アプリケーションアクション
アプリケーションアクションは、アプリの特定の動作を定義したものです。UbuntuではUnityランチャーのクイックリストの項目に利用されます。
定義するアクションごとに、アクショングループを記述します。
アクショングループのエントリーフォーマットは、「デスクトップエントリーグループ」と同じです。
アクションの定義がどのように機能するかは、それを利用するアプリ次第になります。
アクショングループはアプリケーションのデスクトップエントリーでのみ記述できます。
アクショングループとアクショングループヘッダー
各アクションごとにアクショングループヘッダーを記述します。アクショングループヘッダーのフォーマット
アクショングループヘッダーのフォーマットは以下のようになっています。[Desktop Action アクションの識別子]
「アクションの識別子」は他のグループヘッダーと重複しない識別子を設定します。
例
[Desktop Action MyAction]・・・
[Desktop Action OpenNewWindow]
・・・
アクショングループのエントリー
「デスクトップエントリーグループ」と同様に、エントリーによりアクションの内容を定義します。Actionsエントリー
アクショングループで定義した各アクションは、「デスクトップエントリーグループ」の「Actions」エントリーで関連付けます。関連付けを行わないと、定義されたアクションは使用されません。
またアクションの順番は、このエントリーで記述した順になります。
このエントリーは、「デスクトップエントリーグループ」に記述します。
対象 | アプリケーションのデスクトップエントリー |
グループ | Desktop Entry |
必須 | 任意 |
値の種類 | 文字列のリスト(strings) |
値
値に設定するアクション名は、アクショングループヘッダーで定義した「アクションの識別子」です。例
[Desktop Entry]Actions=Window;MyAction;OpenNewWindow;
[Desktop Action Window]
・・・
[Desktop Action MyAction]
・・・
[Desktop Action OpenNewWindow]
・・・
Nameエントリー
このエントリー以降のエントリーは、アクショングループに記述するエントリーです。「Name」エントリーはUI上に表示するアクションの名称です。
名称は自由に設定することができます。
対象 | アプリケーションのデスクトップエントリー |
グループ | Desktop Action |
必須 | 必須 |
値の種類 | ローカライズ文字列(localestring) |
値
UI上に表示する名称なので、アクションの内容を表現する名称を設定します。例
[Desktop Entry]Actions=MyAction;NewWindow;NewPrivateWindow;
・・・
[Desktop Action MyAction]
Name[ja]=アクション
Name=Action
・・・
[Desktop Action NewWindow]
Name[ja]=新しいウィンドウで開く
Name=Open a New Window
・・・
[Desktop Action NewPrivateWindow]
Name[ja]=新しいプライベートウィンドウで開く
Name=Open a New Private Window
・・・
Iconエントリー
UI上に表示するアイコンの設定です。対象 | アプリケーションのデスクトップエントリー |
グループ | Desktop Action |
必須 | 任意 |
値の種類 | ローカライズ文字列(localestring) |
値
絶対パスとファイル名で指定する方法あります。種類 | 設定例 |
---|---|
絶対パス | アイコンファイルへの絶対パスです。 アイコンファイルは主にPNGが利用されます。 |
ファイル名 | 現在のアイコンテーマ内のファイル名(拡張子除く)です。 一般的には、こちらの指定方法が利用されます。 |
例
Icon=firefoxUnityランチャーでは、「Icon」エントリーは使用されません。
OnlyShowInエントリー
このエントリーで指定したデスクトップ環境でのみ、アクションを有効にします。「Actions」エントリーにアクションが指定されていても、このエントリーの条件に合わない場合は、そのアクションは表示されません。
特定のデスクトップ環境に依存したディレクトリーエントリーやデスクトップエントリーは、このエントリーを利用するとよいでしょう。
「NotShowIn」エントリーと同時に利用することはできません。
対象 | アプリケーションのデスクトップエントリー |
