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Linux その421 - GNOME Shell のデザイン構想と長期的な見通し

GNOME Shell のデザイン構想と長期的な見通し

GNOME Shell のデザイン構想と長期的な見通しが、以下で紹介されています。


  • GNOME Shell Design Dreams

デザイン改良作業

GNOME Shell では長期に渡りデザインの改良作業を継続的に実施しており、その構想には比較的具体的な計画になっているものや、調査や PoC が必要なもの、そして漠然としたものなど、様々なアイデアが含まれています。

視覚効果と視覚支援

視覚効果と視覚支援においてよく利用される手法の一つは、アニメーションです。
例えばデスクトップ要素を滑らかにアニメーションさせたり、デスクトップ要素にぼかし効果を適度に加えることで、そのデスクトップはユーザーから見てモダンでデザイン性に優れたデスクトップに見えるでしょう。

その一方でアニメーションは、見た目の美しさだけに使用される手法ではありません。
ユーザーのアクションに対しデスクトップ上で何が起こったのか、あるいは何が起きているのか、次にユーザーが取るアクションへの案内や誘導など、アニメーションが効果的に活用されています。
この活用手法は操作性の改善や分かりやすさに繋がります。

GNOME 40 で流体空間モデルの導入

GNOME 40 にて、一貫性のある流体空間モデルが導入されました。
これはデザインの改良作業における大きな成果の一つです。

GNOME Shell を操作すると、インターフェースの要素は常にどこかから現れ、そして別のどこかへと消えていきます。
それはユーザーに時間経過の中でアクションの意味を表現し、そして予測可能な形を提供します。

とは言えデザインの改良作業はまだ道半ばです。
というわけでアニメーション以外も含め、GNOME Shell のデザイン構想と長期的な見通しを見ていきましょう。

GNOME Shell の検索機能

GNOME Shell の検索機能には、まだアニメーションも空間モデルも導入されていません。
オーバービューを開いてユーザーが検索キーワードを入力すると、オーバービュー全体が検索結果に置き換わります。

オーバーレイ表示へ

ユーザーが検索キーワードを入力した時に、オーバービューの上に検索結果をオーバーレイ表示するデザインが検討されています。



GNOME 51 に搭載されるかも

この変更はうまくいけば、GNOME 51 に搭載される予定です。

機能性も豊かに

デザインの変更に加え、将来的に機能の改良も予定されています。
他 OS や Alfred、Raycast といったサードパーティー製アプリでは、検索機能に以下のような機能が組み込まれています。

  • プレビュー機能
  • 検索結果ごとに複数のアクションを提供
  • 検索フィルター機能

検索結果にこのような機能の追加が検討されています。


ただしこれらの機能の実現にあたり、API の新規追加やアプリ側の対応が必要になってきます。

カスタマイズ可能なクイック設定

クイック設定はトップバーの右隅から開けるメニューに表示されます。
クイック設定にはダークスタイルやナイトライトの切り替え、電源モードの切り替え、キーボードのバックライト設定など各種設定項目が並んでおり、ユーザーはクイック設定から各種設定に簡単にアクセスできます。

設定項目が増えた

GNOME Shell のバージョンアップに伴い、クイック設定に様々な設定が追加されていきました。
また GNOME Shell 拡張機能によっては、クイック設定に設定項目を追加する GNOME Shell 拡張機能もあります。
加えて PC のスリープを抑制する設定など、ユーザーからさらに機能を追加して欲しいとの要望もあります。

このままだとクイック設定は肥大化していく一方です。

ユーザーがカスタマイズできるようにしよう

クイック設定に並んでいる設定項目は、必ずしもユーザーにとって必要な設定項目とは限りませんし、ユーザーにとって必要な設定項目は異なります。
Android や iOS にも似たような機能がありますが、これらの OS ではメニューをカスタマイズできるようにしています。

そこでクイック設定にカスタマイズ機能の追加が検討されています。
このカスタマイズ機能はクイック設定メニュー内にある編集ボタンからアクセスし、設定項目の追加や削除を行えるようにする機能です。


カレンダーポップオーバーの整理

トップバーの中央にある時計をクリックすると、カレンダーポップオーバーが表示されます。
しかしカレンダーポップオーバーとは言いつつも、カレンダーポップオーバーにはカレンダー以外の項目も含まれています。

関連性が乏しい

カレンダーがメインかと思いきや、カレンダー機能とあまり関連性のない機能も含まれています。
そのため例えばデスクトップ通知は大量に表示されているのに、カレンダーの予定や時計のイベントは何もなかったり、世界時計を沢山登録しているがデスクトップ通知がほとんど来ない状況もあります。
さらに以前のバージョンでは、Do Not Disturb の設定まで含まれていました。

カレンダー機能とそれ以外の機能の関連性の乏しさ故、煩雑な UI になってしまっています。
特にデスクトップ通知との関連性を見直す必要があります。

関連性のある項目に纏めよう

カレンダーポップオーバーはカレンダーが主役です。
これと関連性の乏しいデスクトップ通知をクイック設定に移す方針が検討されています。
こうすることでカレンダーポップオーバーには、カレンダーやイベント、世界時計、天気といった関連性の高い項目のみが並ぶようになります。


デスクトップ通知はどうなる?

