入力ソースとキーボートレイアウトと日本語入力
「Ubuntu」ではユーザーが利用しているキーボードレイアウトや日本語入力のカスタマイズが可能です。入力ソースとは
入力ソースとは、キーボードレイアウトとインプットメソッドを包括する表現です。言い換えれば入力ソースは、キーボードレイアウトもしくはインプットメソッドになります。
キーボードレイアウト
キーボードレイアウトとは、キーボードのキー配列のことです。日本語配列のキーボードを利用しているなら日本語キーボードがキーボードレイアウトになりますし、英語配列のキーボードを利用しているなら英語キーボードがキーボードレイアウトになります。
インプットメソッド
インプットメソッドとはキーボードから入力されたキーから別の文字に変換するためのソフトウェアです。日本語入力がまさにそうですね。
キーボードの「a」キーを押すとアプリ上で「あ」と表示及び入力されるのは、インプットメソッドのおかげです。
「Ubuntu」の日本語入力では、インプットメソッドに「Mozc」が採用されています。
インプットメソッドフレームワーク
余談ですがアプリ(システム)とインプットメソッドを仲介するインプットメソッドフレームワークも存在しています。インプットメソッドフレームワークがないとユーザーはインプットメソッドを利用できません。
「Ubuntu」ではインプットメソッドフレームワークに「ibus」を採用しています。
ちなみによく見かける「fcitx」もインプットメソッドフレームワークの1つです。
複数の入力ソースを利用できる
ユーザーが利用できる入力ソースは、「Ubuntu」の入力ソースに登録されている入力ソースです。「Ubuntu」ではユーザーの環境に応じて複数の入力ソースを登録できます。
基本的な入力ソースの構成
多くのユーザーでは以下の2種類の入力ソースを登録しておくと良いでしょう。- 日本語のキーボードレイアウト
- 日本語(Mozc)
「Ubuntu」インストール時に言語選択画面で「日本語」を選択し、キーボードレイアウトの選択画面で日本語キーボードレイアウトを選択していれば、上記のような構成になります。
ちなみに英語配列のキーボードを利用しているユーザーは、日本語キーボードレイアウトの代わりに英語キーボードレイアウトを選択することになります。
入力ソースをカスタマイズするには
入力ソースのカスタマイズは、「設定」アプリの「キーボード」から行います。入力ソースの登録と解除
入力ソースの登録と解除は、「入力ソース」から行います。入力ソースを追加するには
入力ソースを追加するには入力ソース一覧の下部にある「+」ボタンをクリックします。以下のように言語及び地域を選択する画面が表示されるので、該当する言語及び地域を選択します。
一覧一番下の「︙」をクリックすると、より詳細な一覧の表示及び入力ソースの検索が可能になります。
さて「日本語」を選択すると、以下のように日本語で使用される入力ソースの一覧が表示されます。
この中から入力ソースを選択し、画面右上の「追加」ボタンをクリックすれば、その入力ソースが追加されます。
入力ソースを削除するには
入力ソースを削除するには、その入力ソースの右側にある「︙」をクリックします。以下のようにメニューが表示されるので「削除」をクリックします。
入力ソースの順番について
登録された入力ソースには順番があります。この順番は入力ソースの切り替えに影響を与えます。
ユーザは入力ソースを切り替える際、入力ソースの一覧で表示されている入力ソース順に、入力ソースを切り替えることになります。
大抵は2種類しか入力ソースを登録しないと思いますが、3種類以上入力ソースを登録するなら入力ソースの切り替え時に都合の良い順番になるように、入力ソースの順番を調整すると良いでしょう。
入力ソースの順番を変更するには、変更したい入力ソースをドラッグ&ドロップして順番を変更してください。
入力ソースのキー配列を確認するには
入力ソースのキー配列が実際にユーザーが利用しているキーボードのキー配列と同じものか確認したい時もあるでしょう。入力ソースのキー配列を確認するにはその入力ソースの右側にある「︙」をクリックします。
以下のようにメニューが表示されるので「キーボードレイアウトを表示」をクリックします。
以下のように入力ソースのキー配列が表示されます。
インジケーターからも確認可能
インジケーターのメニューから現在選択されている入力ソースのキー配列を確認することも可能です。Mozcとキーボードレイアウト
「Mozc」のキーボードレイアウトは、直前に選択されていた入力ソースのキーボードレイアウトに依存します。入力ソースを切り替えるには
入力ソースを切り替える方法です。ただユーザーによっては「Mozc」のみ利用し、入力ソースを切り替えないユーザーもいるかもしれません。
ショートカットキーで入力ソースを切り替える方法
予め「Ubuntu」では、入力ソースを切り替えるためのショートカットキーが設定されています。ショートカットキーは「タイピング」の分類から確認できますし、変更も可能です。
ショートカットの詳細については、以下を参照してください。
ちなみに「Super」キーは「Windows」キーのことです。
「Ubuntu」は「Windows」ではないため、このような表現になっています。
入力ソース切り替え時
入力ソース切り替え時に以下のように入力ソースの切り替え画面が表示されます。インジケーターから入力ソースを切り替えるには
以下のようにインジケーターから入力ソースを切り替えることも可能です。利用したい入力ソースをクリックすれば、その入力ソースに切り替わります。
アプリのウィンドウと入力ソースの割り当て
設定画面の「入力ソースの切り替え」では、アプリのウィンドウによって入力ソースを割り当てる方法を選択できます。すべてのウィンドウで同じソースを使用する
すべてのアプリのウィンドウで現在選択されている入力ソースを使用します。ユーザーが入力ソースを切り替えると、すべてのアプリのウィンドウでその入力ソースが使用されます。
ウィンドウごとに個別に入力ソースを切り替える
アプリのウィンドウごとに使用する入力ソースを割り当てます。例えばテキストエディターでMozcによる日本語入力を利用し、端末で日本語キーボードレイアウトによる直接入力を利用したい場合は、こちらの選択肢のほうが都合が良いでしょう。
直接入力とMozcによる日本語入力について
日本語ユーザーはキーボードからの直接入力とMozcによる日本語入力の両方を使用する機会が多いかと思います。端末でわざわざ日本語入力を有効にしたまま作業する人は稀でしょう。
「Ubuntu」では直接入力と日本語入力を切り替える方法が2種類あります。
1.Mozc内で直接入力と日本語入力を切り替える
Mozcには入力モードという仕組みがあり、この入力モードを切り替えることで直接入力と日本語入力を切り替えることができます。直接入力と日本語入力(ひらがな)を切り替えるには、「全角/半角」キーを押します。
ただしこの方法ですと、上記で紹介した「アプリのウィンドウと入力ソースの割り当て」設定は期待通りに機能しなくなります。
これは入力ソースの切り替えではなく、Mozc内の入力モードの切り替えであるためです。
システムから見たらMozc内の入力モードが切り替わっても、入力ソースはMozcのまま変わりません。
2.入力ソースで直接入力と日本語入力を切り替える
入力ソースで直接入力と日本語入力を切り替える場合、キーボードレイアウトとMozcを切り替えることになります。上記で紹介した「入力ソースを切り替えるには」で直接入力と日本語入力を切り替えることになります。