Ubuntu 23.04の新機能と変更点
リリースノートから「Ubuntu 23.04」の新機能と変更点を紹介します。リリース情報
「Ubuntu 23.04」のリリース情報は、以下を参照してください。「Ubuntu 23.04」のリリースノートは、以下を参照してください。
- リリースノート:ReleaseNotes
- リリースノート(日本語):リリースノート
ここでは主に「Ubuntu Desktop」の内容を中心にピックアップします。
動画で見る新機能と変更点
動画版「Ubuntu 23.04」の新機能と変更点を作成しました。良かったら参考にして頂けたらと思います。
Ubuntu全般
「Ubuntu」全般に関する内容です。1. サポート期間
「Ubuntu 23.04」は通常リリースであり、サポート期間は9ヶ月間提供されます。「Ubuntu 23.04」の公式フレーバーも同様に、サポート期間は9ヶ月間になります。
いずれも2024年1月までサポートが提供されます。
2. systemd v252.5
initシステムのsystemdが「systemd v252.5」にアップデートされました。「systemd v252」の変更点は、以下を参照してください。
3. Ruby 3.1
スクリプト言語のRubyが「Ruby 3.1」にアップデートされました。「Ruby 3.1」の変更点は、以下を参照してください。
また以下のgemが標準ライブラリーに含まれなくなりました。
- net-ftp
- net-imap
- net-pop
- net-smtp
- matric
- prime
- debug
加えてPsych 4.0では、デフォルトでPsych.loadからsafe_loadへ変更されています。
4. Netplan
Netplanはネットワークを簡単に構成するための仕組みです。Netplanが「Netplan v0.106」にアップデートされました。
インターフェースのマッチング時の振る舞いに変更があり、一部のコンテナや仮想マシンに影響が出る可能性があります。
現在のネットワーク状況をシステムに問い合わせる「netplan status」サブコマンドが実装されました。
5. Samba
Sambaは、ファイルやフォルダーなどのリソースをネットワーク上で共有するためのソフトウェアです。Sambaが「Samba 4.17」にアップデートされました。
一部ファイル操作時のパフォーマンスが向上しています。
6. OpenJDK
OpenJDKはJavaランタイム及びJDKです。「Ubuntu 23.04」のデフォルトのOpenJDKが「OpenJDK 17」にアップデートされました。
7. .NET
「Ubuntu 23.04」の公式リポジトリーから「.NET 7(7.0.105)」を利用できるようになりました。また「.NET 6」が「.NET 6.0.116」にアップデートされました。
8. golang
golangはGo言語のコンパイラーです。golangが「golang 1.20」にアップデートされました。
9. Rust
rustcコンパイラーが「rustc 1.67」にアップデートされました。またcargoパッケージマネージャーが「cargo 0.68」にアップデートされました。
10. Python
Pythonが「Python 3.11」にアップデートされました。Linux kernel
Linux kernelは「Linux kernel 6.2」ベースのLinux kernelにメジャーバージョンアップしました。1. Linux kernelの変更点
前バージョンの「Ubuntu 22.10」では「Linux kernel 5.19」が採用されており、今回3回分のメジャーバージョンアップが行われていることになります。それぞれのメジャーバージョンの主要な変更点は、以下を参照してください。
2. Rustでカーネルモジュールのビルドが可能に
「Ubuntu 23.04」で提供されるLinux kernelの内、以下のフレーバー(Linux kernelの種類)で、Rustによるカーネルモジュールのビルドが可能になりました。- generic(多くのPCで利用されているカーネル)
- lowlatency(低遅延カーネル)
一般的なPCでは多くのPCでgenericが利用されています。
Rustによるカーネルモジュールのビルドに関するチュートリアルは、以下を参照してください。
3. ハードウェアのサポート改善
Linux kernelがメジャーバージョンアップしたことで、以下のサポートを含む様々なハードウェアのサポートが改善されています。- Intel Arc graphics DG2/Alchemist
- Sony DualShock 4ゲームパッド
4. その他の改善
他にも改善が盛り込まれています。- Call Depth Trackingによる古いIntel Skylake CPUで大幅なパフォーマンスの向上
- 新しいIntel TDXゲストドライバー
- zstd圧縮コードの更新
- BPFの改善
新インストーラー搭載
「Ubuntu Desktop 23.04」では新しいインストーラーが搭載されています。1. 新しい実装
新インストーラーはバックエンドにsubiquityを採用し、フロントエンドにFlutterを採用しています。また新インストーラーはSnapで提供されています。
