Desktop Entryグループ
「Desktop Entry」グループは、ディレクトリーエントリー・デスクトップエントリーの要となるグループです。このグループに起動するアプリ等の情報を記述します。
「Desktop Entry」グループヘッダーは、必須です。
以下のエントリーはすべて「Desktop Entry」グループ内に記述します。
表の味方について
各エントリーの説明で記述する表の説明です。対象
このエントリーが使用出来るディレクトリーエントリー及びデスクトップエントリーの種類です。以下の3種類があります。
- ディレクトリーエントリー
- アプリケーションのデスクトップエントリー
- リンクのデスクトップエントリー
全ての種類が対象の場合は、「全て」と表現します。
必須
必ずこのエントリーの記述が必要なディレクトリーエントリー及びデスクトップエントリーの種類です。エントリーを記述しなくても良い場合は、「任意」と表現します。
値の種類
エントリーの値の種類です。Typeエントリー
エントリーファイルの種類を指定します。対象 | 全て |
必須 | 全て |
値の種類 | 文字列(string) |
値
Typeエントリーの値は以下から選択します。値 | 意味 |
---|---|
Application | アプリケーションのデスクトップエントリーであることを指します。 起動するアプリを「Exec」エントリーに記述します。 |
Link | リンクのデスクトップエントリーであることを指します。 リンク先URLを「URL」エントリーに記述します。 |
Directory | ディレクトリーエントリーであることを指します。 |
Versionエントリー
ファイルのバージョンを指定します。対象 | 全て |
必須 | 任意 |
値の種類 | 文字列(string) |
値
Versionエントリーの値は以下から選択します。値 | 意味 |
---|---|
1.0 | 現在サポートされているバージョンです。 |
Nameエントリー
UI上に表示する名称です。名称は自由に設定することができます。
対象 | 全て |
必須 | 全て |
値の種類 | ローカライズ文字列(localestring) |
値
UI上に表示する名称なので、各種類に応じて分かりやすい名称を設定します。種類 | 設定例 |
---|---|
アプリケーション | UI上に表示するアプリ名を設定します。 例えば「Firefox」や「Chromium」などです。 |
リンク | UI上に表示するリンク名を設定します。 例えばURLや「ダウンロードフォルダー」などです。 |
ディレクトリー | 各階層の名称を設定します。 主にアプリのカテゴリー名を設定することが多いです。 |
例
Name=Firefox Web BrowserName[ja]=Firefox ウェブブラウザー
日本語環境では、以下のように「Firefox ウェブブラウザー」と表示されます。
英語環境では英語環境用の「Name」エントリーが記述されていないため、「Firefox Web Browser」と表示されます。
GenericNameエントリー
UI上に表示する一般名称です。名称は自由に設定することができます。
対象 | 全て |
必須 | 任意 |
値の種類 | ローカライズ文字列(localestring) |
値
これも各種類に応じて、分かりやすい名称を設定します。種類 | 設定例 |
---|---|
アプリケーション | 「ウェブブラウザー」や「画像編集」、「テキストエディター」など、アプリのカテゴリーに近い表現を設定するとよいでしょう。 |
リンク | 「Ubuntu公式サイト」や「Ubuntuブログ」、「よく使うフォルダー」などアプリケーション同様に、カテゴリーに近い表現を設定するとよいでしょう。 |
ディレクトリー | 「Name」エントリーが似たような役割を果たしているため、ほとんど利用されることはありません。 |
例
GenericName=高度なテキストエディタUbuntuでは適当なランチャーがなかったため、Kubuntuで設定した例です。
Kubuntuのキックオフアプリケーションランチャーでは、「GenericName」エントリーに設定された文字列を優先的に表示します。
「Name」エントリーに設定された文字列は、グレーの文字で表示されます。
NoDisplayエントリー
ディレクトリーエントリー・デスクトップエントリーをUI上(アプリのランチャー)で表示するか、非表示にするかを指定する設定です。ファイルとの関連付けに利用されることが多いエントリーです。
エントリーの使用例 1
例えばあるアプリが複数のMIMEタイプに対応しており、各MIMEタイプごとに内容が異なる場合、それぞれのMIMEタイプに対応したデスクトップエントリーが必要になります。しかしこのままだと、1つのアプリが複数ランチャーに表示されてしまい、ユーザーからすると煩雑で扱いづらいメニューになってしまいます。
そこでこのエントリーを利用し、ランチャーには通常起動用のアプリのデスクトップエントリーのみを表示するようにします。
これでユーザーには通常起動用のアプリしか表示されなくなり、またファイルの関連付けでは各MIMEタイプに対応したデスクトップエントリーを結びつけることが可能になります。
エントリーの使用例 2
ログイン直後に必ず起動するようなアプリは、ランチャーに表示しても意味がありません。このようなアプリもこのエントリーを利用し、ランチャーでは非表示にすることがあります。
対象 | 全て |
必須 | 任意 |
値の種類 | 論理値(boolean) |
値
値 | 意味 |
---|---|
true | UI上に表示しません。 |
false | UI上に表示します。 こちらが既定値です。 |
例
NoDisplay=false
ランチャーに表示されています。ファイルの関連付けの画面にも表示されています。
NoDisplay=true
ランチャーには表示されません。ファイルの関連付けの画面には表示されます。