Ubuntu Desktop 25.10 の開発方針
2025年5月16日、Ubuntu Desktop 25.10 の開発方針が以下でアナウンスされました。デスクトップ
まずはデスクトップ関連の方針です。GNOME 49
Ubuntu Desktop 25.10 ではデスクトップ環境に GNOME 49 が採用される予定です。GNOME Shell 拡張機能のアップデート
また Ubuntu のデスクトップには、GNOME で標準的に搭載されていない GNOME Shell 拡張機能がいくつか搭載されています。例えば Ubuntu Dock がこれにあたります。
GNOME Shell 拡張機能は GNOME のバージョンに合わせてアップデートする必要があため、Ubuntu Desktop でプリインストールする GNOME Shell 拡張機能もこれに合わせてアップデートされます。
またユーザーインターフェースも GNOME のデザインに適合するように見直されます。
プリインストールアプリの変更
既存のアプリをモダンなアプリへ置き換えるため、以下の新しい2種類のアプリがプリインストールされます。Loupe
Loupe はモダンなイメージビューアーです。Ptyxis
Ptyxis はターミナルエミュレーターです。Variable Refresh Rate(VRR)のサポート
Variable Refresh Rate(VRR/可変リフレッシュレート)のサポートが予定されています。VRR に対応したディスプレイなら、VRR によりスタッターやティアリングを抑えることができ、フレームレートが変化しても滑らかな映像をユーザーに提供できます。
特にゲームプレイ時に VRR の効果を体験できるでしょう。
NVIDIA GPU の Wayland サポート改善
NVIDIA GPU を搭載した PC で Wayland 環境のサポートが改善される予定です。Ubuntu はアップストリームの GNOME 及び NVIDIA コミュニティーと蜜に連携してこの作業に取り組んでいます。
Ubuntu Desktop for RISC-V のサポート
RISC-V プラットフォーム向け Ubuntu Desktop のサポートが予定されています。目標は Firefox や Thunderbird といった主要なアプリケーション含め、完全に機能するデスクトップを提供することです。
TPM による FDE のサポート改善
TPM を活用した FDE(Full Disk Encryption/ストレージの暗号化)のサポート改善が予定されています。この機能は Ubuntu 25.10 でほぼ完成する見込みです。
さて主な改善内容は、回復キーの管理機能です。
回復キーの各種操作
ユーザーが Ubuntu のインストール時に、回復キーを表示したり、保存したり、印刷できるようになる予定です。回復キーの再作成
Ubuntu インストール後に Security Center から回復キーを再作成できるようになる予定です。インストーラーの改善
インストーラーでパスフレーズエントロピー(パスフレーズのセキュリティー強度)が表示される予定です。PIN 機能のサポート
PIN 機能がサポートされる予定です。ファームウェアアップデート前の確認
ファームウェアアップデートを行う前に、ストレージのデータ消失を避けるため、ユーザーに回復キーを所有しているか確認する画面が表示される予定です。パーミッションと確認画面
パーミッションが必要なリソースにアプリがアクセスしようとした時に、ユーザーにそのアクセスの確認画面を表示する機能があります。使い勝手の改善
ただ現状この確認画面の表示頻度が高くなると、ユーザーによっては煩わしさを感じるでしょう。そこで確認画面を出す機会を減らすことと、デフォルト設定の見直しによる使い勝手の改善が予定されています。
GNOME Shell との統合
この機能を GNOME Shell との統合(連携)することで、使い勝手の向上も予定されています。インストーラーと Landscape の統合
Ubuntu Dektop Installer に Landscape の導入と統合が予定されています。管理ワークフローの効率化
これによりエンタープライズの管理者は、autoinstall 設定ファイルをプロビジョニングのタイミングで Landscape から直接ダウンロードできるようになり、デバイスの登録と管理ワークフローの効率化が期待できます。ちなみにプロビジョニングとは端的に表現すると、ある特定の目的に対する事前準備やお膳立てという意味です。
クラウド認証とデバイス管理
Microsoft Entra ID によるサポートが改善される予定です。連携統合機能の強化
Microsoft Entra ID によるデバイスの登録機能が改善される予定です。これにより Ubuntu デバイスを Microsoft Entra ID を利用して直接登録できるようになります。
またポリシーの強制適用も利用可能です。
WSL 向け Ubuntu
Ubuntu は WSL 向け Ubuntu も公式にサポートしています。ここは Ubuntu 25.10 の話題ではなく、すでにリリース済みの Ubuntu LTS の話になります。
Ubuntu 24.04.3 LTS のイメージ
Ubuntu 24.04 LTS のイメージは、2025年8月にリリースを控えている Ubuntu 24.04.3 LTS のリリースと共に、Ubuntu 24.04.3 LTS のイメージにアップデートされます。新しいイメージフォーマットへの移行
Ubuntu 20.04 LTS / 22.04 LTS のイメージを、新しいイメージフォーマットに移行する予定です。これにより WSL 向け Ubuntu のすべてのイメージの一貫性が確保され、パフォーマンスも改善されます。
デスクトップのドキュメント
デスクトップのドキュメントの改善計画が予定されています。端的に言えばヘルプですね。
必要な情報にアクセスしやすく見つけやすく
現在の Ubuntu Desktop ドキュメントの使い勝手を向上させるため、ドキュメントの統合や見直しが検討されています。目標はユーザーと開発者双方にとって、必要な情報にアクセスしやすく見つけやすいドキュメントを構成することです。
アクセシビリティー
アクセシビリティーは Ubuntu Desktop 開発チームにとってコア機能の一つです。2025年6月に施行予定の European Accessibility Act(EAA/欧州アクセシビリティー法)に備え、デスクトップスタック全体のアクセシビリティー機能の監査と改善に取り組んでいます。


