Linux kernel 6.5を採用予定
「Ubuntu 23.10」で「Linux kernel 6.5」が採用される予定です。スケジュール
現状UbuntuやUbuntuで採用する「Linux kernel」周りのスケジュールは以下のようになっています。- 2023年9月14日:Kernel Feature Freeze
- 2023年9月18日:Beta Freeze
- 2023年9月28日:Kernel Freeze
- 2023年10月5日:Final Freeze
- 2023年10月12日:Final Release
詳細は以下を参照してください。
Linux kernel 6.5の注目点
「Linux kernel 6.5」の注目点をいくつか紹介します。1. Topology Aware Register and PM Capsule Interface
Intelの「Topology Aware Register and PM Capsule Interface」は、より優れた電力管理を行うインターフェースを提供する仕組みです。この「Topology Aware Register and PM Capsule Interface」がサポートされます。
2. permission-indirection extension
arm64では特別なメモリーパーミッションを設定可能な「permission-indirection extension」がサポートされます。3. RISC-VでACPIのサポート
RISC-VでACPIがサポートされます。4. LoongarchでSMTのサポート
「Loongarch」アーキテクチャーでSMT(Simultaneous Multi-Threading)がサポートされます。5. Unaccepted memoryのサポート
ゲストがホストによって確保されたメモリーを利用できるようにするためのプロトコルです。6. io_uringサブシステム
「io_uring」サブシステムでユーザー空間のメモリーにリングとサブミッションキューを保存できるようになりました。7. ファイルシステムのマウント
既存のマウントポイントにファイルシステムをマウントする機能が追加されました。> mount -t ext4 /dev/sda /mnt
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└─/mnt /dev/sda ext4
> mount --beneath -t xfs /dev/sdb /mnt
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└─/mnt /dev/sdb xfs
└─/mnt /dev/sda ext4
> umount /mnt
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└─/mnt /dev/sdb xfs
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└─/mnt /dev/sda ext4
> mount --beneath -t xfs /dev/sdb /mnt
|
└─/mnt /dev/sdb xfs
└─/mnt /dev/sda ext4
> umount /mnt
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└─/mnt /dev/sdb xfs
コンテナで活用できます。
8. cachestat システムコール
ディレクトリー及びファイルのページキャッシュの統計情報を取得する新しいシステムコールが追加されました。9. MGLRUがデフォルトに
これはUbuntu固有の変更です。デフォルトで「MGLRU(multi-gen LRU)」が有効になりました。
10. 低遅延カーネルの設定見直し
これもUbuntu固有の変更です。低遅延(lowlatency)カーネルは応答性を優先したカーネルであり、DTMやオーディオなど応答性が重要視されるマルチメディア分野で活用されているカーネルです。
Ubuntuに応答性を優先するリアルタイムカーネルが登場したことで、低遅延カーネルの設定を見直すことになりました。
マルチメディアのワークフローはデスクトップ上で行われるものであり、低遅延カーネルをデスクトップ上で活用されるカーネルとして設定が見直されました。
つまりデスクトップとアプリの応答性に着目した設定に最適化されました。