンドウの周りに微細な輪郭が表示されるようになり、別のウィンドウと区別しやすくなりました。特にダークテーマ利用時、ウィンドウが重なっていてもそれぞれのウィンドウを区別しやすくなるでしょう。
システム設定
「システム設定」の変更点です。1.設定項目の見直し
「システム設定」では設定ページを減らすため、設定項目の見直しが行われました。例えばアプリ起動時のカーソルやアイコンのアニメーション設定が、「カーソル」の設定ページに移されました。
2.変更済み設定の強調表示
ユーザーが変更した設定を強調表示する機能が、ハンバーガーメニューに移されました。3.ボリューム設定の統合
グローバルなボリューム設定が、「オーディオ」設定に統合されました。オーディオボリュームウィジェット
これに伴いオーディオボリュームウィジェットの設定が上記に移され、オーディオボリュームウィジェット自身の設定機能は削除されました。オーディオボリュームウィジェットの設定ボタンをクリックすると、「システム設定」の「オーディオ」設定画面が表示されるようになりました。
4.タッチデバイス設定の改善
タッチパッドやタッチスクリーンの設定画面では、設定項目が追加されました。5.コマンドに対応したグローバルショットカット
コマンドやスクリプトを実行するグローバルショートカットを設定できるようになりました。コマンドやスクリプトを実行するグローバルショートカットを設定するには、「ショートカット」設定画面を開き、「Add Command」ボタンをクリックします。
Discover
「Discover」は、アプリケーションやアドオンのインストール及びアンインストール、ソフトウェアのアップデートを行うアプリケーションです。1.ホーム画面
「Discover」のホーム画面が新しくなり、人気のアプリを表示するカテゴリーが動的に更新されるようになりました。2.全カテゴリーからの検索
特定のカテゴリーでアプリを検索した時にアプリが見つからなかった場合、すべてのカテゴリーからアプリを検索するボタンが表示されるようになりました。KRunner
「KRunner」はデスクトップ上でアプリやアイテム、コマンドを検索したり実行するアプリです。「Alt + Space」キーを押せば、「KRunner」が起動します。
「KRunner」はPC上から様々なアイテムを検索できます。
例えば「define 単語」と入力すると、辞書アプリから該当する単語を検索します。
辞書の各検索結果をクリックすれば、その内容がクリップボードにコピーされます。
また辞書の内容をクリップボードにコピーしたとの通知が、デスクトップ上に表示されます。
1.世界時間の表示
「time 国名」や「time 主要都市」、もしくは「time UTC」といったタイムゾーンコードを入力すれば、その地域の時刻が表示されるようになりました。2.検索精度の改善
検索精度が改善され、従来よりも関連性の高いアイテムが最初に表示されるようになりました。3.ウェブ検索
PC上で検索しても何も見つからなかった時に、ウェブ検索を行うアイテムが表示されるようになりました。ウィジェット
ウィジェットの変更点です。1.デジタル時計ウィジェット
「デジタル時計」ウィジェットでは、ヘブライ語のカレンダーを表示できるようになりました。2.メディアプレーヤーウィジェット
「メディアプレーヤー」ウィジェットがタッチ操作に対応し、ボリュームや再生位置を上下もしくは左右のスワイプ操作で調整できるようになりました。3.カラーピッカーウィジェット
「カラーピッカー」ウィジェットでは、最大9種のカラーをプレビューに保持できるようになりました。各プレビューをクリックすると以下のようにプレビューに保持しているカラーの一覧が表示され、各カラーをクリックすると、そのカラーコードがクリップボードにコピーされます。
また画像ファイルを「カラーピッカー」ウィジェットにドラッグ&ドロップすると、その画像の平均的な色がプレビューに設定されます。
4.ネットワークウィジェット
「ネットワーク」ウィジェットでは、VPN接続時にVPNの接続に必要なソフトウェアが未インストールの場合、該当するパッケージのインストールを提案するようになりました。通知に表示されているインストールボタンをクリックすれば、以下のように「Discover」が起動し、適切なパッケージのインストール画面が表示されます。
5.Bluetoothウィジェット
「Bluetooth」ウィジェットでは、ウィジェット上にマウスカーソルを合わせた時に、接続されたデバイスのバッテリー状況が表示されるようになりました。6.マウス操作時のアクション
ウィジェットのツールチップでは、ウィジェット上でマウスボタンの中央クリックやマウスホイールをスクロールした時に、実行されるアクションの情報が表示されるようになりました。例えばボリュームウィジェットでは、マウスボタンの中央クリックですべてのオーディオがミュートになり、マウスホイールのスクロールでボリュームの大きさが調整されます。
ネットワークウィジェットでは、マウスボタンの中央クリックで機内モードに切り替わります。
システムモニター
「システムモニター」はシステムの状況やリソースの状況をモニターするアプリです。モニターの使用電力
「システムモニター」ではウィジェットも含め、「NVIDIA GPU」でモニターの使用電力を検出できるようになりました。Waylandのサポート改善
「Wayland」のサポートが改善され、多数の不具合の修正や機能の改善が行われています。1.タブレットのサポート改善
グラフィックタブレットのサポートが改善され、タブレット上のペンの傾きや回転が「Krita」のようなグラフィックアプリから認識されるようになりました。2.マウススクロールのサポート改善
高解像度のマウスホイールの回転がサポートされ、長いビューを見る時にスムーズに内容をスクロールできるようになりました。3.Global Shortcutsポータルのサポート
Global Shortcutsポータルがサポートされ、「Wayland」上で動作するアプリは標準的なUIでグローバルショートカットの設定や編集が行えるようになりました。4.スクリーンの表示倍率
「Plasma」のスクリーンの表示倍率の設定が改善され、従来よりも自動的に適切なスクリーンの表示倍率を設定できるようになりました。その他の改善
その他の改善点です。1.マルチモニターの実装見直し
マルチモニターの実装が見直され、モニターの配置時の安定性が向上しています。またモニター切断時やモニターの再配置時に、パネルやデスクトップが失われる問題が解消されました。
2.コマンドでDo Not Disturbモードに
Do Not Disturbモードは、デスクトップ通知を抑制する機能です。
kde-inhibit --notifications
このコマンドを実行すれば、「Plasma」がDo Not Disturbモードに切り替わります。
3.ウィンドウとアクティビティー
アクティビティーは仮想デスクトップと似ていますが、目的が異なります。各アクティビティーでは、アクティビティーごとに特定の作業環境や作業目的に応じて、異なるデスクトップ設定を指定することができます。
アプリのウィンドウのタイトルバーを右クリックし、コンテキストメニューからウィンドウを配置するアクティビティーの設定を行えるようになりました。