Ubuntu Desktopの開発状況
2023年6月3日、以下で「Ubuntu Desktop」の開発状況が紹介されています。いくつかピックアップします。
1. dbus-daemonからdbus-brokerへの移行
現在利用されている「dbus-daemon」を「dbus-broker」に置き換える方針が検討されています。D-Busはアプリ間で通信する時に利用されている仕組みであり、これらのソフトウェアはアプリ(プロセス)間のやり取りを管理・仲介するデーモンです。
「Ubuntu Desktop」にとってD-Busはコアとなる仕組みの1つです。
「dbus-broker」はパフォーマンスと信頼性に優れたD-Busデーモンであり、「dbus-broker」への置き換えが予定されています。
2. polkitのアップグレード
「polkit」のアップグレードが予定されています。「Ubuntu 23.04」で提供している「polkit 0.105-33」は古のバージョンであり、最新版の「polkit」へのアップグレードが予定されています。
3. libcameraへの移行
「libcamera」への移行が予定されています。「libcamera」はカメラデバイスをサポートするためのソフトウェアです。
4. Flutterベースの新しいUbuntu Software
以前から話題に挙がっているFlutterベースの新しい「Ubuntu Software」の開発が行われています。Canonicalのデザイナーからフィードバックを受け、検索機能及びその使い勝手の改善作業が進められています。
5. Ubuntu Desktop Installerの改善
「Ubuntu 23.04」から搭載されたFlutterベースの新しい「Ubuntu Desktop Installer」の改善作業が行われています。これにより初回起動時にユーザーを作成したい場合、インストーラーの機能を活用することでUXの一貫性が向上します。
6. ユーザーからフィードバックを募集する仕組み
ユーザーからUX(User eXperience/端的に言えば使い勝手)に関するフィードバックを募集する好ましい仕組みがありません。そこでGitHubのIssueの機能を利用したフィードバックの場が作成されました。
「Ubuntu Desktop」を改善するにあたりユーザーからのフィードバックは重要であり、この場を通じてUXに関するフィードバックを行えるようになりました。
ポイントは「Ubuntu Desktop」とUXのフィードバックに焦点をあてているということですね。
またフィードバックしたいユーザーをこの場に案内できるように、デスクトップランチャーを用意する計画もあります。
7. Snapアプリの自動公開
GitHubのアクションを通じてSnapアプリをSnap Storeにデプロイする仕組みが開発されています。GNOME Calculatorによるアクションの例は、以下を参考にしてください。
8. Snap版SteamでMangoHUDが動作
Snap版SteamでMangoHUDが動作したとのことです。MangoHUDはCPU/GPUの使用率や温度、FPSをオーバーレイ表示するソフトウェアです。
まだサポートは初期段階であり、OpenGLに対応したネイティブなゲームで一番動作が良好であるとのことです。
MangoHUDの使い方は以下を参照してください。
9. GNOME Shell 44.1のアップデートリリース
「Ubuntu 23.04」向けに「GNOME Shell 44.1」のアップデートリリースの準備が行われています。特に問題がなければ数日中に「GNOME Shell 44.1」がリリースされるでしょう。
ユーザーはいつも通りに「ソフトウェアの更新」からソフトウェアをアップデートしていればアップデートされます。