GNOME 51 の新機能と変更点
2026年9月16日、GNOME 51(開発コード:A Coruña)がリリースされました。リリースノートから GNOME 51 の新機能と変更点を紹介します。
システム全般
システム全般の変更点です。フレームスケジューリングの改善
Mutter のスケジューリングと画面フレームの構成システムが改良され、システムに負荷がかかっている時でも、アニメーションがスムーズに動作するようになりました。スクリーンキャプチャーの高速化
冗長な処理とバッファーのコピー処理が減り、スクリーンキャプチャー機能が高速化されました。古い NVIDIA ドライバーインターフェースのサポート削除
古い NVIDIA ドライバーインターフェースのサポートが削除されました。ログイン画面で認証メカニズムの選択
ログイン画面で認証メカニズムを選択できるようになりました。例えばウェブベースのログイン認証を利用しているなら、企業アカウントやオンラインアカウントで簡単にログインできます。
機密情報のセキュリティー強化
ユーザーのパスワードやキーの保存及び取り出しに、よりセキュアな oo7 を使用するようになりました。設定
設定の変更点です。自動回転オプション
ディスプレイ設定で新しい自動回転オプションを利用できるようになりました。このオプションは加速度センサーを搭載したデバイスで利用可能です。
この機能はデバイスの向きに合わせ、画面の向きを自動的に縦向きと横向きに切り替える機能です。
また自動回転有効時、画面の向きを固定するロックオプションを利用できます。
これによりいつでもディスプレイを現在の向きに固定できます。
ディスプレイの配置機能の改善
ディスプレイ設定のディスプレイ配置機能が改善され、中央揃えスナップ機能が追加されました。これにより物理的なディスプレイの配置に簡単に合わせることができます。
マウスとタッチパッドの設定
マウス接続時にタッチパッドを自動的に無効化するオプションが追加されました。タイピング中にタッチパッドに触れてマウスが動いてしまう現象を回避できます。
ネットワーク設定
ネットワーク設定では、新しいDNSドメイン検索設定が追加されました。また旧式の WEP 無線セキュリティー規格はサポートから削除されました。
リモートログインでは従来のサービスベースの設定に加え、SSH ソケットサーバーがサポートされました。
ユーザー設定
ユーザー設定に指紋登録機能が追加されました。システム詳細画面
システム詳細画面に GNOME のリリースノートを開くボタンが追加されました。リモートデスクトップ
リモートデスクトップ機能の変更点です。スマートカードのリモートサポート
接続元の PC にスマートカードを挿入し、接続先の PC で使用できるようになりました。Kerberos 認証のサポート改善
Kerberos 認証で接続先の PC にリモートでユーザーセッションにログインできるようになりました。地図(Maps)
地図(Maps)は OpenStreetMap に対応した地図アプリです。オフラインに対応
地図情報(エリア)をダウンロードしてオフラインで参照する機能が追加されました。ダウンロードしたエリアはシンプルな一覧から管理でき、一覧から保存したエリアを確認したり、不要になったエリアを削除できます。
遅延情報
公共交通機関の経路で GTFS-RT データを利用できる場合、遅延情報を表示できるようになりました。発着時刻の表示機能
Transitous で発着時刻の情報が利用可能な場合、公共交通機関の停留所及び駅の発着時刻を表示できるようになりました。乗車駅と降車駅の位置表示
公共交通機関の乗車駅と降車駅の位置が表示されるようになりました。ファイル(Nautilus)
ファイル(Nautilus)は、GNOME デスクトップのデフォルトのファイルマネージャーです。ドラッグカウンターバッジ
複数のファイルをドラッグしている時に、ドラッグ中のアイテム数を表示する小さなバッジが表示されるようになりました。ファイル選択機能の改善
ファイルをコピーした時に、コピーされたファイル群が自動的に選択されるようになりました。またフォルダーの空白領域を右クリックしても、選択が解除されなくなりました。
ファイルのパーミッション表示の改善
フォルダーが読み取り専用又は読み取り不可の場合、その状態を示す適切なエンブレムアイコンが表示されるようになりました。複数のアイコンが割り当てられる場合は、適切な優先順位に基づいてアイコンが表示されます。
パフォーマンスの向上
一部の操作でパフォーマンスが向上し、アプリが止まることがなくなり、応答性が向上しました。フォルダビューの再読み込みも高速化され、特に大きなフォルダーを開く時や、時間のかかる遅いフォルダーを開いている時に、大きくパフォーマンスが向上しています。
通知機能の改善
ファイルによる通知がグループピングされるようになり、検索と管理が手間が削減されました。ソフトウェア(GNOME Software)
ソフトウェアはアプリのインストールやアップデートなど、アプリを管理するためのアプリです。サポート終了の警告
ユーザーがサポートが終了したアプリをインストールしようとした時に、サポート終了の警告を表示するようになりました。権限表示の改善
Flatpak アプリの権限表示が改善され、アプリをインストールする前にアプリがアクセスできる内容をより具体的に把握できるようになりました。起動速度の向上
起動時にキャッシュされたアプリデータを再利用するようになり、アイコンの読み込みも最適化され、アプリの閲覧や検索パフォーマンスが向上しました。カレンダー(GNOME Calendar)
カレンダーはスケジュール管理アプリです。会議や予定、公開イベント、旅行計画など、日々のイベントやスケジュールを管理できます。