2. 最小インストール時間の短縮
最小インストール選択時のインストール時間が短縮され、従来よりも早くインストールが完了するようになりました。3. セキュリティーアップデートの適用
インストール時に利用可能なセキュリティーアップデートをインストールできるようになりました。4. MOK Enrollmentにまだ対応していない
MOK Enrollmentにまだ対応していません。そのためサードパーティー製のドライバーをインストールする場合、Ubuntuのインストール完了後にMOK Enrollmentが必要になります。
5. 従来のインストーラーも提供
従来のインストーラーを搭載したLegacy desktop imageも提供されています。新インストーラーで何かしら問題が発生する場合は、従来のインストーラーを搭載したLegacy desktop imageを試してみてください。
GNOME 44
「Ubuntu Desktop 23.04」ではデスクトップ環境に「GNOME 44」を採用しています。1. 設定アプリの改善
設定アプリでは設定ページのUIデザインが見直され、ユーザーがよく利用する機能へアクセスのしやすくなりました。また一部の設定ではアニメーションによる説明が追加され、設定の意味が分かりやすくなっています。
2. ファイルアプリの改善
ファイルアプリでは、フォルダーのツリー表示が可能になりました。3. その他の新機能と変更点
その他「GNOME 44」の新機能と変更点は、以下を参考にしてください。Ubuntuフォントのデザイン変更
Ubuntuフォントファミリーの文字デザインが変更されました。詳細は以下を参照してください。
アプリのアップデート
主要なアプリがアップデートされました。1. Firefox
UbuntuではデフォルトのウェブブラウザーにFirefoxを採用しています。Firefoxが「Firefox 111」にアップデートされました。
Firefoxのリリースノートは、以下を参照してください。
2. LibreOffice
UbuntuではデフォルトのオフィススイートにLibreOfficeを採用しています。LibreOfficeが「LibreOffice 7.5.2」にアップデートされました。
またRISC-Vでも利用できるようになりました。
LibreOfficeのリリースノートは、以下を参照してください。
3. Thunderbird
Ubuntuではデフォルトの電子メールクライアント及びニュースリーダーにThunderbirdを採用しています。Thunderbirdが「Thunderbird 102.10」にアップデートされました。
Thunderbirdのリリースノートは、以下を参照してください。
サブシステムのアップデート
Ubuntu Desktopを支えるサブシステムがアップデートされました。1. BlueZ
BlueZは、Bluetoothデバイスを管理するためのソフトウェアです。BlueZが「BlueZ 5.66」にアップデートされました。
「BlueZ 5.66」の変更点は、以下を参照してください。
2. 新しいcups-filters
cups-filtersは、印刷で利用されるソフトウェアです。新しいcups-filtersが搭載されました。
3. NetworkManager
NetworkManagerは、ネットワークを管理するためのソフトウェアです。NetworkManagerが「NetworkManager 1.42」にアップデートされました。
「NetworkManager 1.42」の変更点は、以下を参照してください。
4. Pipewire
Pipewireは、マルチメディアフレームワークです。サウンドや映像の再生及びキャプチャーに活用されるソフトウェアです。
Pipewireが「Pipewire 0.3.65」にアップデートされました。
「Pipewire 0.3.65」の変更点は、以下を参照してください。
Pipewireが「Pipewire 0.3.65」にアップデートされました。
「Pipewire 0.3.65」の変更点は、以下を参照してください。
5. Poppler
Popplerは、PDFのレンダリングライブラリーです。Popplerが「Poppler 22.12」にアップデートされました。
xdg-desktop-portalにより、ホスト側のリソースを利用できるようになります。
xdg-desktop-portal が「xdg-desktop-portal 1.16」にアップデートされました。
「xdg-desktop-portal 1.16」の変更点は、以下を参照してください。
6. xdg-desktop-portal
xdg-desktop-portalは、Flatpakなどコンテナとホスト間をつなぐソフトウェアです。xdg-desktop-portalにより、ホスト側のリソースを利用できるようになります。
xdg-desktop-portal が「xdg-desktop-portal 1.16」にアップデートされました。
「xdg-desktop-portal 1.16」の変更点は、以下を参照してください。
7. Active Directoryのサポート改善