グループ | Desktop Action |
必須 | 任意 |
値の種類 | 文字列のリスト(strings) |
値
以下の中から値を指定します。複数指定可能です。
値 | デスクトップ環境 |
---|---|
GNOME | GNOMEを採用したデスクトップ環境です。 Ubuntu GNOMEが該当します。 Ubuntuは該当しません。 |
KDE | KDEを採用したデスクトップ環境です。 Kubuntuが該当します。 |
LXDE | LXDEを採用したデスクトップ環境です。 Lubuntuが該当します。 |
Unity | Unityを採用したデスクトップ環境です。 Ubuntuが該当します。 |
XFCE | XFCEを採用したデスクトップ環境です。 Xubuntuが該当します。 |
例
OnlyShowIn=Unity;GNOME;OnlyShowIn=Unity
NotShowInエントリー
このエントリーで指定したデスクトップ環境では、アクションが無効になります。「OnlyShowIn」エントリーと逆の動作をします。
「OnlyShowIn」エントリーと同時に利用することはできません。
対象 | アプリケーションのデスクトップエントリー |
グループ | Desktop Action |
必須 | 任意 |
値の種類 | 文字列のリスト(strings) |
値
以下の中から値を指定します。複数指定可能です。
値 | デスクトップ環境 |
---|---|
GNOME | GNOMEを採用したデスクトップ環境です。 Ubuntu GNOMEが該当します。 Ubuntuは該当しません。 |
KDE | KDEを採用したデスクトップ環境です。 Kubuntuが該当します。 |
LXDE | LXDEを採用したデスクトップ環境です。 Lubuntuが該当します。 |
Unity | Unityを採用したデスクトップ環境です。 Ubuntuが該当します。 |
XFCE | XFCEを採用したデスクトップ環境です。 Xubuntuが該当します。 |
例
NotShowIn=KDE;LXDE;NotShowIn=GNOME
Execエントリー
アクション選択時に実行するアプリを指定します。対象 | アプリケーションのデスクトップエントリー |
グループ | Desktop Action |
必須 | 必須 |
値の種類 | 文字列(string) |
値
絶対パスと相対パスで指定する方法あります。種類 | 設定例 |
---|---|
絶対パス | 実行ファイルへの絶対パスです。 |
相対パス | 実行ファイルへの相対パスです。 パスの基準は「$PATH」環境変数になります。 「$PATH」は複数のパスが設定されているので、各パスごとにチェックが行われます。 |
引数について
実行ファイルの指定と共に、引数の指定も可能です。引数はスペースで区切ります。
複数の引数を指定することができます。
特別な引数(フィールドコード)について
ファイル指定付きで起動する時など、引数にファイル名等を指定したい場合があります。以下のフィールドコードを指定することで、アプリ実行時にファイル名等を展開し、アプリの引数に渡すことができます。
フィールドコード | 説明 |
---|---|
%f | パス付きのファイル名に展開されます。 ローカルのファイル及び一度に一つしかファイルを開けないアプリに利用します。 複数のファイルが指定された場合は、 ファイルの数だけアプリが起動し、それぞれのアプリに個々のファイルを渡します。 HTTPやFTPなどネットワーク上のファイルが指定された場合は、一時ファイルとしてそれらのファイルをローカルに保存し、そのファイルをアプリに渡します。 |
%F | パス付きのファイル名に展開されます。 ローカルのファイル及び一度に複数のファイルを開けるアプリに利用します。 複数のファイルが指定された場合は、そのファイルの数だけ引数が増えます。 HTTPやFTPなどネットワーク上のファイルが指定された場合は、一時ファイルとしてそれらのファイルをローカルに保存し、そのファイルをアプリに渡します。 |
%u | パス付きのファイル名かリソースのURLに展開されます。 ネットワーク上やローカルのファイルに対応しているが、一度に一つしかファイルを開けないアプリに利用します。 複数のファイルが指定された場合は、 ファイルの数だけアプリが起動し、それぞれのアプリに個々のファイルやURLを渡します。 |
%U | パス付きのファイル名かリソースのURLに展開されます。 ネットワーク上やローカルのファイルに対応し、一度に複数のファイルを開けるアプリに利用します。 複数のファイルが指定された場合は、そのファイルの数だけ引数が増えます。 |
%k | デスクトップエントリーファイルのURIに展開されます。 |