デスクトップ通知はデスクトップが提供しているシステムの一つであると同時に、ユーザーがよくアクセスする機能の一つです。
これをクイック設定に移すことで、システム関連の項目を一つに纏めることができます。


ドラッグ&ドロップによるウィンドウの移動

ワークスペースでは、アプリのウィンドウを他のワークスペースにドラッグ&ドロップすることで、そのアプリのウィンドウを他のワークスペースに移すことができます。

小さなワークスペース一覧

例えばワークスペースが3つ以上ある状態でアプリのウィンドウを他のワークスペースにドラッグ&ドロップする時に、画面上部に小さなワークスペース一覧が表示されます。
ユーザーはこの小さなワークスペースにウィンドウをドラッグ&ドロップすることで、ウィンドウを他のワークスペースに移します。

実際のワークスペースをターゲットにしよう

小さなワークスペース一覧をターゲットに操作させるのではなく、実際のワークスペースをターゲットにすることで操作性の改善が見込めます。
ユーザーがウィンドウをドラッグし始めた時に、実際のワークスペースそのものを縮小表示し、そのワークスペースをターゲットにドロップできるようにします。


これによりドロップ先のワークスペースを大きく表示でき、またその時表示される情報量も多くできるため、操作性の改善に期待できるでしょう。

高度なウィンドウ管理とタイリング機能

以前 Mosaic というコンセプトが発表されました。

  • Rethinking Window Management

ウィンドウの自動リサイズ

Mosaic は新しいウィンドウが開かれた時に、それに合わせて既存のウィンドウを自動的にリサイズするコンセプトです。
単純にすべてのウィンドウを同じ大きさで配置するのではなく、それぞれのウィンドウが本来必要とする最適なサイズを考慮しながら、ウィンドウ同士で利用できる画面スペースを調整します。



これを実現するには Mutter のタイリング対応を強化することや、ウィンドウの最小・最大サイズに関する情報をより詳細に扱えるようにする仕組みが必要になります。

ウィンドウ切り替え機能

「Super + Tab」キーや「Alt + Tab」キーでアプリのウィンドウを切り替える機能があります。

アプリと複数のウィンドウ

アプリは複数のウィンドウを開くことができます。
ウィンドウ切り替え機能は、ウィンドウを一覧表示して切り替え先のウィンドウをユーザーに選んでもらう方法に加え、アプリを一覧表示してアプリを対象にウィンドウを選んでもらう方法を提供しています。

直前に使っていたウィンドウに素早く切り替えたい

その一方で一覧からウィンドウを選択するのではなく、直前に使っていたウィンドウに素早く切り替えたい要望もあります。
直前に使っていたウィンドウは特定のアプリに直接紐づくものではなく、ユーザーが使用していたウィンドウの履歴に紐づくものです。
そして既存のウィンドウ切り替え機能にこの機能は実装されていません。

どのように実現するのか

まず既存のウィンドウ切り替え機能と直前に使っていたウィンドウに切り替える機能を、機能としては別々の機能として捉えます。
これは以下のようにユースケースが異なるためです。

  • キーボードを使って任意のウィンドウに簡単に切り替える
  • 最近使用したウィンドウに素早く切り替える

次に直前に使っていたウィンドウをグルーピングして、そのウィンドウ一覧を表示します。


これによりユーザーは履歴に基づき切り替え先のウィンドウを素早く選択できるようになるでしょう。

デザインや仕組みの精査が必要

このアイデアには大まかな構想があるとは言え、この機能を優れた機能としてユーザーに提供するためには、試行錯誤を含むデザインや仕組みの精査が必要です。

ログイン画面のグリッド表示

ログイン画面は PC を起動した時にユーザーが最初に目にする画面です。
このログイン画面をもっと視覚的で分かりやすいものにするため、ユーザーアカウントのグリッド表示が検討されています。


バッテリーアイコン

ノート PC などバッテリーを搭載した PC では、トップパネルにバッテリーアイコンが表示されます。

一瞥しただけでも分かるように

ユーザーはバッテリーの残量を気にします。
現在のバッテリーアイコンは情報量が十分ではなく、ユーザーがバッテリーアイコンを見てバッテリー残量を把握するのに一手間かかります。

そこでバッテリーアイコンを、横幅の広いより大きなバッテリーアイコンに変更することで、ユーザーがバッテリーの残量を把握しやすくなるだけでなく、バッテリー残量のパーセンテージ表示も可能になります。


透明なパネル

透明なパネルとは、壁紙の色やコントラストが控えめで、全体がほぼ単色になっている場合に、パネルの背景を表示せず壁紙がそのまま透けて見えるパネルのことです。


すでにかなり完成度の高い実装が存在しますが、まだ正式採用できる状態にはなっておらず、テストやレビュー含め残作業があります。

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