Ubuntu 24.04 LTSへアップグレードするには
現在 Ubuntu 22.04 LTS を利用しているユーザーは、Ubuntu 24.04 LTS へアップグレードできます。1.ソフトウェアとアップデートの起動
デスクトップ画面左上のアクティビティをクリックし、以下のようにソフトウェアとアップデートを検索します。ソフトウェアとアップデートをクリックし、ソフトウェアとアップデートを起動します。
2.アップグレード設定の確認
アップデートのタブをクリックします。以下のようにUbuntuの新バージョンの通知が長期サポート(LTS)版になっているか確認してください。
閉じるボタンをクリックします。
3.ソフトウェアの更新の起動
デスクトップ画面左上のアクティビティをクリックし、以下のようにソフトウェアの更新を検索します。ソフトウェアの更新をクリックし、ソフトウェアの更新を起動します。
4.アップデートの確認と適用
パッケージのアップデート確認が行われるので、もし以下のようにパッケージのアップデートがある場合は、すべてのパッケージをアップデートしてください。またPCの再起動を促された場合は、PCを再起動してください。
パッケージのアップデートがなければ、そのまま次の手順へ進んでください。
5.アップグレード通知
もう一度ソフトウェアの更新を起動すると、以下のようにアップグレードの通知が表示されます。アップグレードボタンをクリックします。
6.リリースノート
以下のようにリリースノートが表示されます。アップグレードボタンをクリックし、表示される手順に従いアップグレードを行ってください。
アップグレードボタンをクリックしても何も反応がない時は
アップグレードボタンをクリックした後しばらく待っても何も反応がない時は、以下のコマンドを実行してすべてのパッケージがアップデートされているか確認してください。
sudo apt full-upgrade
アップデートされていないパッケージがある場合は、そのままアップデートを続行してください。
パッケージのアップデートが完了したら、再度「5.」の手順を実行してください。
アップグレードにかかる時間について
アップグレードは時間のかかる処理です。アップグレードにかかる時間に大きな影響を与えうる要素を紹介します。
1.インストールされているパッケージの数
アップグレードではすべてのインストール済みパッケージがアップグレード処理の対象になります。つまりインストールされているパッケージの数が少ないほど、アップグレードにかかる時間を節約できます。
Ubuntu 公式リポジトリーから提供されているパッケージのうち、普段利用しなくなったパッケージ(ソフトウェア)は、アップグレード前にアンインストールしておくと良いでしょう。
2.インターネットの接続速度
アップグレードでは数々のパッケージがダウンロードされます。高速なインターネット回線を利用していれば、その分アップグレードにかかる時間を節約できます。
3.ストレージのパフォーマンス
アップグレードではダウンロードしたパッケージをシステムにインストールします。数々のパッケージがインストール(システムに展開)されていくため、SSDなど高速なストレージを利用していれば、その分アップグレードにかかる時間を節約できます。
アップグレードの注意事項について
アップグレードの事前準備と注意事項です。1.変更点や既知の問題
リリース情報や変更点、既知の問題については、以下を参考にしてください。- Ubuntu 24.04 LTSがリリースされました・ディスクイメージのダウンロード
- リポジトリーのスナップショットサービス登場・任意の時点のパッケージを利用可能に
- Ubuntu 24.04 LTSで導入された新しいセキュリティー機能とセキュリティーの強化
- Ubuntu 24.04 LTSの注目機能
- Ubuntu Desktop 24.04 LTSの注目機能
- Ubuntu 24.04 LTS の新機能と変更点・既知の問題
- Genericカーネルに低遅延カーネルの機能を統合・パフォーマンスの設定
- 低遅延よりもさらに高度なリアルタイム性を提供するリアルタイムカーネル登場
- Ubuntu のセキュリティー情報を OSV 形式で利用可能に
- Netplan 1.0登場・ネットワーク構成を定義及び設定を反映する仕組み
- 最大12年間の商用サポートサービスの提供へ
2.アップグレードする前に
アップグレードする前に自分の環境に Ubuntu 24.04 LTS が適合するか、アップグレードの必要性があるのか確認してからアップグレードしましょう。またリリースノートには必ず目を通しておきましょう。
一度アップグレードしてしまうと、以前のバージョンにダウングレードすることはできません。
現在利用している Ubuntu が安定して動作しているのであれば、急いでアップグレードする必要はありません。
