Kdenliveの品質改善に向けた取り組み
「Kdenlive(KDE Non-Linear Video Editor)」は動画編集ソフトです。「Kdenlive」はクロスプラットフォームで開発及びリリースされており、WindowsやmacOS、Linuxで利用できます。
言い換えればKDE環境専用のアプリではありません。
「Kdenlive」は著名な動画編集ソフトであり、Linuxは元より他OSでも「Kdenlive」を利用して動画を制作しているユーザーも多いのではないでしょうか。
品質に問題があったKdenlive 23.04
さて現在最新版の「Kdenlive 23.04」は2023年4月にリリースされました。「Kdenlive 23.04」ではタイムラインのネストなど従来にない新機能が搭載され、「Kdenlive」自体に大きな変更が加わりました。
しかし「Kdenlive 23.04」では多くのユーザーのワークフローを破壊する致命的な不具合が見つかりました。
すでにこの問題は修正され「Kdenlive 23.04」のアップデートがリリースされています。
品質を改善するために
ポイントは「Kdenlive」をリリースする前に、上記のような致命的な不具合を発見及び検出することです。多くのユーザーは安定した「Kdenlive」のリリースを期待しており、そして開発チームはそのことを十分に理解しています。
それだけに今回の件は不幸な出来事だったとも言えるでしょう。
Kdenlive 23.08は品質確保に取り組む
今回の件を受け「Kdenlive 23.08」では品質確保に焦点をあてた取り組みが行われます。「Kdenlive 23.04」でのミスを繰り返さないために、「Kdenlive 23.08」では不具合報告とリグレッションテストに注力する計画です。
既存のテストスイートの改善や、テストで使用するサンプルプロジェクトを配置するリポジトリーの作成、そのプロジェクトを開いてレンダリングを実行し、レンダリング結果を正解と比較するスクリプトの作成及びそれらを配置するリポジトリーの作成が予定されています。
これにより「Kdenlive 23.04」で行われたタイムラインのネスト機能のような大規模な修正でも、不具合を事前に検出しやすくなり、今後リリースされるメジャーバージョンの安定性が大幅に改善できるでしょう。