ERD向けNVIDIA GPUドライバーのリリース
2023年7月7日、UbuntuはカーネルモジュールがオープンソースのERD向けNVIDIA GPUドライバーをリリースしました。NVIDIA GPUドライバー
ここで紹介しているNVIDIA GPUドライバーは、NVIDIAがリリースしているドライバーのことです。NVIDIA GPUドライバーにはこれと別に、オープンソース版の「Nouveau」NVIDIA GPUドライバーがありますが、本件とは無関係なためここでは除外します。
さてNVIDIA GPUドライバーにはライセンス面から見ると、以下の2種類のドライバーがあります。
- プロプライエタリードライバー
- カーネルモジュールがオープンソースのドライバー
さらにこれに加え、用途に応じて以下の2種類のドライバーがあります。
- Unified Driver Architecture(UDA)
- Enterprise Ready Drivers(ERD)
UDAは一般利用向けのドライバーであり、デスクトップユーザー向けのドライバーです。
ERDはサーバーやGPUコンピューティング向けのドライバーであり、一般ユーザー向けのドライバーではありません。
元々Ubuntuではプロプライエタリードライバーを利用できるようになっていました。
その後NVIDIAがカーネルモジュールをオープンソースにしたことで、Ubuntuはこれに対応したオープンソースのUDAドライバーを2022年後半から提供しています。
そして今回UbuntuでカーネルモジュールがオープンソースのERDドライバーがリリースされ、そのドライバーを簡単にインストールできるようになりました。
Ubuntu経由で簡単にインストール可能
いずれのドライバーもそのドライバーに対応したNVIDIA GPUを搭載していれば、「ソフトウェアとアップデート」の「追加のドライバー」からインストールできるようになっています。ここからインストールするドライバーは、NVIDIAがリリースしたドライバーをCanonicalがUbuntu向けにパッケージングし、Ubuntu(Canonical)で検証した後、ユーザーに提供しているドライバーです。
NVIDIA GPUドライバーをインストールするなら、まずここからインストールすることをオススメします。
ドライバーパッケージ
ドライバーはUbuntuの公式リポジトリーから提供され、ERDドライバーのパッケージには「-server」の文字列が含まれます。UDAドライバーパッケージ
現在Ubuntu(Canonical)によってサポートされているUDAドライバーパッケージは、以下のとおりです。- nvidia-graphics-drivers-390
- nvidia-graphics-drivers-470
- nvidia-graphics-drivers-525
- nvidia-graphics-drivers-535
末尾の数値はNVIDIA GPUドライバーのバージョンです。
カーネルモジュールがオープンソースのUDAドライバーは、バージョン515以降で提供されています。
ERDドライバーパッケージ
現在Ubuntu(Canonical)によってサポートされているERDドライバーパッケージは、以下のとおりです。- nvidia-graphics-drivers-450-server
- nvidia-graphics-drivers-470-server
- nvidia-graphics-drivers-525-server
- nvidia-graphics-drivers-535-server
末尾の数値はNVIDIA GPUドライバーのバージョンです。
カーネルモジュールがオープンソースのERDドライバーは、バージョン535以降で提供されています。