標準サポートの終了に備えよう
Ubuntu 20.04 LTS の標準サポートの終了が迫りつつあります。標準サポートは5年間
Ubuntu 20.04 LTS は2020年4月にリリースされた LTS リリースの Ubuntu です。LTS リリースの Ubuntu には5年間の標準サポート(無償サポート)がついてきます。
そして2025年の5月31日に標準サポートが終了します。
2種類の選択肢
標準サポートの終了に備える場合、以下の2種類の選択肢があります。- Ubuntu の新しいバージョンに移行する
- 商用サポートサービスの Ubuntu Pro を契約し、Ubuntu 20.04 LTS を使い続ける
1. Ubuntu の新しいバージョンに移行する
多くのユーザーが取るであろう選択肢ですね。現在サポート中の LTS リリースの Ubuntu へアップグレードもしくはクリーンインストールする方法です。
現在サポート中の Ubuntu LTS
Ubuntu LTS は 2年一度偶数年にリリースされるので、現在以下の Ubuntu LTS がリリースされています。- Ubuntu 22.04 LTS
- Ubuntu 24.04 LTS
アップグレードも可能
Ubuntu 20.04 LTS から Ubuntu 22.04 LTS へ直接アップグレードすることが可能です。Ubuntu 24.04 LTS へ移行したい場合は、一旦 Ubuntu 22.04 LTS へアップグレードした後に、さらにUbuntu 24.04 LTS へアップグレードするか、もしくは Ubuntu 24.04 LTS をクリーンインストールすることになります。
2. Ubuntu Pro を契約する
もう一つの方法は、Canonical が提供する商用サポートサービスの Ubuntu Pro を契約し、Ubuntu 20.04 LTS を使い続ける方法です。この方法はどちらかというと企業向けですが、個人でも利用可能です。
また個人や小規模事業者向けに最大5台のマシンまで利用可能な無料枠があります。
無料枠の範囲で利用可能なサポートサービスは、Ubuntu Pro の内容を確認してください。
ESM
Ubuntu Pro は復数のサポートサービスを展開しており、その中にサポート期間を延長する ESM(Expanded Security Maintenance)があります。サポート期間の拡大と延長
ESM を契約すれば、Ubuntu LTS がリリースされてから10年間のサポート期間を得られるサービスと、さらにそこから2年間のサポート期間を延長するサービスを受けられます。10年間のサポート期間であれば、Ubuntu 20.04 LTS は 2030年5月までサポートを受けられます。
同様にさらにサポート期間を2年間延長すれば、Ubuntu 20.04 LTS は 2032年5月までサポートを受けられます。
サポート範囲も拡大可能
Canonical の観点から見ると、標準サポートでサポートされるソフトウェアは main リポジトリーに配置されているソフトウェアが対象になります。ESM は単純にサポート期間を延長するサービスではなく、標準サポートではサポートされないソフトウェアもサポート対象にできます。
ESM では以下の2種類のサービスを展開しています。
- Esm-infra
- Esm-apps
Esm-infra
Esm-infra は main リポジトリーに配置されているソフトウェアが対象になります。main リポジトリーには約 2,300 のパッケージが配置されており、多くのマシンでインストールされ、デスクトップやクラウドなど様々なプラットフォームで幅広く利用されるソフトウェアが配置されています。
Esm-apps
Esm-apps は main リポジトリーに配置されているソフトウェアに加え、universe リポジトリーに配置されているソフトウェアも対象になります。そのパッケージ数は 253,000 以上になります。
universe リポジトリーに配置されているソフトウェアでは、High / Critical の評価を受けた脆弱性に対応したセキュリティーアップデートが提供されます。
適切な選択と計画を
Ubuntu をアップグレードするにせよ Ubuntu Pro を契約するにせよ、 Ubuntu 20.04 LTS の標準サポートの終了まで半年を切る中で、適切な選択と計画を早めに立てて実施してくことが大切です。少なくともサポートが切れた Ubuntu を継続的に利用する行為は避けましょう。