kledgeb UbuntuやLinuxの最新情報を紹介

Ubuntu Mir その2 - ユーザーから見たMir・Xサーバー互換の環境を提供するXMir・Ubuntuの対応状況や方針

ユーザーから見たMir

  UbuntuのディスプレイサーバーがXサーバーからMirに移行する際、ユーザーにどのような影響が出るのか気になる点を書いてみます。


  1.グラフィックドライバーの対応が必要

    グラフィックドライバーは、Mirをサポートする必要があります。
    Mirをサポートしていないグラフィックドライバーは利用できません。
 
    オープンソースのグラフィックドライバー及びプロプライエタリーのグラフィックドライバー共に、Mirのサポートが必要です。

    オープンソースのグラフィックドライバーのMir対応は進んでいますが、プロプライエタリーのグラフィックドライバーのMir対応はまだまだです。

    現状ではオープンソースのグラフィックドライバーでMirを利用することになります。
    プロプライエタリーのグラフィックドライバーのMir対応はそのメーカー次第なので、全部及び一部のグラフィックカードがサポートされなくなる状況が出てくるかもしれません。

    Ubuntu 13.04でオープンソースのグラフィックドライバー及びプロプライエタリーのグラフィックドライバーを比較すると、パフォーマンスや提供されるカスタマイズツール(AMD Radeonで言うところのCatalyst)の差を見ると、プロプライエタリーのグラフィックドライバーを利用したいですね。

    ちなみにグラフィックカードのテスト状況は、「GPUTesting」で見ることができます。

  2.アプリの対応が必要

    アプリは使用するディスプレイサーバーに依存します。
    従ってディスプレイサーバーがXサーバーからMirサーバに変更されるとなると、そのままでは動作しなくなります。

    今まで使えていた、あるいは、よく利用していたアプリが動作しなくなると、非常に困ります。
    XサーバーからMirサーバへの移行期間中は、Xサーバー向けに作られたアプリでも動作するようにXMirが提供されます。

    またXMirが廃止された後は、ルートレスXにより、Xサーバー向けに作られたアプリが動作するようになります。

    アプリの対応状況やアプリがXMirやルートレスX上で動作した時に、満足に動作するのか、パフォーマンスはどうなるのか気になりますね。

Xサーバー互換の環境を提供するXMir

  XMirはMir上で動作するXサーバー互換環境です。
  Mirに対応していないアプリは、このXMir上で動作します。

  XMirはUbuntu 14.04のサポート期間が切れるまで、サポートされます。
  Ubuntu 14.10ではXMirが廃止される予定です。

  Ubuntu 14.10でMirに対応していないアプリは、ルートレスX上で動作するようになります。

Ubuntuの対応状況及び方針

  UbuntuのMirの対応状況と方針です。

  Ubuntu 13.10

    Xサーバー + Unity 7
       
    「Mir + XMir + Unity 7」でリリースされる予定でしたが、XMirの品質を十分に確保できないため、中止になりました。

  Ubuntu 14.04 LTS

    現状「Mir + XMir + Unity 7」の予定ですが、Ubuntu 13.10でMirを搭載する予定がなくなったため、いきなりLTS版に搭載するかどうか不明です。

  Ubuntu 14.10

    Mir + ルートレスX + Unity 8

参考資料

  Mirの参考資料です。

  • XMir update for Ubuntu 13.10
  • Mir Spec
  • NoDefaultQ&A(Ubuntu 13.10)
  • Ubuntu graphic stack roadmap update


Mir
スポンサー
コメント
コメントポリシー
コメントをする前に UbuntuのCode of Conduct(CoC/行動規範) を確認し、CoCに沿ったコメントをお願いします。
コメントの使い方は、コメントの使い方を参照してください。
同一カテゴリーの記事
SNS
人気の記事
  • Ubuntu 22.04 その120 - UbuntuのブートローダーをBoot Repairで修復するには・Ubuntuが起動しないトラブルを解決
    UbuntuのブートローダーをBoot Repairで修復するには 「Boot Repair」はOSのブートローダーに起因するOSが起動しない問題を簡単に解決してくれるアプリです。
  • Ubuntu 22.04 LTSのインストール その5 - UEFI環境でパーティションの作成と構成 〜 ブートローダーのインストール先の選択
    UEFI環境でパーティションの作成と構成を行う UEFI環境でパーティションの作成と構成を行います。
  • Ubuntu 22.04 その79 - 画面ロックの有効・無効を設定するには・画面ロック時の設定をカスタマイズするには
    画面ロックの有効・無効を設定するには 一定時間ユーザーによる操作がない時に、自動的に画面をロックしパスワードで保護したり、画面をブランク状態にできます。
  • Ubuntu 22.04 その95 - ディスプレイサーバーを切り替えるには・XorgとWayland
    ディスプレイサーバーを切り替えるには 「Ubuntu」はデフォルトで2種類のディスプレイサーバーを提供しています。
  • VirtualBox その125 - ゲストOSのUbuntuにLinux Guest Additionsをインストールするには
    ゲストOSのUbuntuにLinux Guest Additionsをインストールするには 仮想マシンにインストールしたゲストOSの「Ubuntu」に、「Linux Guest Additions」をインストールする方法です。
  • Ubuntu 22.04 その98 - 入力ソースとキーボートレイアウトと日本語入力のカスタマイズ
    入力ソースとキーボートレイアウトと日本語入力 「Ubuntu」ではユーザーが利用しているキーボードレイアウトや日本語入力のカスタマイズが可能です。
  • Ubuntuのバージョンと開発コードの対応表
    UbuntuのバージョンとUbuntuの開発コード 「Ubuntu」には各バージョンごとに開発コードが設定されます。
  • Ubuntu 20.04 その74 - UbuntuとUEFIセキュアブート
    UbuntuとUEFIセキュアブート 「Ubuntu」と「UEFIセキュアブート」に関するお話です。
  • Ubuntu 22.04 その99 - 日本語入力(Mozc)の設定をカスタマイズして作業効率を上げよう
    日本語入力(Mozc)の設定をカスタマイズするには 「Ubuntu」では日本語入力に「Mozc」を採用しています。
  • Linux その215 - GNOME 48 リリース・GNOME 48 の新機能と変更点
    GNOME 48 の新機能と変更点 2025年3月19日、GNOME 48(コードネーム:Bengaluru) がリリースされました。 リリースノートから GNOME 48 の新機能と変更点を紹介します。
記事のピックアップ
オプション