kledgeb UbuntuやLinuxの最新情報を紹介

Ubuntu 26.10 その22 - Dracut のパフォーマンス改良・初期 RAM ディスクのサイズ削減と生成時間の短縮

Dracut のパフォーマンス改良

Ubuntu 26.10 では Dracut のパフォーマンス改良作業が行われています。
その過程が以下で紹介されています。


  • Dracut news for Ubuntu 26.04 LTS and 26.10

Dracut

Dracut は初期 RAM ディスクを生成するためのソフトウェアであり、従来の initramfs-tools を置き換えるソフトウェアです。
初期 RAM ディスク(initrd)は、Ubuntu の起動に必要なドライバーや Ubuntu がインストールされたルートファイルシステムを準備するために必要なソフトウェアを含むファイルシステムです。

Dracut は systemd を使用し、Bluetooth や NVM Express over Fabrics(NVMe-oF)といった新機能をサポートしています。

Ubuntu 25.10 以降は Dracut を採用

Ubuntu 25.04 までは初期 RAM ディスクの生成に initramfs-tools が採用されていましたが、Ubuntu 25.10 以降は一部を除き Dracut が採用されています。

  • Ubuntu 25.10 の新機能と変更点・既知の問題

再圧縮の回避

Ubuntu 23.10 の時に initramfs-tools で、初期 RAM ディスクのサイズ削減と生成時間の短縮作業が行われました。

  • Ubuntu 23.10 その38 - initramfsのサイズ削減と生成時間の短縮

Dracut にも同様の改善を

今回この改良を Dracut にも取り込む作業が行われました。
これにより Dracut で初期 RAM ディスクを生成する際、すでに圧縮済みのカーネルモジュールやファームウェアファイルを再圧縮しないように改善されました。

これはすでに圧縮済みのファイルを、圧縮されていない別の cpio アーカイブに分離することで実現されています。
それ以外のファイルは圧縮され結合される cpio アーカイブに配置されます。

rust-coreutils の代わりに BusyBox を採用

初期 RAM ディスクには起動の失敗に備えユーザーがトラブルシューティングにあたれるよう、各種コマンド及びコマンドラインシェルが搭載されています。
initramfs-tools 採用時代はコマンドラインシェルに BusyBox が採用されていました。

  • BusyBox

ホスト側のバイナリーが使われている

Dracut ではデフォルトで BusyBox を使用しておらず、また BusyBox モジュールは最後に実行されます。

この実行段階ですでに多くのホスト側のバイナリーが初期 RAM ディスクに取り込まれており、BusyBox モジュールを実行してもそれらのバイナリーが BusyBox アプレットに置き換わることはありません。
つまり BusyBox が提供している coreutils 相当の機能が利用されない状況です。

rust-coreutils はサイズが大きい

GNU coreutils から rust-coreutils へ移行した際、初期 RAM ディスクにホスト側のバイナリーである rust-coreutils が含まれるようになりました。
rust-coreutils はバイナリーサイズが大きく、これにより初期 RAM ディスクのサイズも大きくなりました。

BusyBox に対応しよう

というわけで initramfs-tools 採用時代と同様に BusyBox が動作するように改善作業が行われました。

  • Use busybox instead of rust-coreutils in initrd

Dracut モジュールが BusyBox をサポートしていることを確認し、BusyBox でサポートされていないオプションや、BusyBox が対応していない長形式のオプションを使用しているモジュールは、BusyBox をサポートできるように修正パッチが作成されました。

加えて BusyBox モジュールを最初に実行されるように修正し、他のモジュールが実行される前に /usr/bin/busybox と各アプレットへのシンボリックリンクが配置されるようになりました。

Ubuntu 26.04 LTS でも対応

この変更はアップデートを通じ、Ubuntu 26.04 LTS にも適用される予定です。

Ubuntu
スポンサー
コメント
コメントポリシー
コメントをする前に UbuntuのCode of Conduct(CoC/行動規範) を確認し、CoCに沿ったコメントをお願いします。
コメントの使い方は、コメントの使い方を参照してください。
同一カテゴリーの記事
SNS
人気の記事
  • Ubuntu 26.04 その42 - Ubuntu 26.04.1 LTS のリリーススケジュール
    Ubuntu 26.04.1 LTSのリリーススケジュール Ubuntu 26.04.1 LTS のリリーススケジュールを紹介します。
  • Linux Mint その292 - Linux kernel 7.0 採用の Linux Mint 22.3 リリース・システム管理ツールにカーネル管理機能追加など
    Linux Mint 月刊ニュース Linux Mint 開発チームは Linux Mint 月刊ニュースにて、Linux Mint の開発状況や取り組みを紹介しています。
  • Linux その422 - GNOME Boxes の再構築と未来・Flatpak のみの提供やモダンな機能の実装など
    GNOME Boxes の再構築と未来 GNOME Boxes の再構築と未来が以下で紹介されています。
  • Kubuntu その117 - Kubuntu 26.04 LTS にもっと手厚いサポートを・最高の信頼性を誇る KDE 搭載ディストリビューションを目指して
    最高の信頼性を誇る KDE 搭載ディストリビューションを目指して Kubuntu 26.04 LTS に手厚いサポートが導入されました。
  • Ubuntu 26.04 その68 - Ubuntu 26.04.1 LTS がリリースされました・ディスクイメージのダウンロード
    Ubuntu 26.04.1 LTS リリース 2026年8月27日、Ubuntu 26.04.1 LTS がリリースされました。
  • Linux その421 - GNOME Shell のデザイン構想と長期的な見通し
    GNOME Shell のデザイン構想と長期的な見通し GNOME Shell のデザイン構想と長期的な見通しが、以下で紹介されています。
  • Linux その386 - Arch Linux の AUR パッケージで悪意あるコミットが続く・今度はソースコードの難読化か
    Arch Linux の AUR パッケージで悪意あるコミットが続く Arch Linux の AUR パッケージで悪意あるコミット(マルウェア)が続いています。
  • Windows その29 - Windows 向け Coreutils 登場・Coreutils のインストールやコマンドの一覧など
    Windows 向け Coreutils 登場 Windows 向け Coreutils が登場しました。
  • Linux その420 - KDE Plasma で実装予定の新機能や改善・UI レイアウトの調整やリモートデスクトップの改善など
    KDE Plasma で実装予定の新機能や改善 KDE Plasma で実装予定の新機能や改善を紹介します。
  • Ubuntu 18.04 その195 - PolicyKitにクラッシュや権限の昇格など複数の脆弱性・今すぐアップデートを
    PolicyKitの脆弱性 2018年7月16日、クラッシュや権限の昇格など複数の脆弱性に対応した「PolicyKit」がリリースされました。
記事のピックアップ
オプション