仕事やプライベートな旅行など、様々な予定をカレンダー形式で管理できます。
カレンダーは月表示だけでなく週表示も可能です。
また NextCloud や Google Calendar、CalDAV/WebDAV サーバーなど、様々なオンラインカレンダーサービスからカレンダーをインポートすることもできます。
地図リンクのサポート改善
イベントのポップオーバーから住所を GNOME Maps やその他の地図アプリで開けるようになりました。会議やコンサート会場などイベント会場への行き方を把握できます。
ハイコントラストのサポート改善
週間ビューでハイコントラストのサポートが改善され、ハイコントラスト時の見やすさが向上しました。イベント編集ダイアログの改善
イベント編集ダイアログが改善され、読み込み専用のイベントでもテキストのフォーカスや選択が可能になりました。またデザインが見直され、使い勝手が向上しました。
空のメモにプレースホルダーとして「メモ(Notes)」と表示されるようになりました。
Microsoft Teams のリンクに対応
Microsoft Teams のリンクがサポートされました。画像ビューアー(Loupe)
画像ビューアーは画像ファイルを表示するアプリです。画像のメタデータを表示する機能や、トリミングや回転といった基本的な画像編集機能も備えています。
写真のメタデータ表示
写真の作成者や著作権情報、カメラ情報など、写真のメタデータを表示できるようになりました。カラーマネージメント情報の表示
画像にカラーマネージメント情報が含まれている場合、そのカラーマネージメント情報が表示されるようになりました。埋め込み ICC プロファイルの情報や、CICP の情報を表示できます。
ファイルプレビューアー(Sushi)
Sushi は Nautilus(ファイルアプリ)でファイルをプレビュー表示するアプリです。気軽に画像ファイルなどファイルの中身を確認できます。
ファイルを選択した状態で Space キーを押せば、ファイルのプレビューが表示されます。
デザインの刷新
デスクトップ全体のデザインに調和するようにデザインが刷新され、ダークモードにも対応しました。ドキュメントビューアー(Papers)
ドキュメントビューアーは、様々なドキュメントフォーマットに対応したドキュメントビューアーです。PDF ドキュメントを開く時によく利用され、ドキュメント内の検索や注釈付けができます。
ビジュアル署名のサポート
ビジュアル署名機能が追加されました。ビジュアル署名はデジタル署名と異なり、署名された文書が本物であることを保証するものではありません。
文書に書くサインみたいなものです。
ビジュアル署名機能では手書きでサインしたり、画像を読み込んで署名することができます。
文書プロパティー画面の改善
用紙サイズの情報が従来よりも詳細に表示されるようになりました。注釈の改善
フリーテキストの注釈がデフォルトで印刷されるようになりました。プレビュー機能の改善
プレビュー機能は、プレビュー画面のウィンドウサイズを記憶及び復元するようになりました。アクセシビリティー
アクセシビリティーの変更点です。アニメーション軽減機能の改善
アニメーションを減らす機能が、GNOME Shell やウィジェット含めより多くの場面で動作するようになりました。落ち着いた動きのデスクトップを好むなら、この設定が役に立つでしょう。
スクリーンショット機能のキーボード操作改善
スクリーンショット機能が、キーボードによる操作に対応しました。これによりスクリーンショットの選択範囲やサイズをキーボード操作で調整できます。
例えば Alt キーを押しながら選択範囲を移動したり、Shift/Ctrl キーを押しながら選択範囲の移動やリサイズが可能です。
また R キーで選択範囲をリセットできます。
フォーカスリングのタイムアウト設定
アクセシビリティーの設定に、フォーカスのタイムアウトを無効化する設定が追加されました。支援技術を使ってインターフェース要素を操作する際、時間がかかる場合にこの設定を有効にすると良いでしょう。
スクリーンリーダーの改善
スクリーンリーダーがアプリドックを重複して読み上げなくなり、検索結果も役に立つ内容を読み上げるようになりました。またアプリグリッドの操作性も改善されています。
GNOME Circle
GNOME Circle とは、GNOME プラットフォームに最適化され、GNOME プロジェクトが期待する品質基準を満たしているアプリやライブラリーを支援する取り組みです。この取り組み自体は GNOME プロジェクトの一環として実施されている取り組みですが、GNOME Circle で紹介されているアプリやライブラリーは、GNOME Core Applications には含まれません。
GNOME Circle は GNOME Core Applications とは別に実施されている取り組みです。
今回新しいアプリが GNOME Circleに追加されました。
Bobby
Bobby は SQLite ファイルのビューアーアプリです。SQLite で生成されたデータベースファイルを開き、データベースの内容を表示します。
行やセルの内容をクリップボードにコピーすることもできます。
また設定画面から行の並び替えの方法や、行番号の表示など、各種設定が可能です。
Tally
Tally は数を記録する集計カウンターを保存したり、分類及び整理するアプリです。Bazaar
Bazaar はアプリの検索やインストールなどアプリを管理するアプリです。Flatpak リポジトリー(特に Flathub)に対応しており、Flatpak リポジトリーからアプリを検索したり、アプリをインストールできます。
アドオンにも対応しています。

























