kledgeb UbuntuやLinuxの最新情報を紹介

Ubuntu 26.04 その82 - Linux kernel の脆弱性 CVE-2026-98432 の対応状況

CVE-2026-98432 の対応状況

2026年11月2日、Linux kernel の脆弱性である CVE-2026-98432 の対応状況がアナウンスされました。


  • Fixes available in -proposed pocket for CVE-2026-98432

現在テスト中

現時点で CVE-2026-98432 に対応した Linux kernel はテスト中であり、まだ一般向けにセキュリティーアップデートはリリースされていません。

Ubuntu 22.04 LTS 以降のバージョン

現在 Canonical では、Ubuntu 22.04 LTS 以降の Ubuntu を対象にテストを進めています。
このテストでは幅広い環境においてシステムの安定性を確保するため、2,000 台を超える Ubuntu 認定サーバー及び Ubuntu 認定デバイスを対象に、広範なテストが実施されています。

このテストが完了次第、一般向けにセキュリティーアップデートがリリースされる予定です。

Ubuntu 20.04 LTS 以前のバージョン

それよりも前のサポート中の Ubuntu に対しても、後日セキュリティーアップデートがリリースされる予定です。
ただし標準サポートはすでに切れているため、セキュリティーアップデートを受け取るには、商用サポートサービスの Ubuntu Pro を導入する必要があります。

  • Ubuntu Pro

リリースされ次第アナウンス

セキュリティーアップデートがリリースされ次第、別途アナウンスされる予定です。

リモートコード実行の脆弱性

Linux kernel で IPv4 TCP 接続を確立する際、処理の中に Use-After-Free(解放済みメモリへのアクセス)の脆弱性があり、攻撃者はこの脆弱性を利用してリモートコードを実行できる可能性があります。

CVE

この脆弱性は Linux kernel 4.4 以降に存在する脆弱性です。
脆弱性の影響度を示す CVSS 3.1 スコアは 9.8、深刻度は高になっています。
本脆弱性の詳細や、本脆弱性に影響を受ける Ubuntu のバージョン、セキュリティーアップデートのリリース状況は、以下を参照してください。

  • CVE-2026-98432

Multipath TCP 特有のものではない

Anthropic が生成したエクスプロイト(悪用可能な実装)は、現時点では公開されていません。
このエクスプロイトは Multipath TCP を利用するものと説明されていますが、本脆弱性自体は Multipath TCP 特有のものではありません。

また現時点でこれ以外のエクスプロイトが作成もしくは公開されたという報告はありません。

緩和策について

Multipath TCP を無効化する緩和策が様々なメディアで推奨されています。
しかし本脆弱性に対する修正は、Multipath TCP にのみ限定されるものではありません。
本脆弱性に対応する唯一の適切な緩和策は、今後リリースされるセキュリティーアップデートの適用です。

影響を受けているか確認するには

上記リンク先に影響を受ける Linux kernel のバージョン及び Linux kernel の種類(フレーバー)が記載されています。
現在利用しているシステムで本脆弱性に影響を受けるかどうかを、上記の情報と照らし合わせながら、以下の方法で確認できます。

Linux kernel のバージョン取得

現在動作している Linux kernel のバージョンを取得するには、端末から以下のコマンドを実行します。

uname -r

インストールされている Linux kernel を調べるには

システムにインストールされている Linux kernel を調べるには、端末から以下のコマンドを実行します。

dpkg -l 'linux-image*' | grep ^ii

修正テスト版の Linux kernel

現在 Ubuntu 22.04 LTS 以降の Ubuntu 向けに、本脆弱性に対応したテスト版の Linux kernel が、-proposed リポジトリーから提供されています。
-proposed リポジトリーは、開発者やテスターが利用するリポジトリーです。

-proposed リポジトリーの有効化

修正テスト版 Linux kernelを利用するには、まず以下の手順に沿って -proposed リポジトリーを有効化する必要があります。

  • Enable the -proposed pocket

Linux kernel のアップデート

後はシステムで利用している Linux kernel と同じ種類の Linux kernel でアップデートします。
アップデート方法は、以下を参照してください。

  • How to apply fixes for CVE-2026-98432

Ubuntu
スポンサー
コメント
コメントポリシー
コメントをする前に UbuntuのCode of Conduct(CoC/行動規範) を確認し、CoCに沿ったコメントをお願いします。
コメントの使い方は、コメントの使い方を参照してください。
同一カテゴリーの記事
SNS
人気の記事
  • Linux その450 - Canonical LXD や MicroCloud にクライアントなりすましの脆弱性・アップデートを
    Canonical LXD や MicroCloud に重大な脆弱性 2026年10月28日、Canonical LXD や MicroCloud に重大な脆弱性がみつかりました。
  • Ubuntu 26.04 その76 - CVE-2026-92392 含む curl の脆弱性22件修正・アップデートを
    curl の脆弱性22件修正 CVE-2026-92392 含む22件の curl の脆弱性に対応したセキュリティーアップデートがリリースされました。
  • Ubuntu 26.10 その38 - Ubuntu 26.10 がリリースされました・ディスクイメージのダウンロード
    Ubuntu 26.10 リリース 2026年10月15日、Ubuntu 26.10 がリリースされました。
  • Ubuntu 26.10 その35 - RISC-V 向け Ubuntu Desktop 登場
    RISC-V 向け Ubuntu Desktop 登場 Ubuntu Desktop 26.10 では、RISC-V 向けデスクトップイメージがリリースされます。
  • Linux Mint その294 - Linux Mint 27 の開発とリリース方針の変更・アラーム管理アプリの開発
    Linux Mint 月刊ニュース Linux Mint 開発チームは Linux Mint 月刊ニュースにて、Linux Mint の開発状況や取り組みを紹介しています。
  • Ubuntu 26.04 その77 - PHP に php2shell(CVE-2026-109618/CVE-2026-109619)の脆弱性・アップデートを
    PHP に php2shell の脆弱性 PHP に php2shell と呼ばれる致命的な脆弱性が見つかりました。
  • Ubuntu 26.04 その78 - eMudhra 認証局の秘密鍵の侵害・アップデートを
    eMudhra 認証局の秘密鍵の侵害 2026年10月20日、eMudhra 認証局(eMudhra CA)の秘密鍵の侵害が発覚しました。
  • Linux その445 - KDE Plasma 6.8 がリリースされました・KDE Plasma 6.8 の新機能と変更点
    KDE Plasma 6.8 の新機能と変更点 2026年10月14日、KDE Plasma 6.8 がリリースされました。
  • Ubuntu 26.10 その39 - Ubuntu 26.10 の新機能と変更点・既知の問題
    Ubuntu 26.10 の新機能と変更点・既知の問題 リリースノートから、Ubuntu 26.10 の新機能と変更点を紹介します。
  • Ubuntu 26.04 その79 - CVE-2026-111497 に対応した Brotli のリリース・アップデートを
    Brotli のセキュリティーアップデート 2026年10月26日、CVE-2026-111497 に対応した Brotli がリリースされました。
記事のピックアップ
オプション