Active Directoryのサポートが改善され、以下の機能がサポートされました。- enterprise proxy
- app confinement
- network shares
将来的にこれらのサポート改善は、今年中に「Ubuntu 22.04 LTS」及び「Ubuntu 20.04 LTS」にも取り込まれます。
Raspberry Piのサポート改善
Raspberry Piのサポート改善です。1. カメラのサポート改善
libcameraが「libcamera 0.0.4」にアップデートされ、カメラのサポートが改善されました。これによりCamera Module 3を除き、Raspberry Piが公式にリリースしているすべてのCamera Moduleがサポートされました。
特に以下のカメラモジュールではすべての操作がサポートされ、カメラのサポートが強化されています。
- OV5647(Camera Module 1)
- IMX219(Camera Module 2)
- IMX477(High Quality Camera)
- IMX296(Global Shutter Camera)
以下のカメラモジュールのサポートは現在対応作業中です。
状況は以下を参照してください。
2. Firefoxの改善
FirefoxでRaspberry Pi GPUが活用できるようになり、ハードウェアアクセラレーションが機能するようになりました。詳細は以下を参考にしてください。
3. rootファイルシステムの暗号化サポート改善
Raspberry Pi向けUbuntu Desktopでは、初回起動時にrootファイルシステムをリサイズする時に、16MBの空き容量を残すようになりました。これにより従来よりも容易にrootファイルシステムを暗号化できるようになりました。
既知の問題
既知の問題です。1. SRIOV NVIDIA vGPUドライバーが動作しない
SRIOV NVIDIA vGPUドライバーが動作しません。この不具合の詳細は、以下を参照してください。
「Ubuntu 22.04 LTS」及び「Ubuntu 22.10」ではパッチが適用されており動作します。
この問題に対応するためCanonicalはNVIDIAと連携して問題の対処にあたっています。
今後この問題を解消したLinux kernelのアップデートが提供される予定です。
この不具合の詳細は、以下を参照してください。
スクリーンリーダーが必要な場合、「Ubuntu 22.04 LTS」を利用してください。
ここでどの言語を選択してもライブセッションでは、英語が選択されたものとして扱われます。
その後インストーラーを起動した際にも、言語選択画面で英語が選択されています。
この不具合の詳細は、以下を参照してください。
また英語以外の言語でインストールすることも可能ですが、その場合は言語パックのダウンロードにインターネット接続が必要になります。
問題が発生する場合、以前のインストーラーを利用してください。
ただしソフトウェアとアップデート(software-properties)の追加のドライバーから、本ドライバーをインストールすることが可能です。
この不具合の詳細は、以下を参照してください。
この不具合の詳細は、以下を参照してください。
この不具合の詳細は、以下を参照してください。
この現象が発生した場合は、Firefoxを一旦閉じて再度Firefoxを起動し直してください。
この不具合はUbuntu 23.04リリース後のアップデートですぐに対応される予定です。
b43ドライバーの代わりにbcmwlドライバーを利用してください。
この不具合の詳細と回避策は、以下を参照してください。
Raspberry Piに接続された一部のモニターでは、パワーオフの後パワーオンになってもブラックスクリーンが表示されます。
この現象が発生するモニターの種類は、現在調査中です。
この不具合の詳細は、以下を参照してください。
これにより「RPi.GPIO」など幅広く利用されている一部のGPIOライブラリーが動作しません。
「RPi.GPIO」との互換性を提供する「shim」が開発されており、そのshimは「python3-rpi-lgpio」で提供されています。
詳細は以下を参考にしてください。
サーバーなどフレームバッファコンソールを回転したい場合、Raspberry Piの起動パーティション内にある「cmdline.txt」ファイルを開き、カーネルコマンドラインに以下の設定を記述してください。
この問題の詳細は、以下を参照してください。
アプリがカーネルモジュールの不足により動作しない場合は、以下のように「linux-modules-extra-raspi」パッケージをインストールしてください。
arm64でCamera Moduleは「libcamera」でサポートされています。
ちなみにRaspberry Pi起動時の設定では、自動的に公式のカメラモジュールに対応したオーバーレイが読み込まれるようになっています。
非公式のカメラモジュールを読み込むには、Raspberry Piの起動パーティション内にある「config.txt」ファイルを開き、関連するオーバーレイ設定を記述する必要があります。
自動削除可能なパッケージを削除するには、以下のコマンドを実行してください。
