システムログ
「/var/log」フォルダー以下には、デーモンやLinux Kernelなど様々なソフトウェアのログが作成されます。これらのログには、PCの状態を把握するのに必要な情報が出力されます。
(ちなみに「/var」フォルダーそのものについては、以前紹介しています。)
「/var/log」フォルダーをNautilusで表示すると、サブフォルダー及び多くのログファイルが見つかります。
多くのログファイルは、その他のアクセス権が読み取り可に設定されており、rootユーザーでなくてもログファイルを開くことができます。
また多くのログファイルはテキスト形式なので、テキストエディターで開くことができます。
ログの生成・出力先について
ソフトウェアが自分のログをどこに作成・出力するかは、それぞれのソフトウェア(rsyslog含む)が決めています。大別すると以下の2種類にわかれます。
「/var/log」フォルダー直下にログを生成
Linux KernelやXサーバーなど重要なソフトウェアのログは、このフォルダー直下に置かれることが多いです。サブフォルダーにログを生成
CUPS(印刷関係)やapt(パッケージ管理システム)、lightdm(ログイン画面)などは、「/var/log」フォルダー内にサブフォルダーを生成し、そのサブフォルダー内にログを生成します。以下はCUPSのログフォルダー「/var/log/cups」です。
過去ログについて
ログを生成する多くのソフトウェアは、ある一定のタイミング(日付や起動など)で、既存のログを過去ログとして保存し、新たにログを生成します。また多くの過去ログは圧縮されて保存されます。
過去ログは複数保存され、ファイル名に数値が付けられます。
数値が大きいほど古いログです。
ここでは例として「dpkg」のログを見てみます。
1.現在のログ
現在「dpkg」がログを出力しているログファイルです。2.一つ前の過去ログ
一つ前の過去ログです。圧縮されていません。
3.さらに前の過去ログ
さらに前の古い過去ログです。圧縮されています。
試しに「dpkg.log.2.gz」を「アーカイブマネージャー」で開くと、以下のように過去ログが表示されます。
過去ログを展開しテキストエディターで開くと、過去ログの中身が表示されます。
過去ログの削除について
過去ログはソフトウェアから参照されていないので、不要であれば削除しても問題ありません。しかしログは問題調査時に役に立つため、それほど容量も消費していないならば、そのまま残しておいたほうが良いでしょう。
過去ログを削除する場合は、Nautilusをrootユーザーで起動して削除する必要があります。
カーネルログ
「/var/log」フォルダー以下に作成される代表的なログを紹介します。Linux Kernelのログです。
起動に失敗するときやハードウェアを認識しないときに参照するとよいでしょう。
また、問題を調査するときはカーネルリングバッファーログもあわせて参照したほうが良いです。
カーネルログは「/var/log/kern.log」です。
ログの中身
ログを開くと、時間及びLinux Kernelやハードウェアの検出情報が出力されています。情報を検索する際に、ハードウェアやドライバーのキーワードを利用するとよいでしょう。
例えばデバイスファイルの識別子や、チップ名、規格名等です。
HDD
HDD関連のキーワードです。以下のキーワードは一例です。
- ide
- scsi
- sata
- ata
- ahci
- sd(デバイスファイルの識別子)
- ssd
CD/DVDドライブ
CD/DVDドライブ関連のキーワードです。以下のキーワードは一例です。
- CD-ROM
- sr(デバイスファイルの識別子)
- scsi
USB
USB関連のキーワードです。以下のキーワードは一例です。
- usb
- hub(USBハブ)
- ehci(USB2.0ホストコントローラー)
- xhci(USB3.0ホストコントローラー)
- ohci(USB1.1ホストコントローラー:非インテル系)
- uhci(USB1.1ホストコントローラー:インテル系)
ネットワーク
ネットワーク関連のキーワードです。以下のキーワードは一例です。
- eth(有線LAN)
- wlan(無線LAN)
- cfg80211(無線LAN)
- IPv6
Bluetooth
Bluetooth関連のキーワードです。以下のキーワードは一例です。
- Bluetooth
Radeonプロプライエタリードライバー
Radeonプロプライエタリードライバー関連のキーワードです。以下のキーワードは一例です。
- fglrx
- AMD
- Radeon
カーネルリングバッファーログ
カーネルリングバッファーのログです。ハードウェアやドライバー周りの調査をするときに参照するとよいでしょう。
ハードウェアの検出やドライバーの読み込み等の情報が出力されます。
カーネルリングバッファーログは「/var/log/dmesg」です。
ログの中身
ログを開くと、主にハードウェアやドライバーの情報が出力されています。カーネルログと情報が重複している部分もあります。
「カーネルログ」と同様に情報を検索する時は、ハードウェアやドライバーのキーワードを利用するとよいでしょう。
例は上記「カーネルログ」を参考にしてください。
dmesgコマンド
カーネルリングバッファーはdmesgコマンドで表示することができます。ログは今までの履歴を参照するときに利用し、現在のカーネルリングバッファー内の情報を表示したい時は、こちらのコマンドでログを表示すると良いでしょう。