Ubuntu 18.04 その61 - initramfs-toolsにLZ4のサポートを・LZ4のサポート提案

initramfs-toolsにLZ4のサポートを

「initramfs-tools」に「LZ4」（圧縮形式）のサポートが提案されています。

• Supporting LZ4 as initramfs compressor

今回の提案は、「initramfs-tools」に「LZ4」のサポートを追加することと、将来的にデフォルトの圧縮形式を「LZ4」にすることです。

「initramfs-tools」は長い間、デフォルトの圧縮形式に「gzip」を採用してきました。
「LZ4」は「gzip」よりもアーカイブのサイズが大きくなりますが、「gzip」よりも高速な圧縮・展開速度を提供します。

展開速度の計測

提案者の環境では、OS起動時の「initramfs」の展開が、約1.2秒から約0.24秒に短縮されました。

LZ4

gzip

アーカイブ作成時間の短縮

同様に「initramfs」作成時、アーカイブの作成にかかる時間が約24秒から約21秒に短縮されました。

LZ4

gzip

アーカイブサイズの増加

その一方でアーカイブサイズが約14%増えました。

LZ4のサポート提案へ

提案者はこの結果を踏まえ、「initramfs-tools」の「LZ4」のサポートを以下で提案しています。

• Add LZ4 support

ただし現時点での提案は、「initramfs-tools」の「LZ4」のサポートに留まっており、デフォルトの圧縮形式としての採用は、「Ubuntu 18.10」での採用が考えられています。

/bootのサイズ

ユーザーの中には、「/boot」をルートとは別のパーティションに確保しているユーザーもいるかと思います。
「LZ4」では「initramfs」のアーカイブサイズが増加するため、ギリギリのサイズで「/boot」用のパーティションを作成している場合、容量不足に陥る可能性があります。

ただし「Ubuntu 18.04」の「ソフトウェアの更新（update-manager）」では、古いカーネルを自動削除する機能のサポートが検討されています。

• Merge lp:~rbalint/update-manager/remove-autoremovable-kernels into lp:update-manager

また「unattended-upgrades」は、すでに古いカーネルを自動削除する機能がサポートされています。

• unattended-upgrades 1.0ubuntu1 source package in Ubuntu

そのためアーカイブサイズが増加しても、容量不足の問題は回避できるのではないか、とのことです。