しかし「Raspberry Pi 400」では、デフォルトのオーディオデバイスに無効なオーディオデバイスが選択されます。
また同様に「Raspberry Pi 4」でも、デフォルトのオーディオデバイスに好ましくないオーディオデバイスが選択されます。
必要に応じて利用したいオーディオデバイスに切り替えてください。
これによりWiFiの規制ドメインの選択を「/etc/default/crda」経由で行えなくなりました。
Raspberry Pi向けUbuntu Serverでは、netplanの「regulatory-domain」設定でWiFiの規制ドメインの設定を行ってください。
またRaspberry Pi向けUbuntu Desktopでは、Raspberry Piの起動パーティション内にある「cmdline.txt」ファイルを開き、カーネルコマンドラインに以下の設定を記述してください。
この設定の最後のGBは、カントリーコードになります。
希望するカントリーコードを指定してください。
Totemで動画ファイルを開くことができません。
不具合の詳細は以下を参照してください。
代わりにVLCを利用すると良いでしょう。
VLCは以下のコマンドでインストール可能です。
「Ubuntu 22.04 LTS」及び「Ubuntu 22.10」ではパッチが適用されており動作します。
この問題に対応するためCanonicalはNVIDIAと連携して問題の対処にあたっています。
今後この問題を解消したLinux kernelのアップデートが提供される予定です。
2. スクリーンリーダーが機能しない
GTK 4で構築されたアプリ上の多くのUIパーツで、スクリーンリーダーが正常に機能しません。この不具合の詳細は、以下を参照してください。
スクリーンリーダーが必要な場合、「Ubuntu 22.04 LTS」を利用してください。
3. ライブセッションが英語になる
新インストーラーを搭載したUbuntu Desktopでライブセッションを起動する際、最初に言語選択画面が表示されます。ここでどの言語を選択してもライブセッションでは、英語が選択されたものとして扱われます。
その後インストーラーを起動した際にも、言語選択画面で英語が選択されています。
この不具合の詳細は、以下を参照してください。
また英語以外の言語でインストールすることも可能ですが、その場合は言語パックのダウンロードにインターネット接続が必要になります。
問題が発生する場合、以前のインストーラーを利用してください。
4. Broadcom無線LANドライバーがインストールされない
一部のBroadcom無線LANデバイスで使用される「broadcom-sta」ドライバーが自動的にインストールされません。ただしソフトウェアとアップデート(software-properties)の追加のドライバーから、本ドライバーをインストールすることが可能です。
この不具合の詳細は、以下を参照してください。
5. ファイル選択画面の表示に時間がかかる
MATEなどGNOME以外のデスクトップ環境で「xdg-desktop-portal-gnome」がインストールされている場合、Snap版Firefoxなどアプリケーションコンテナで動作するアプリからファイル選択画面を開こうとすると、初回時ファイル選択画面が表示されるまでに長い時間がかかります。この不具合の詳細は、以下を参照してください。
6. ハイコントラストのアイコンが使用されない
ハイコントラストを有効にした時に、アプリケーションのアイコンに適切なハイコントラストテーマが使用されず、一部のアプリケーションアイコンがハイコントラストのアイコンで表示されません。この不具合の詳細は、以下を参照してください。
7. Firefoxが黒画面になる
Waylandセッションでログインした後、初めてFirefoxを起動したときに、Firefoxのウィンドウが黒画面になる可能性があります。この現象が発生した場合は、Firefoxを一旦閉じて再度Firefoxを起動し直してください。
この不具合はUbuntu 23.04リリース後のアップデートですぐに対応される予定です。
8. 一部のBroadcomデバイスが動作しない
一部のBroadcomデバイスでb43ドライバー(Broadcom b43 無線LANドライバー/カーネルモジュール)が使用されますが、PHYがサポートされておらずそのドライバーでは動作しません。b43ドライバーの代わりにbcmwlドライバーを利用してください。
この不具合の詳細と回避策は、以下を参照してください。
Workaround
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You'll first need to blacklist the b43 driver by adding a blacklist file to /etc/modprobe.d/b43.conf with the contents "blacklist b43". Then run "update-initramfs -u". Then install the bcmwl-kernel-source package. After a reboot your wireless device should be available.
