KDE Linux 登場
2025年9月6日、KDE から新しい Linux ディストリビューション KDE Linux が登場しました。最新の KDE 環境を提供
KDE Linux は最新の KDE 環境を提供する Linux ディストリビューションです。デスクトップ環境の Plasma はもちろんのこと、デスクトップを支える各種 KDE ソフトウェア、ユーザーが利用する KDE アプリケーションも含め、最新の KDE 環境を活用できます。
Arch Linux ベースだが Arch Linux 派生ではない
KDE Linux は Arch Linux のパッケージベースを利用して構築されていますが、いわゆる一般的な派生ディストリビューションとは大きく異なります。パッケージマネージャーは存在しませんし、OS のベースソフトウェアを除き KDE の kde-builder tool や Flatpak を利用してソースからコンパイルされています。
システム
ファイルシステムに Btrfs を採用し、ディスプレイサーバーに Wayland を採用しています。サウンドサーバーに PipeWire を採用し、アプリケーションに Flatpak を採用しています。
もちろん Systemd も採用されています。
不変的なOS
KDE Linux の一番の特徴が、OS 自体が不変的な OS として提供される点です。読み込み専用のイメージと安定性
つまり OS は読み込み専用のイメージとして提供されます。Ubuntu でも不変 OS の提供を目指し、Ubuntu Core Desktop の開発が行われています。
不変 OS の利点はシステムの改ざんに強いだけでなく、ユーザーが手を加えられる範囲を意図的に狭めることで、安定したシステムを提供できることです。
OS をアップグレードしたら起動しなくなった経験や、システムを弄ったら一部の動作がおかしくなって困った経験をしたユーザーもいるでしょう。
不変 OS はこのようなトラブルにも効果的です。
もちろん書き込み可能な領域もある
OS 全体が完全に読み込み専用だったら、ユーザーは追加アプリをインストールできませんし、システムの設定を変更できなくなってしまいます。そのままではファイルやドキュメントすら保存できません。
ですのでもちろん書き込み可能な領域もあります。
まず読み込み専用になっている領域は、/usr です。
/etc はシステムレベルの設定を変更するために書き込み可能になっていますし、もちろんユーザーのホームフォルダーも書き込み可能になっています。
そして追加の Flatpak アプリは、ユーザーのホームフォルダー内にインストールされます。
アプリの追加インストールは Discover から
アプリの追加インストールは Discover から行います。KDE 環境に慣れ親しんだユーザーからすれば、いつものアプリですね。
現状 Discover からインストール可能なアプリの大半は Flathub から提供されるアプリです。
システムとして Snap も試験的にサポートされており、端末から snap コマンドを利用して Snap Store からアプリをインストールできます。
また将来的に Discover から Snap も扱えるようになるかもしれません。
Flathub や Snap Store 以外の追加ソフトウェアは
KDE Linux には Distrobox や Toolbx のサポートが含まれています。これらのサービスで利用可能なソフトウェアも利用できます。
また AppImage も利用できますし、Homebrew も利用できます。
ただし Homebrew に関してはコンテナーではなく、加えてパッケージがシステムから分離されていないため、システムライブラリーをオーバーライドする場合、それにより問題が発生する可能性があります。
ですので Homebrew はその問題を回避できる上級者向けのツールとなります。
カーネルモジュールのインストールには対応しない
カーネルモジュールのインストールには対応しないため、一部のハードウェアが十分に動作しない等の問題が発生します。例えば NVIDIA GTX 1600 シリーズ(Turing アーキテクチャー)より前の NVIDIA GPU では、NVIDIA GPU プロプライエタリードライバーではなく、オープンソースドライバーの Nouveau を使用することになります。
これによりパフォーマンスが低下するなど一部の機能に制限が出ます。
KDE Linux αリリース
今回のアナウンスでリリースされた KDE Linux は KDE Linux α リリースです。Testing Edition
KDE Linux α リリースは Testing Edition であり、ソースコードからビルドされまだリリースされていない KDE ソフトウェアが含まれています。つまり次期安定版のプレビューリリースの KDE ソフトウェアが含まれています。
様々な制約
α リリースということもあり、様々な制約があります。例えば BIOS が非サポートであり UEFI が必須である点や、セキュアブートに対応していない点、手動パーティション構成に対応していない点など、複数の制約があります。
制約の詳細は、以下を参照してください。
