KDE Plasma 6.8 の新機能と変更点
2026年10月14日、KDE Plasma 6.8 がリリースされました。KDE Plasma 6.8 の新機能と変更点をピックアップして紹介します。
KDE 30周年
KDE プロジェクトが発足したのは、1996年10月14日のことです。KDE プロジェクト発足から30年が経ちました。
30年の間に6つのメジャーバージョンがリリースされました。
ドウェルクリッカーに対応
ドウェルクリッカーとはアクセサビリティーの一種で、マウスカーソルをクリックしたい位置に移動させ、しばらくそのままにすると、自動的にクリックを実行する機能です。このドウェルクリッカーに対応しました。
システムモニター
システムモニターの変更点です。プロセスの CPU 割り当て機能
いわゆる CPU Affinity 機能です。
VRAM の使用量表示
システムモニターで VRAM の使用量を表示できるようになりました。VRAM の使用量は VRAM の総容量に対する割合(%)で表示されます。
リモートデスクトップ機能の強化
リモートデスクトップ機能が強化されました。パフォーマンスの向上
低速なネットワークや頻繁に更新される画面コンテンツに対応し、このような状況でも従来よりも低遅延かつ応答性が向上するようになりました。排他モード
排他モードはサーバーの画面をロックし、クライアントにウィンドウサイズと同じ仮想画面を提供する機能です。双方向のクリップボード同期
サーバーのクリップボードをクライアントに送信するだけでなく、ローカルのクリップボードとも共有できるようになりました。補足
これらの改善は、これらの機能に対応したリモートデスクトップクライアントアプリ利用時のみ活用できます。画面キャプチャー機能の強化
画面のキャプチャー機能が強化されました。Spectacle
Spectacle では画面キャプチャー時に、システムオーディオとマイク入力の両方をキャプチャー動画に含められるようになりました。画面共有ポータルダイアログ
KDE Plasma の画面共有ポータルダイアログでは、既存のディスプレイの代わりに共有する仮想画面を作成できます。この仮想画面の解像度は 1920 x 1080 px に制限されることなく、自由に指定できます。
また画面録画及びスクリーンキャストの画質が向上しました。
サードパーティー製アプリのウィンドウデザイン改善
自分でウィンドウの装飾を行うウィンドウの中には、ウィンドウの影やウィンドウボーダー、丸みを帯びたウィンドウの角といった視覚的な装飾を提供しないウィンドウもあります。自分でウィンドウの装飾を実装するサードパーティー製アプリのウィンドウデザインが改善されました。
ウィンドウルールの追加
このようなウィンドウに対し、ウィンドウの装飾を提供するウィンドウルールが追加されました。これによりこのようなウィンドウでも、他のウィンドウと同じように装飾が追加されるようになりました。
Steam 向けのウィンドウルール
このウィンドウルールの一つに、Steam 向けのウィンドウルールがあります。これにより Steam のウィンドウは以下のように、KDE Plasma のデスクトップと親和性のあるウィンドウデザインになります。
ウィンドウ管理機能の強化
タスクマネージャーウィジェットでは、操作性向上のため新しいショートカットキーが追加されました。タスクの切り替え
Meta + Ctrl + PageUp/PageDown キーで、前のタスクと次のタスクを切り替えられます。ちなみに Meta キーは、Super キーや Windows キーのことです。
アクティブなタスクの移動
Shift キーを押しながらタスクの切り替えのショートカットキーを押すと、アクティブなタスクを前後に移動できます。Union テーマシステム β版
Union テーマシステム β版が搭載されました。Union テーマシステムは新規に登場したテーマシステムです。
Qt Widgets アプリのスタイリング
KDE Plasma 6.7 では Union テーマシステムのα版が搭載されており、まずは Qt Quick アプリのスタイリングに注力した実装になっていました。そして KDE Plasma 6.8 では Union テーマシステム β版が搭載され、Qt Quick アプリのスタイリングに加え、Qt Widgets アプリのスタイリングにも実装が広げられました。
これにより Qt Widgets で開発されているファイルマネージャーの Dolphin や、高度なテキストエディターである Kate、ターミナルエミュレーターの Konsole といったアプリでも、Union テーマシステムによるスタイリングが可能になりました。
将来的にデフォルトになる
現状はまだ Union テーマシステムがデフォルトのテーマシステムになっていませんが、将来的に KDE Plasma では、Union テーマシステムがデフォルトのテーマシステムになるでしょう。Union テーマシステムを試すには
まず Union テーマシステムがインストールされているか確認します。Linux ディストリビューションによってパッケージ名が異なりますが、union パッケージがインストールされていることを確認してください。
「システム設定」を起動し、「色とテーマ」設定の「アプリケーションスタイル」設定で、「Breeze (Union)」を選択して適用します。
その後アプリやシステムを再起動してください。
独自の Union スタイルを作成するには
Union テーマシステムで利用する独自の Union スタイルを作成するには、以下を参照してください。Wayland への移行とデスクトップ
KDE Plasma は Wayland へ完全移行しました。従来の X11 セッションは利用できなくなりました。
Wayland に対応していないアプリは
Wayland に対応していないアプリは、KDE Plasma の Wayland セッションが提供する XWayland 環境で動作するようになっています。ただし Wayland の仕組みを超えた機能は利用できないため、システムに深く関与するアプリの一部は動作しない可能性があります。
パフォーマンスの向上
KDE Plasma のバックエンドの改善により、デスクトップの読み込みにかかる時間が削減され、メモリー使用量も削減されました。また Discover のアップデート通知機能も、メモリー使用量が削減されています。
NVIDIA GPU のサポート強化
デスクトップを支える KWin では NVIDIA GPU のサポートが強化され、NVIDIA GPU 環境ではデフォルトでトリプルバッファリングを活用するようになりました。HDR のサポート強化
ICC プロファイルを使用している環境で、HDR の表示品質が向上しました。これにより従来よりも美しい映像を楽しめるようになりました。
また HLG 転送関数にも対応し、今まで HDR に対応していなかった一部のメディアやアプリも、期待通りに動作するようになりました。
kscreenctl ツール
コマンドラインからディスプレイを管理する kscreenctl ツールが搭載されました。kscreenctl ツールはスクリプトや自動化に役立てられるでしょう。
Kup の搭載
ファイルのバックアップツールである Kup が搭載されました。StrongSwan VPN のサポート強化
StrongSwan VPN で EAP-TTLS 認証がサポートされました。自動起動アプリ管理機能の改善
自動起動アプリからアプリを除外したい時に、自動起動アプリのエントリーを削除するだけでなく、自動起動を無効化できるようになりました。無効化した自動起動アプリのエントリーはリストから削除されず残ったままになるため、後ですぐに有効化できます。





