リカバリーモード
Grub2のブートメニューには、各Linux Kernelごとにリカバリーモードが用意されています。Ubuntuが起動しなくなった場合は、リカバリーモードで復旧を試してみるとよいでしょう。
Windowsでいうところの「セーフモード(コマンドプロンプトのみ)」といったところでしょうか。
リカバリーモードで起動する
Grub2のブートメニューから「(recovery mode)」と表示されている項目を選択し、起動します。上記画面の場合、
「Ubuntu, with Linux 3.2.0-27-generic (recovery mode)」が該当します。
リカバリーモードで起動すると、ログがたくさん表示された後リカバリーメニューが表示されます。
ファイルシステムは読み込み専用でマウントされています。
いくつかの項目は読み書き可でマウントする必要がありますが、
必要に応じて読み書き可で再マウントしてくれます。
とりあえず読み書き可で再マウントするには、「fsck」を選択すればOKです。
resume
Ubuntuを通常起動します。ただしグラフィックドライバによっては、表示が乱れるなど不都合が起きることがあります。
以下の警告どおり、再起動したほうが良いでしょう。
clean
不要なパッケージを削除して、HDDの空き容量を確保します。どのパッケージが削除されるのか表示されるので、削除前に確認することができます。
またそのタイミングで処理をキャンセルすることもできます。
特に不要なパッケージが存在しない場合は、以下のように表示されます。
dpkg
破損したパッケージの修復と、パッケージのアップデートを行います。新しいバージョンのパッケージがダウンロードされていない場合は、ダウンロードも行います。
その場合、ネットワークに接続されている必要があります。
アップデート途中でフリーズして強制再起動した場合に試すとよいでしょう。
破損したパッケージの修復 + アップデートマネージャーによるアップデートの処理に相当します。
上記の画面で「d」キーを押すと以下のようにアップデートの詳細が表示されます。
「Install」は新たにインストールされるパッケージです。
「Upgrade」はアップデートされるパッケージです。
処理を続行するには「y」キーを押し、処理をキャンセルする場合は「N」キーを押します。
failsafeX
標準的なグラフィックドライバ(vesa)でGUIを起動します。グラフィックドライバをインストールしたら画面が表示されなくなった時に試すとよいでしょう。
failsafeXで起動すると以下の画面が表示されます。
意訳すると、
「グラフィックカードの設定やマウス等の入力デバイスは正しく検出されませんでした。
自分で設定する必要があります」
「OK」ボタンをクリックすると、以下の画面が表示されます。
この画面で「Cancel」ボタンをクリックすると、リカバリーメニューに戻ります。
Run in low-graphics mode just one session
一時的にvesaでUbuntuを実行する・・・機能だと思いますが、私の環境では動作しませんでした。
Reconfigure
Xサーバー(GUIを実現するソフト)の設定をデフォルトに戻します。画面が表示されない現象が発生するときは、この辺の内容が絡んできます。
後はKMSとか、ドライバそのものが成熟していないとか。
Use default (generic) configuration
「/etc/X11/xorg.conf」設定ファイルを別名に変更することで、設定をデフォルトに戻します。
名称が変更されたファイルは「/etc/X11」ディレクトリーに存在します。
Ubuntuは「xorg.conf」が存在しない場合、
インストールされているドライバ群から適切なドライバを選択し、
デフォルトの設定で動作します。
後は再起動すればOKです。
Use your backed-up configuration
バックアップから「xorg.conf」を置き換える・・・機能だと思いますが、私の環境では何も起きていないようでした。
Troubleshoot the error
Xサーバーのログや設定ファイルを表示します。Review the xserver log file
通常起動時のXサーバーのログファイルを表示します。(WW)が警告で、(EE)がエラーです。
Review the startup errors
起動時のエラーを表示します。エラーがなければ以下のように空白になります。
Edit configuration file
「/etc/X11/xorg.conf」設定ファイルを表示・編集します。Archive configuration and logs
XサーバーやGUIに関係する設定ファイルやログファイルをtarで保存します。保存先のディレクトリーは「/var/log」です。
ファイル名は「failesafeX-backup-日時」です。
Exit to console login
リカバリーメニュー画面に戻ります。fsck
ファイルシステムのチェックを行います。Windowsでいうところのchkdskです。
以下の画面が表示されるので、<Yes>を選択します。
意訳すると、
「ルートディレクトリと/etc/fstabで指定されているファイルシステムを、
読み書き可で再マウントするよ。OK?」
ただしfsckを実行するには、ファイルシステムが読み込み専用になっている必要があります。
読み書き可になっている場合は、以下のようにエラーが表示されます。
意訳すると、「読み込み専用じゃないとチェックできないよ。再起動して最初に試してみて。」
特に問題がなければ以下のように表示されます。
grub
OS(Windowsも含める)やLinux KernelをHDDから検索し、ブートメニューを再構築します。OSやLinux Kernelがブートメニューに表示されない時に試してみるとよいでしょう。
見つかったOSやLinux Kernelは以下のように表示されます。
network
ネットワークに接続します。あらかじめネットワークの接続環境をセットアップしてから、この項目を選択しましょう。
root
rootユーザーでコンソールを表示します。リカバリーメニューに戻るには、「exit」コマンドを実行します。
また再起動やシャットダウンする場合は、ここからコマンドで行うとよいでしょう。
system-summary
CPUやメモリー、HDDの情報などシステムの情報を表示します。VirtualBoxやVMwareでは表示できません。