Ubuntu 14.04を利用する前に
Ubuntu 14.04を利用する前に、UbuntuをインストールしようとしているPCがUbuntuを利用できるかどうか調べる必要があります。またUbuntu 14.04を試用してみて、Ubuntuが起動するか、使い勝手は良いか、パフォーマンスは十分か、インターネットに接続できるかなど、調べておくとよいでしょう。
Ubuntuをインストールするまでの流れは、以下のようになります。
- ライブメディアを作成する
- Ubuntuを試用する
- Ubuntuをインストールする
Ubuntuが動作するPC
Ubuntu 14.04を快適に動作させるには、以下のハードウェアの性能に着目するとよいでしょう。- CPU
- メモリー
- グラフィックカード
- ストレージ
CPU
デュアルコア以上のCPUが欲しいところです。シングルコアでも動作しますが、並行して様々なアプリを利用するには、力不足に感じるでしょう。
PAE(Physical Address Extension)が必須
Ubuntuを起動させるには、CPUがPAE(Physical Address Extension)に対応している必要があります。調べ方は後述します。
メモリー
多ければ多いほどよいですが、2GB以上のメモリーがあるとよいでしょう。1GBでも動作しますが、複数のアプリを起動するとスワップが発生し、パフォーマンスが落ちます。
グラフィックカード
UbuntuはOpenGLを利用するため、3Dの性能が良いグラフィックカードが良いです。Ubuntuが必要とするOpenGLの機能に対応していない機能は、ソフトウェアエミュレーションで実行されます。
パフォーマンスが落ちるため、あまりお勧めできません。
Windowsでよく耳にするDirect3DとOpenGLは別のものですが、多くの場合Direct3Dに対応していればOpenGLも利用できると思います。
メーカーについて
グラフィックチップ(GPU)のメーカーは、nVidiaかAMD(旧Ati)あたりがトラブルが少なくお勧めです。Intelのオンボードグラフィックも動作すると思います。(古いチップセットだとダメかもしれません)
それ以外だと何かしらのトラブルが発生する可能性があります。
可能な限り、事前に調べておくことをお勧めします。
ストレージ
ストレージは、HDDでもSSDでも、接続形態がEIDEでもSATAでも構いません。Ubuntuの起動やファイルのコピーなど、ファイル操作にかかる時間に影響します。
遅いHDDを利用している場合、Ubuntuの起動に時間がかかるようになります。
まとめると・・・
まとめると、以下の2点が焦点になります。- Ubuntuが起動するかどうか
- Ubuntuが満足の行くパフォーマンスで動作するかどうか
前者はともかく、後者は利用者の主観で決まるところなので、実際に試用して判断してください。
Ubuntuが起動しない場合、CPUがPAEに対応していなかったり、グラフィックカードのドライバーがない、あるいは、ドライバーが提供する機能が不十分である可能性があります。
プリインストールOS別に見てみる
プリインストールされているWindowsのバージョンから、 Ubuntuが利用できるかどうか見てみます。Windows XP
Windows XPは長い期間販売されていたこともあり、様々な種類のPC(ハードウェア)が存在します。基本的に、Windows XPがプリインストールされているPCでUbuntuを利用するには、厳しいかと思います。
Ubuntuが起動するかしないかは試用してみればすぐ分かりますが、パフォーマンスに満足できないと思います。
ただ、Windows Vistaが発売される少し前に発売されたゲーミングマシンなど、その頃としては高性能なPCであれば、Ubuntuがそれなりに利用できると思います。
パフォーマンスに関しては、試用してみてください。
Windows Vista
Windows Vistaでは動作要件が一気に上がり、デスクトップはDirect3Dを利用して描画されるようになりました。いわゆるAeroです。
Aeroが快適に動作するPCであれば、Ubuntuも動作すると思います。
一方、Aeroが有効にできない、もしくはデフォルトでAeroが無効にされている、Aeroを有効にするとパフォーマンスが悪い場合、Ubuntuの利用は難しかもしれません。
Windows 7
Windows 7については、多くのPCで問題なく動作すると思います。ただしAeroに関しては、Windows Vista同様です。
またUEFIについても注意が必要です。
Windows 8以降
Windows 7と同様です。ただし多くのPCはUEFIで動作していると思います。
Ubuntuを単体でインストールする分にはそれほど問題はありませんが、Windows 8とデュアルブートにする場合は、ユーザーが注意しなければならない点がいくつかあり、ハードルが上がります。
PCの初心者にはUEFIのデュアルブート及びその利用は難しいかと思います。
UEFIで動作するWindows 7も同様です。
パフォーマンスが悪いと感じたら
Ubuntuのパフォーマンスが悪いと感じたら、Ubuntuのフレーバーである「Xubuntu」や「Lubuntu」を検討してみるのもよいでしょう。フレーバーでも同様に、CPUがPAEに対応している必要があります。
(forcepaeで回避できるようですが、ここでは扱いません。)
Ubuntu 32bitとUbuntu 64bit
Ubuntuには、32bit版と64bit版があります。現状利用しているWindowsが64bit版なら、Ubuntu 64bit版を選びましょう。
特にUEFIでインストールを行う場合は、Ubuntu 64bit版を選ぶ必要があります。
現状利用しているWindowsが32bit版なら、Ubuntu 32bit版を選ぶとよいでしょう。
Ubuntu 32bit版でもPAEにより、4GB以上のメモリーが利用できます。
Windowsが32bit版か64bit版か調べるには
コントロールパネルで現状利用しているWindowsが32bit版か64bit版か調べることができます。例えば以下の場合、Windowsは64bit版になります。
Windows XPなら32bitです。
CPUがPAEに対応しているか調べるには
CPUがPAEに対応しているか調べるには、以下の方法で行います。ここでは例として「Windows 7」上で調べていますが、Windows XP SP3 以降であればこの方法でPAEの対応状況を調べることができます。
1.Coreinfoのダウンロード
「Coreinfo」をブラウザーで開き、「Coreinfoのダウンロード」をクリックします。2.ダウンロード完了
適当な場所にダウンロードします。3.圧縮ファイルの展開
「Coreinfo」を適当な場所に展開(解凍)します。ZIPファイルなので、右クリックして表示されるメニューから「すべて展開」をクリックし、圧縮ファイルを展開します。
別のアプリを利用しても良いです。
4.Coreinfoの実行
「コマンドプロンプト」を起動し、展開したフォルダー内の「Coreinfo」を「コマンドプロンプト」にドラッグ&ドロップします。ドラッグ&ドロップしたら、「エンター」キーを押して「Coreinfo」を実行します。
5.Coreinfoの実行結果
以下のようにCPUの情報が表示されるので、「PAE」の行を見ます。上記の赤枠のように表示されればPAEに対応しています。
PAE * Supports > 32-bit physical addresses
以下の用に表示されれば、PAEに対応していません。
PAE - Supports > 32-bit physical addresses