アプリのサポート確認を
普段利用しているアプリが Ubuntu 24.04 LTS でもサポートされているか、事前に確認にしておきましょう。急いでアップグレードする必要はない
Ubuntu 22.04 LTS も LTS リリースであり、5年間の長期サポートが提供され、2027年4月まで利用できます。同様に LTS リリースされているフレーバーでは3年間の長期サポートが提供され、2025年4月まで利用できます。
加えて2024年9月13日に、Ubuntu 22.04.5 LTS がリリースされる予定です。
Ubuntu 22.04.5 LTS では Ubuntu 24.04 LTS の GA カーネルである Linux kernel 6.8 が採用される予定です。
そのため急いでアップグレードする必要はありません。
3.公式以外のリポジトリーは無効化される
PPA など Ubuntu 公式以外のリポジトリーは、アップグレード時に自動的に無効化されます。これはアップグレードの失敗を可能な限り避けるためです。
アップグレード後、無効化されたリポジトリーは自動的に有効化されません。
必要に応じてアップグレード後に自分で無効化されたリポジトリーを有効化する必要があります。
また事前に自分で追加したリポジトリーがアップグレード後の Ubuntu に対応しているか確認しておくと良いでしょう。
4.システムに関わるパッケージはパージしておく
PPA 等で提供されるXスタックやドライバーなど、本来 Ubuntu が提供しているコアコンポーネントと異なるバージョンのコアコンポーネントがインストールされている場合、アップグレードに失敗する可能性があります。事前にそれらをアンインストールするなり、元のバージョンに戻す(PPAをパージする)なりしてから、アップグレードを行ってください。
また Ubuntu に MATE など異なるデスクトップ環境を複数インストールしている場合も、アップグレードに失敗する可能性があります。
事前にアンインストールしておくと良いでしょう。
5.バックアップの作成
必ずバックアップを作成しください。もしアップグレードに失敗すると Ubuntu が起動できなくなります。
Clonezilla などでストレージやOSを丸ごとバックアップしておくと復旧が楽です。
最低でも自分が作成したデータ類はバックアップしておきましょう。
例えば /home フォルダーや /etc フォルダーのバックアップを取っておくと良いでしょう。
6.他のアプリは全て終了する
アップグレードに失敗しないためにも、事前に他のアプリはすべて終了しておいてください。7.システムのカスタマイズは元に戻す
念の為ですが Ubuntu の設定では変更できない設定を変更している場合、元に戻しておくのも良いです。ユーザーレベルのカスタマイズは、新規にユーザーアカウントを作成しそのユーザーでログインすれば全てデフォルトに戻ります。
自動起動するアプリ等もデフォルトに戻るため、カスタマイズし過ぎて戻し方が分からなくなった場合は新規にユーザーアカウントを作成し、そちらでログイン後アップグレードを実行する方法もあります。
8.ディスクの空き容量
新しいパッケージをダウンロードするため、ディスクの空き容量を確保しておく必要があります。空き容量については現在のパッケージインストール状況にもよりますが、10GB 以上あればアップグレードに失敗することはないと思います。
9.不要なアプリはアンインストールする
インストール済みだがほとんど利用しないアプリは、事前にアンインストールしておくと良いです。不要なアプリのアンインストールは、アップグレード時間の削減にも繋がります。
Ubuntu のアップグレードは、利用するアプリを精査する良い機会でもあります。
10.ライブメディアを作成しておく
万が一に備え Ubuntu のライブメディアを作成しておきましょう。アップグレード後にトラブルが発生した時や、アップグレードに失敗して Ubuntu が起動しない時は、ライブメディアから Ubuntu を起動し、トラブルシューティングに役立てることができます。
ライブUSBメモリーを作る場合
ライブUSBメモリーを作る場合、以下を参照してください。ライブDVDを作る場合
ライブDVDを作る場合、以下を参照してください。11.時間と心に余裕を
全てのパッケージがアップデートされるため、アップグレードには時間がかかります。またアップグレード時に、パッケージの設定を行う画面が表示されることがあります。
日常的に利用するPCは、余裕がある日にアップグレードしたほうが良いです。
端末からアップグレードするには
「端末」から以下のコマンドを実行し、「Ubuntu」をアップグレードすることもできます。
do-release-upgrade