フォント構成の見直し提案
2023年7月11日、「Ubuntu Desktop」でプリインストールするフォント構成の見直しが以下で提案されています。ここでの提案はUbuntuフォントの置き換えとは無関係あり、日本語のような「fontconfig」で選択されるフォントが対象です。
変更提案
以下の案が提案されています。1. fonts-noto-coreをデフォルトでインストールする
「fonts-noto-core」は、ラテン文字と多数の非ラテン文字に対応したフォントを提供します。また「sans-serif」と「serif」の書体を提供します。
この「fonts-noto-core」をデフォルトでインストールします。
「sans-serif」は日本語で言うところのゴシック体に相当する書体です。
「serif」は日本語で言うところの明朝体に相当する書体です。
「serif」は飾りを意味する言葉であり、「sans」は”ない”を意味する言葉です。
2. fonts-noto-cjkもデフォルトでインストールする
中国語、日本語、韓国語をサポートするため、それぞれの言語に対応したフォントを提供する「fonts-noto-cjk」をデフォルトでインストールします。
「fonts-noto-core」でカバーされている言語が対象です。
現在プリインストールされている非ラテン文字言語向けのフォントよりも、「fonts-noto-core」から提供されるフォントの方が文字品質が好ましいとのことです。
3. 非ラテン文字言語向けのフォントをいくつか削除する
非ラテン文字言語(スクリプト/用字)向けのフォントをいくつかプリインストールから外します。「fonts-noto-core」でカバーされている言語が対象です。
現在プリインストールされている非ラテン文字言語向けのフォントよりも、「fonts-noto-core」から提供されるフォントの方が文字品質が好ましいとのことです。
4. DejaVu Sans Monoもデフォルトでインストールする
「DejaVu Sans Mono」は多くの言語でデフォルトで利用されている固定幅のフォントです。「DejaVu Sans Mono」の文字品質は好評であり、このフォントも引き続きデフォルトでインストールします。Notoフォントをベースに
現在「DejaVu」フォントは多くの言語に対応した文字を提供しており、多くの言語でデフォルトのフォントになっています。そのため特定の言語で別のフォントをデフォルトに切り替えるには「fontconfig」の設定を変更することになりますが、これは面倒な作業です。
また多くの言語で「sans-serif」と「serif」のデフォルトフォントをNotoに変更することで、以下の2点の改善に期待できます。
例えば一般的な日本語ユーザーからすれば、英語と日本語に対応したフォントが含まれていれば十分であり、他言語のフォントを利用しないケースも多いでしょう。
「LibreOffice Writer」のようにフォント選択機能を持つアプリの多くは、インストールされているフォントをすべて列挙するため、フォント一覧画面を開くのに時間がかかったり、ユーザーが利用しないフォントも表示されフォントの選択作業が煩雑になるなど、UXの低下に繋がります。
「ubuntu-desktop」パッケージが「fonts-noto-core」に依存しなければ、例えば以下のコマンドを実行しプリインストールされているフォントを減らすことができます。
この場合多くの言語でDejaVuフォントがデフォルトのフォントに切り替わります。
また多くの言語で「sans-serif」と「serif」のデフォルトフォントをNotoに変更することで、以下の2点の改善に期待できます。
1. 文字品質の改善
非ラテン文字言語で文字品質が改善し、ラテン文字に関してもNotoフォントはDejaVuフォント並に品質が良いです。2. デフォルトフォントの変更が楽
いくつかの言語でデフォルトのフォントをNotoフォント以外にしたい場合、特定のロケールに限らず簡単にフォントを変更できるようになります。フォント多すぎ問題にも役立つか
ユーザーからUbuntuにプリインストールされるフォントが多すぎる問題が報告されています。例えば一般的な日本語ユーザーからすれば、英語と日本語に対応したフォントが含まれていれば十分であり、他言語のフォントを利用しないケースも多いでしょう。
「LibreOffice Writer」のようにフォント選択機能を持つアプリの多くは、インストールされているフォントをすべて列挙するため、フォント一覧画面を開くのに時間がかかったり、ユーザーが利用しないフォントも表示されフォントの選択作業が煩雑になるなど、UXの低下に繋がります。
フォントの数を簡単に減らせるようになる
今回の提案がこの問題の直接的な改善になるわけではありませんが、この提案によりユーザーは不要なフォントパッケージの削除が簡単になります。「ubuntu-desktop」パッケージが「fonts-noto-core」に依存しなければ、例えば以下のコマンドを実行しプリインストールされているフォントを減らすことができます。
sudo apt purge fonts-noto-core
この場合多くの言語でDejaVuフォントがデフォルトのフォントに切り替わります。