Ubuntu Desktopの未来とUnity 8への移行計画
2016/5/5に行われた「Ubuntu Online Summit」にて、Ubuntu Desktopの未来とUnity8への移行計画が発表されました。Ubuntu Desktopの未来
「Ubuntu Desktop」の未来は、「Mir + Unity 8 + Snappy(snap/snaps)」の導入です。次世代の「Ubuntu Desktop」と言ったところでしょうか。現状の「Ubuntu Desktop」は、「Xサーバー + Unity 7 + Snappy/Deb」です。
Snappy
このうち「Snappy」は、すでに「Ubuntu 16.04」にて仕組みが導入されています。そして「Snappy」は、仕組みの導入から仕組みの定着へと発展させていきます。
メジャーなアプリはSnappyへ移行
FirefoxやLibreOfficeのようなメジャーなアプリが、「Snappy」で提供される日が来ます。debパッケージからsnapパッケージへ移行するための作業が行われており、snapパッケージがデフォルトでインストールされるようになります。
ユーザーに影響が出ないように
例えば、今後UbuntuでSnappy版の「Firefox」しか提供されなくなったとします。ユーザーが従来のdeb版「Firefox」からSnappy版へ移行(アップグレード)する時は、ユーザーの環境を壊さず移行できようにするとのことです。
Ubuntu Store
開発者は、「Ubuntuソフトウェア」を通じて有料/無料アプリをユーザーに販売・配布できるようになります。オープンソースでもプロプライエタリーでも構いません。
ベンダーは商用アプリを販売できるようになります。
「Windows Store」や「Google Play」みたいなサービスですね。
オフラインアップデート
オフラインアップデートとは、パッケージのアップデートをUbuntuの起動時に行う仕組みです。Windowsにもある機能ですね。(Windows更新プログラムの構成中・・・)
この機能は、ユーザーが更新されたソフトウェアを確実に使用できるようにすることと、アップデート時にエラーが発生した時に復帰できるようにすることが目的とのことです。
ただこの仕組みは「Ubuntu」側で実装する仕組みではなく、「GNOME」側で実装する仕組みです。
なので「Ubuntu」としてはいつ採用するのか、問題なく導入できるのか、修正が必要なのか、といった内容の話なのかも知れません。
Unity 8
「Unity 8」は現在使用している「Unity 7」の次の世代のデスクトップ環境です。Unity 8に注力
Unity 8に注力し、Unity 7はOEMなど特定の分野に絞って必要な作業のみを行うようになります。アプリケーションが使用するフレームワークであるGTK+など、アプリ(GUI)を支えるライブラリー群が「Mir」に対応します。
Mirとは
「Mir」とは、次世代のディスプレイサーバーです。「Mir」はCanonical及びUbuntu主導で開発されているディスプレイサーバーで、現在のXサーバーを置き換えるソフトウェアです。
GPUドライバーも対応が必要
GPUドライバーも「Mir」に対応する必要があります。オープンソースのGPUドライバーはともかく、プロプライエタリーのGPUドライバーの対応はメーカー次第であり、現状対応は不十分です。
プロプライエタリーのGPUドライバーは、メーカーが「Mir」に対応してくれなければ「Mir」で使用することができません。
Unity 8への移行計画
Unity 8への移行計画です。Ubuntu 16.10でUnity 8をインストール
「Ubuntu 16.10」で「Unity 8」がデフォルトでインストールされます。もちろん「Mir」もインストールされます。
ただし「Unity 7」も同時にインストールされ、デフォルトのデスクトップ環境は「Unity 7」になります。
「Ubuntu 16.10」リリース後、どこかのタイミングでデフォルトのデスクトップ環境が「Unity 8」に切り替わります。
スライドを見る限り2017年1月のように見えますが、なんとも言えません。
またどのように切り替わるのかも不明です。
急にデスクトップ環境が変わると大混乱が起きそうですし、どのようにユーザーにアナウンスするのか、どのように切り替えるのかはこれからです。
その他の作業
スライドでその他の作業も紹介されています。あくまで計画
上記はあくまでも計画です。「Ubuntu 16.10」のリリースは現在の予定ですと2016年10月20日ですし、まだ先の話です。
いつどこでなにが実現されるのか、「Ubuntu 16.10」でなにが盛り込まれるのかは、今後明らかになっていくでしょう。