アレイを構成する物理ボリューム数(スロット数)を変更する
アレイを構成する物理ボリューム数(スロット数)を変更します。物理ボリュームの数が変わるので、アレイの種類によっては論理ボリュームのサイズも変わります。
例えば、3つの「100MiB」の物理ボリュームで「RAID 5」アレイを作成しているとします。
この時、論理ボリュームのサイズは約「200MiB」になります。
これを、1つ物理ボリュームを追加し、4つの「100MiB」の物理ボリュームでアレイを構成することができます。
この時、論理ボリュームのサイズは約「300MiB」になります。
逆に物理ボリュームの数を減らすこともできます。
この操作は「アレイの再形成」に該当します。
アレイの種類
この再形成をサポートしているアレイの種類は、以下のとおりです。- RAID 0
- RAID 1
- RAID 4
- RAID 5
- RAID 6
論理ボリュームのサイズが変わる場合
論理ボリュームのサイズが変わる場合、注意が必要です。「論理ボリュームのサイズを一時期に変更する」を参考にしてください。
事前にデータのバックアップを取りましょう。
よく分からない場合は、物理ボリュームの数は変更しないほうが良いです。
また再形成後に他の操作を行う場合は、再形成が完了しているかどうか確認してから、他の操作を行ってください。
RAID 0で物理ボリューム数を変更する場合
「RAID 0」で物理ボリューム数を変更する場合、一旦「RAID 4」に再形成を行い、その後「RAID 0」に再形成を行います。コマンドのフォーマット
「mdadm」コマンドのフォーマットは以下になります。mdadm <モード> <論理ボリューム> <物理ボリュームの数><バックアップファイル> <追加する物理ボリューム>
ショートオプションとロングオプションについて
モードやオプションの記述方法には、「ショートオプション」と「ロングオプション」の2種類があります。どちらを利用しても良いでのですが、ここでは意味が分かりやすい「ロングオプション」を使用します。
モード
モードは、「mdadm」の動作モードを指定します。アレイの再形成(Grow Mode)なので、以下のオプションを指定します。
ショートオプション | ロングオプション | 記述例 |
---|---|---|
-G | --grow | --grow |
論理ボリューム
操作対象の論理ボリュームのデバイスファイルを指定します。複数の論理ボリュームのデバイスファイルを指定することはできません。
記述例
/dev/md/RAID1Array物理ボリュームの数
物理ボリュームの数を指定します。ここで指定する物理ボリュームの数は、追加する物理ボリュームの数ではなく、アレイを構成する物理ボリュームのトータルの数です。
ショートオプション | ロングオプション | 記述例 |
---|---|---|
-n | --raid-devices | --raid-devices=3 |
バックアップファイル
「バックアップファイル」を指定します。スペアディスクがない場合は、この「バックアップファイル」の指定が必要になります。
ショートオプション | ロングオプション | 記述例 |
---|---|---|
なし | --backup-file= | --backup-file=/root/RAID1ArrayBackup.reshape |
追加する物理ボリューム
追加する物理ボリュームのデバイスファイルを指定します。ショートオプション | ロングオプション | 記述例 |
---|---|---|
-a | --add | --add /dev/sdd2 |
複数の物理ボリュームのデバイスファイルを指定することができます。
複数の物理ボリュームのデバイスファイルを指定する場合は、各物理ボリュームのデバイスファイルを、スペースで区切ってください。
/dev/sdd2 /dev/sde2 /dev/sdf2
glob
物理ボリュームの指定は、globに対応しています。例えば上記の記述例は、以下のように記述することもできます。
/dev/sd[d-f]2
/dev/sd[def]2
スペアディスクについて
「スペアディスク」を設定できるアレイの種類では、このオプションを省略することができます。このオプションを省略した場合、「スペアディスク」が追加する物理ボリュームの対象になります。