Raspberry Piの既知の問題
上記の既知の問題に加え、Raspberry Pi固有の既知の問題です。1. モニターがパワーオフから復帰しない
モニターは一定時間操作がない時に自動的にパワーオフになります。Raspberry Piに接続された一部のモニターでは、パワーオフの後パワーオンになってもブラックスクリーンが表示されます。
この現象が発生するモニターの種類は、現在調査中です。
この不具合の詳細は、以下を参照してください。
2. 一部のGPIOライブラリーが動作しない
引き続き「GPIO Sysfs Interface」は無効になっています。これにより「RPi.GPIO」など幅広く利用されている一部のGPIOライブラリーが動作しません。
「RPi.GPIO」との互換性を提供する「shim」が開発されており、そのshimは「python3-rpi-lgpio」で提供されています。
詳細は以下を参考にしてください。
3. 公式のDSIディスプレイでタッチスクリーンや画面の回転が動作しない
公式のDSIディスプレイでタッチスクリーンや画面の回転などを動作させるには、「linux-modules-extra-raspi」パッケージのインストールが必要です。サーバーなどフレームバッファコンソールを回転したい場合、Raspberry Piの起動パーティション内にある「cmdline.txt」ファイルを開き、カーネルコマンドラインに以下の設定を記述してください。
- fbcon=rotate:2
この問題の詳細は、以下を参照してください。
4. カーネルモジュールの不足
initramfsのサイズを削減するため、今まで「linux-modules-raspi」パッケージに含まれていたカーネルモジュールのいくつかが「linux-modules-extra-raspi」パッケージに移されました。アプリがカーネルモジュールの不足により動作しない場合は、以下のように「linux-modules-extra-raspi」パッケージをインストールしてください。
sudo apt install linux-modules-extra-raspi
5. MMALベースのカメラスタックはサポートされない
arm64でMMALベースの古いカメラスタックはサポートされません。arm64でCamera Moduleは「libcamera」でサポートされています。
ちなみにRaspberry Pi起動時の設定では、自動的に公式のカメラモジュールに対応したオーバーレイが読み込まれるようになっています。
非公式のカメラモジュールを読み込むには、Raspberry Piの起動パーティション内にある「config.txt」ファイルを開き、関連するオーバーレイ設定を記述する必要があります。
6. 自動削除可能なパッケージが残る
Raspberry Pi向けUbuntu Desktopでは、初期ユーザーセットアップを行った後、いくつかのパッケージは引き続き自動削除可能です。自動削除可能なパッケージを削除するには、以下のコマンドを実行してください。
sudo apt autoremove --purge
7. 好ましくないオーディオデバイスの選択
Raspberry Pi向けUbuntu Desktopでは、デバイスを再起動してもユーザーが選択したオーディオデバイスをPipeWireがそのまま維持し続けます。しかし「Raspberry Pi 400」では、デフォルトのオーディオデバイスに無効なオーディオデバイスが選択されます。
また同様に「Raspberry Pi 4」でも、デフォルトのオーディオデバイスに好ましくないオーディオデバイスが選択されます。
必要に応じて利用したいオーディオデバイスに切り替えてください。
8. crdaパッケージの削除
Ubuntu 22.04 LTSで「crda」パッケージが削除されました。これによりWiFiの規制ドメインの選択を「/etc/default/crda」経由で行えなくなりました。
Raspberry Pi向けUbuntu Serverでは、netplanの「regulatory-domain」設定でWiFiの規制ドメインの設定を行ってください。
またRaspberry Pi向けUbuntu Desktopでは、Raspberry Piの起動パーティション内にある「cmdline.txt」ファイルを開き、カーネルコマンドラインに以下の設定を記述してください。
- cfg80211.ieee80211_regdom=GB
この設定の最後のGBは、カントリーコードになります。
希望するカントリーコードを指定してください。
9. Totemが動作しない
Totemはデフォルトでインストールされているメディアプレーヤーです。Totemで動画ファイルを開くことができません。
不具合の詳細は以下を参照してください。
代わりにVLCを利用すると良いでしょう。
VLCは以下のコマンドでインストール可能です。
sudo apt install vlc